ポーター・ロビンソンとオルタナと大団円の夜

2日連続で有明ガーデンシアターに行っている。

黒夢からのポーター・ロビンソンという、人によっては温度差で風邪を引きそうな組み合わせなのだけれど、私はどっちも好きなのでまったく問題なくたのしい夜を過ごしました。

黒夢に関しては今夜も公演があるので後に譲るとして。
実は初めて観たポーター・ロビンソンがめっっっっっちゃよくて久しぶりに筆を取った次第です。

かつて幸いなことに、アメリカでVIRTUAL SELFは観たことがあったからポーター・ロビンソンも観た気になっていたけれど、よく考えたら生でShelter聴いたこととかないわけで、一体どんなライブになるんだろうと有明に向かう。

ギリギリまで確定申告のレシートと戦っていたせいもあり、予習はゼロ。
私の中のポーターは2021年で途切れている。最近はどんな感じなんだろうな~、でもポーターのことだからいいに決まってるよなぐらいの軽いノリで。

そもそも今回この話が舞い込んできたのは偶然だった。
黒夢と黒夢の間のぽっかり空いた一日を埋めるべく、久しぶりに会いたいなと連絡した方との会食が「あ、ポーター行きません?」になったという話。
二つ返事で快諾して昨日に至る。

行ってみたら、これまた久しぶりにお会いする方がチケットを持っていて、嬉しい再会その二。もうお一人、初めて合う方とご挨拶。
そんな感じでビールの列に並び、海外の方さすがに多いなーなんて思いながら遅れ気味で入ったホールでは、何故か日本語の歌が流れている……

だれ、だ……?

と思ったら、Galileo Galileiでした。
MCで尾崎さんがずっと「ポーター君」って言ってるから、仲ええんやな~きっと!ぐらいの文脈わからない私。
今検索しているけれど、ポーター・ロビンソンがGalileo Galileiの大ファンだという記事がヒットした。そもそも以前もセッションしているようだ。

世間的には、あの花こと『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の主題歌のバンド、という認識になるらしい。

私としてはバンド畑なもので、閃光ライオットのバンドというイメージ。
ライブハウスで観たことがあったようななかったような……ぐらいな記憶だったら、ある種、今回が初めてと言ってもいい。
こういうバンドだったんだな~と思いながら、素敵な楽曲をしみじみ聴かせていただく。

そしてポーター・ロビンソン。
転換中にお酒買いに行ったら頭間に合わなくて三曲目ぐらいから。
(ゆっくりヘッドライナーに向かうフジロックのノリ)

とりあえず二度見。

え、ポーター、ギター弾いてるんだけど……
っていうか、バンドセットなんだけど!?

そうなんです、なんとバンドセット。
事前情報ゼロの私、びっくり仰天。

とはいえ、すぐに受け入れる。
エレクトロミュージックの面々がフィジカルな演奏に流れることは過去にも散見されることで決して珍しくはない。
ポーターもそういう成熟の方向にいったのかな~なんて思いながら堪能。
ふっつうによい。

……っていうか、これ、オルタナでは……?
なんでもそれっぽいニュアンスを感じ取るとオルタナって言い始める病が発症した私ですが。冒頭で話した、今日始めてお会いした方も「オルタナですね~」って言ってたからオルタナ。これはオルタナ!

たまにギターを弾くポーターと、ベース・ギター・ドラムとキーボード(マニピュレーションもしてた……?)という編成。
ベースの女の子が可愛い&めっちゃ声素敵。(ゲストボーカルという立ち位置でもあった)

バンドセットで奏でられるポーター節が、これまでの雰囲気をしっかりまといながらのオルタナ感でとってもよかった。
まったく想像もしてなかったうれしい展開、という感じでほくほくしていたんですが。

そこから計3回のセットチェンジでしっかりと期待に応えていくポーター。
最後のセットでは「Worlds 2012-2018」とスクリーンに表示され、会場歓喜。
リフが流れるたびに歓声が上がる。みんな知ってる大好きポーター・ロビンソンタイム。

言わずとしれたShelterでは、MVのあの女の子がポーターの動きに連動してんのか!?と思わせるような演出があったり、完全に描き下ろしのアニメーションがあったりと、いやまじで名曲泣くわ。

ステージ上の演出も素敵だったな。
背面一面がスクリーンなことはもちろんなんだけれど、その前上方に長方形型のまるでテキストボックスみたいな透過モニター? もしくはそのように見える映像演出がしてあって、それがかなりの幅を生み出していた。
ステージ上にいた巨大な猫とか、ポーター・ロビンソンが日本でヒットした文脈と、彼の持つ日本カルチャーへの敬愛と造詣などをとにかく感じたし。会場の野太めの歓声もよかった。オタクはポーターが大好きなんだよ。

なによりも前半のオルタナポーターがとっても刺さって私はにやにやが止まりません。最後は鉄板で大いに盛り上がれたし。

なんというか、勝手な私の見解だけれど。
自分の今、やりたい表現というものを押し出すだけではなくて、みんなが求めているであろうパプリックな姿もしっかりと提示できるというのは、とても大人だなと思うし、実はなかなかできないことなんだよなと。

エンターテイナーとして最高。
かなり刺激になりました。私はオルタナを信じる。

ポーター・ロビンソンが天才すぎたよ、という夜の話でした。


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