今宵の月がどんなだか、わたしには言えたはずなのに
果たして、わたしは私のための人生を歩んでいるだろうか。
やりたいことだけやって生きるには、やりたいことだけで食う必要がある。
そうは人間、なかなかなれないものだから、洒落臭い横文字でいうならばライスワークというやつをこなさないといけない。
わたしは長いことフリーランス的な人生を歩んできた。
比較的自由に休めるし、好きなときにどこかに行けもした。
やりたい仕事をやっていなかったかといえばそんなこともなかった。
だが、今、思うのは。
これまで通りはもう辞めたいと言うことだ。
何度も、ああ、人のために生きたと思うことがあった。
わたしのためと思っていたが、何も残らなかった、という思いを繰り返した。
それはそれで、もういい。
だが、これからはもう、できれば、いや心からしたくない。
すべてゼロにすることはできないだろうけれど。
やりたいことだけしたい。
もっとわがままに、わたしは私の人生を、そろそろ生きたい。
もうしばらくは我慢なのだけれど。
来年からは、本当に、そうしたい。
パーキングエリアで見上げた夜空は澄んでいて、月が綺麗だった。
月の満ち欠けを意識することを、とんと忘れている。
そんな忙しさからも、できれば解放されたいのだ。