見出し画像

あちこちの山が笑っていますね

近所の山を見ると、遠くからでも桜が咲いているんだな、とわかるようになりました。

思わず「今年も山が笑ってるなぁ」と嬉しくなりました。さて、どんな意味でしょう?

山を擬人化した季語

芽吹いた若葉や、桜などの花によって、明るい感じになった春の山のことを、季語ではひと言で表せます。「山笑う」です。

北宋の画家・郭煕の画論『林泉高致』に出てくる「春山澹冶(たんや)にして笑ふが如し」という一節から季語になりました。

山を擬人化しているおもしろい季語ですが、山の様子が端的に表されていますよね。

実は同じような季語があと3つありまして、「山擬人化シリーズ」と呼ばれています(私の中で)。

滴って、化粧して、眠る

夏の山は「山滴る」。青々とした緑でいっぱいな様子が思い浮かびますね。

秋の山は「山粧う」。紅葉に彩られた山を、化粧をしているようだと例えるなんて!

冬の山は「山眠る」。木々の葉は落ち、雪をかぶることもある冬の静けさが伝わってきます。

たった3文字で、情景も空気感もしっかり伝えてくれるこの感じ・・・、たまりませんわぁ。


ぜひみなさんも、「山が笑ってる」という表現を使ってみてください。「物知りだね!ステキ!」と思われること間違いありません。

私ですか? もちろん、いつもどおり「また不思議なこと言い始めたぞこの人」という生温かい目線をいただきましたよ!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?