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泉まくら×HAIIRO DE ROSSI 対談

対談日2023年8月21日

HAIIRO DE ROSSI(以下HAIIRO)
「先ずはカムバックおめでとうございますだね。」

泉まくら(以下まくら)
「ありがとうございます!」

HAIIRO
「どう?3年ぶりだけど。」

まくら
「次にリリースするのは絶対『夢』!という気持ちが固くて、」

HAIIRO
「うん」

まくら
「2020年に無理に出さず、
このタイミングまで待った事ですごくいいテイクが録れて
本当に良かったなと思います。」

HAIIRO
「なんか大人になったよね、強くなったとも思うし。」

まくら
「2020年に録れてたテイクはもっと声そのものが内省的というか、
簡単に言ってしまえば「暗い」感じだったんですけど
確実に自分のメンタルというか今の心持ちが声に出たなとは思います。」

HAIIRO
「あー、前に録ってはいたんだ。」

まくら「そうなんです。
出す形とタイミングを考えていたら、
時間がかなり経っていて、
自分が纏まった作品にすることに拘りすぎて、
他の曲を作ることに焦ってしまったのもあります。」

HAIIRO
「なるほどー。まあでも結果的にベストな状態で出せたのは良かったよね。
なんか、活動してない期間も話したりはよくしてたから、
その時にずっと言ってた事があって、
泉まくらのファンって、
「泉まくらじゃないとダメ」って人が多い印象で。
それは『二人の秘密』(2020年『HAIIRO DE ROSSI収録』)で共演してから
少なからずまくらさんのファンを知って思った事なんだけど、
彼ら彼女らにとってはそれは「泉まくらっぽいもの」とかじゃダメで、
そういう意味でも本当にかえがきかないアーティストだなあと。」

まくら
「それは本当にありがたく感じています。
特にワンマンライブを初めてさせてもらってから、
私の音楽を聴いてくれている人たちの存在をよりはっきりと感じて、
良くも悪くもファンの皆さんの存在を
意識しない歌詞を書くのは難しくなりました。
とはいえ、泉まくらとしてやりたいことは変わらないんですけどね。
『夢』をリリースした時「またリリースしてくれてありがとう」と
沢山言ってもらえたけど、
こちらこそありがとう!でした、本当に。」

HAIIRO「本当そうだよね。なんかリリース見てて、
ファンとまくらさんお互いが報われてる感じがして凄く嬉しかったな。」

まくら
「ありがとうございます。
リリースはかなりドキドキで緊張してたんですけど、
喜んでくれる人が多くて私も嬉しかったです。
forteと縁があって、そこにも本当に感謝しています。」

HAIIRO
「いやいやこちらこそ。あと凄いなと思うのが、
普通の音楽好きにも刺さってるんだけど、
コアなヒップホップリスナーさんとか、ライターさんとかが、
泉まくらを"ラッパー"として凄く高く評価してるのは興味深くて、
なんかまくらさん的にラッパーである事みたいな意識はあります?」

まくら
「自分のしてることがラップじゃないな?
と思ったらラッパーじゃなくなるかもしれないですけど、
今はラッパーだなって思います。
一番重きを置いているのはフロウなんですけど、
韻は踏んだ方が引っ掛かりになる、音楽的に面白くなるし、
その為にリリックを変える事もかなり多いです。
母音ではなく子音を意識することも多いです。」

HAIIRO
「なるほど。なんか昔、俺のラップが難しいのは何故か?
みたいな話になった時にまくらさんに
「HAIIROさんは呼吸の仕方が人と違うんですよ」って言われて、
初めて腑に落ちたの思い出したわ。
しかしながらまくらさんのラップも相当難しいよね。」

まくら
「HAIIROさんのラップは「ここで吸うんだ」、っていう
吐いた分の吸わなきゃいけない箇所ではなく、区切るためのブレスとか、
次を印象付ける為のブレスがかなりあるんじゃないかなと思います。
私のラップは…頭の中ではかっこよくキマってるのに、
実際録るとあれれ?っていう笑」

HAIIRO
「笑」

まくら
「私ひとつハイイロさんに伝えたいことがあったんですけど
その話してもいいですか?」

HAIIRO
「勿論。」

まくら
「これまでハイイロさんと色々お話しさせてもらって
メールや電話や実際会って話した時も、思っていたんですけど。
言葉に、それ以上の意味を持たせようとしない姿勢みたいなのを感じて。
本人の意図とは違うかもしれないんですけど、
「この言葉から何かを汲み取ってほしい」とか、
「こう言えば分かるだろう」みたいなのを感じないんです。
「あ、ハイイロさん、全部本心だな」っていつも思うんです。
それで私は
「こんな風に言われたってことは、こうして欲しいって事かな?」とか
「こう言われたけど、本当はこうかな?」とか
考えがちだった自分を変えられました。
そして自分の言葉の使い方も徐々に変わりました。
「私の言葉をそのまま受け取ってもらう」ことを前提に話せるようになりました。
感謝しています。」

HAIIRO
「あー、嬉しいね。
俺は良くも悪くも嘘がつけないから、
立場とか考えず自分の思ったこと言っちゃうからなー。
でもまくらさんに良い影響があったなら良かった。
というか俺もまくらさんから物凄い影響受けてるけどね。
まずラッパーでこんなに綺麗な文章を書く人に出会った事なかったから、衝撃で。
それから仲良くなるにつれて
「俺が見てる2、3個先をこの人見てる」って思ったんだよね。
今まで友達ではハト(Pigeondust)にそれを感じてたけど、
ラッパーに感じたのは初めてで。」

まくら
「歌詞だけ見ても良い、
歌詞を意識せず聴いても良い、
歌詞を読みながら聴いても良い!
って自分が思える曲作りをしたくて、
矛盾するようですけど、フロウの為に書き直した歌詞でも
「歌詞だけ見ても良い」を満たしていないと嫌だというのはあります。
なのでそう言ってもらえて嬉しいです。」

HAIIRO
「あー、徹底してるね。
これは余談なんだけど俺の友達がペットが亡くなった時に
『君のこと』(2013年『マイルーム・マイステージ』収録)を聴いて、
「多分そういう意味の曲じゃないだろうけど、
「好きだったんだと思う~*Hook」で泣いた」って言ってたんだけど、
そこまで徹底して作られてるから色んな方向に刺さるのかもしれないね。」

まくら
「嬉しいです。
自分の歌詞が、自分の中だけでは終わらないで
誰かの元に辿り着いているっていう実感で続けてこられたのはあるので、
すごく嬉しいです。
YouTubeのコメントとかでも、
こんな風に感じたとか誰を思い出したとか書いてくれる人が居ると、
良かったって思います。
ハイイロさんの曲もそういうことが沢山起こっていると思います!」

HAIIRO
「俺らの手を離れた時点で自分だけの曲ではなくなるから、
人それぞれ解釈があっていいよね。
しかしながらまくらさんにとって『夢』って改めてどういう物?
なんか俺、最近夢についてよく考えるんだけど、
なぜか出て来るのが限りなく目標に近い物になってるんだよね。
まあ夢って言葉だけでもめちゃくちゃ色んな捉え方あるだろうけど。」

まくら
「歌詞にもあるんですけど、
「血筋だとか感謝だとか期待だとかには決して産まれない。
ひたすらに煌めくもの。」
これが自分の思う『夢』を精一杯言葉にしたものかなと思います。
私の思う「目標」との違いは、
「達成する必要はない」ということかもしれないです。
ずっと追いかけててもいい、
「わぁ綺麗だな」って「好きだな、最高だなぁ」って思えるもの。
ただ胸を焦がして居られるもの。
「夢って何?」って子供の頃の自分に聞かれた時、
こう答えたいなって思って書きました。」

HAIIRO
「なるほどー。
まくらさんらしいというか、分かる。
俺の場合、デビュー当初から
「いつかBlue Noteからラップアルバムを出したい」
みたいな夢があったんだけど、
最近になって改めて考えてみたら、これからもforteから出したいし、
今の仲間と一日でも長く音楽をやりたい。みたいに変わっててさ。
それはまくらさんの言う胸を焦がして居られる物が
仲間って事なのかもしれない。」

まくら
「ハイイロさんの最近の曲には、家族以外に仲間への気持ちを感じますよね。
ファンの皆さんも含まれていますよね。」

HAIIRO
「うん、そうなんですよ。歳かな。笑」

まくら
「歳を重ねて、どんどん楽になりませんか?
楽になるというとあまりに簡単すぎるんですけど…」

HAIIRO
「いや、わかるよ。
なんかキャパが広がるというか。
まくらさんの曲で好きな曲は、
『エンドロール』(2019年『as usual』収録)とか、
『いのち』(2019年『as usual』収録)とか、
『幻』(2015年『愛ならば知っている』収録)とか色々名曲はあるけど、
最新の泉まくらがなんだかんだ
一番分かりみがあるのもそういう事なのかもしれないなー。」

まくら
「キャパが広がるっていうのはその通りだなと思います。
余裕は出てきたと思うんですよね。
それでも興味や疑問が尽きないのも面白いなと思えたり。
やっぱり自分でもその時その時の最新の曲がよく聴きますね。
気づいたら私も10年続けてました。」

HAIIRO
「うん、分かる。その余裕って大事だよね。
なんか大人が音楽やってる感が出て来たというか。
でも本当にまくらさんハッキリするようになったよね。
パッと鮮やかに咲いて儚く散るのもアーティストとして良いと思うんだけど、
歳重ねるごとに表にはあまり出なくなるけど
作品は激渋くなってるみたいなのって
リスナー的には上がるよね、
という話を制作中にハトからよくされたわ。」

まくら
「なりましたね。
確実にストレスが減りました。笑
変わりたいと意識してたわけじゃないんですけど、
さっき話したハイイロさんからの影響はかなり大きいです。
確かに、曲づくりをコンスタントに続ける
っていうのがデビューから思っていたことで、
それが出来れば幸せだし、ずっと自分軸で居られる一つの方法かなと思います。
コンスタントに…と言いつつ休んでしまいましたけど、
まぁ長い人生そんな時もあるかなと。笑
ハイイロさんのリリースペースには驚かされます。」

HAIIRO
「俺の場合作らないと死ぬみたいなとこあるから。笑
ていうか、もしかして今年デビュー10周年?」

まくら
「去年で10年でした。2012.11.29に初めてリリースしました。」

HAIIRO
「うわー、なんかやりたいね。笑」

まくら
「そうですね。少なくともリリースはしたいです。
本当に頑張ります。笑」

HAIIRO
「頑張りましょう。笑
あとあれだな、この場を借りて俺が言いたいのは、
まくらさんのファンは勿論なんだけど、
野崎りこんさんとかYAVさんとかnagacoさんとか、
他にも沢山、色んな人が泉まくらを応援して待っててくれたから、
そういう人たちにも感謝は伝えたいね。
野崎さんとかずっとまくらさん関連のリツイートとかしてくれてたからね。」

まくら
「そうですね。
本当に感謝です。
ヤブくんは録り直した『夢』のテイク凄く良いって言ってくれましたし、
りこんさんは久々のリリースとても喜んでくれました。
ナガコさんにも報告して久しぶりにお話も出来ました。
ササクレクト在籍時の先輩からもわざわざ「良かったよ」と連絡を頂いたり、
周りの人の存在の有り難さを改めて感じました。」

HAIIRO
「有難いよね。
やっぱ続けるのが一番大変だけど一番良いと思う。
ちなみに最後になんか言っておきたい事あります?」

まくら
「ファンの皆さんにも、周りの人たちにもすーごく感謝してるんですけど、
そこからは産まれない私だけのものに向かって曲作りをしていきたいです!」

HAIIRO
「良いね。近々また良い作品届けようね。」

まくら
「任せてくださいー!」

HAIIRO
「オッケー!ありがとうー!」

まくら
「ありがとうございました!」

【NEWS】本日からforteが年に一度THE FLAVOR DESIGN®️に
別注して製作される人気のファブリックミストの予約が開始。
金木犀をメインにした無色透明な"No_”、色の青を香りで表現した”Blue”,お香などを複雑にブレンドした神秘的な香りの”Revelation”の過去3作に続き、先日アナウンスされたHAIIRO DE ROSSIの新作タイトルを冠した「”hallelujah”」と、泉まくらのシグネチャーモデルとなる「”Makura”」が新たに加わりました。
「”hallelujah”」は2種類の紅茶の香りをメインに喜びや祝福を表現しており、「”Makura”」は実際に泉まくら本人が調香に立ち合い、泉まくらのアーティストイメージを香りに落とし込んだ作品。
今回は例年より受注期間を長く設け、本日から9月末日まで予約購入が可能となります。(発送は12月予定)
是非ご予約ください。

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