早期退職制度に乗ってみた (2)退職決意のいきさつ
前回の要約は、「2016年頃に社外の研究会に参画して外を知る」だが
この間に一つ変化があった。
転勤である。
転勤先は地方都市の工場。
とはいえ、慣れた場所である。
理由は、その拠点に駐在していた若手社員が退職するため補充で、である。
しかし転勤元の仕事を持ったままだった。
転勤については、いきさつも含めて納得いくものであった。
しかし、その後に補充要員がなかったのは納得いかなかった。
私の仕事は、顧客と一緒に課題を解決する事。
それには手練れな複数の顧客を相手に、議論を重ね双方納得して
事を進める必要がある。
来てすぐ代わりができるものではない。
国内3拠点に、社員が1名づつな組織で、他2拠点とも自身と同年代。
この部署の10年後、いや5年後を上はどう考えているのか?
不安を募らせていた。
2018年9月。
人事部より、ライフプランセミナーに参加する旨連絡を受けた。
対象者に、50歳以降の身の振り方を考えてもらうためのものだった。
連絡が来た時はおせっかいだなと思ったが、会社の制度を知るきっかけになり
とても有意義だった。
「2年以内に退職すると、退職金割増がどうやら一番多いようだ」
の情報は大きかった。
2018年11月。
「もし今、再就職となったらどうなるか?」
を考えるため、某政令都市の転職フェアに行った。
おそらくもう、これから新しい分野で活躍できるとは思えないから
他社で現職の経験を活かすような道しかないと思った。
参加する前のエントリーシートを書いて、その先の
応募する会社へ何言うか?の方向性が考えられ定まったように感じた。
当日何社かお話をさせていただいたが、
自分の年齢になったらちょっと…という企業ばかりではなく
年齢上でも自走でき即戦力な人員を求める企業もあり、
「辞めてもいけるんじゃないか?」という感触を持った。
給与は下がるが、現職では叶わない「人を育てる」に
関わったり自身がより多くの人の役に立てるイメージも出来た。
2019年2月。
自身が担当となったプロジェクトに、
プロジェクト管理(の見える化)が苦手な小生に対して
「管理要員を入れるように」という指示があった。
その要員として来たのはグループ会社のOB。
聞けば定年ちょっと前に退職したらしい。
「この人を人生の先輩として色々聞くの楽しみ!」
と思った。
そして、その期待は現実のものとなった。
但し思ってたのと違う形で。
プロジェクト管理サポートで来たはずなのに何一つそんな経験ない。
だけでなく、やろうと思ったら出来る事すらやろうとしない。
「定年過ぎて、全く新しい場所で仕事するって厳しいんだろうな」
という事をこの人をお手本として強烈に現実を認識した。
プロジェクト面ではダメだったが、個人的には感謝している。
これらが重なり、
「プロジェクトが終わったら辞める旨会社に伝え、
60歳まで今よりも自分を活かして働ける場所を探そう」
という思いを強く持った。
腹は決まった。
が、一つクリアにしておかなければならない事がある。
家族(奥さん)への説明と説得だ。
口下手で話がうまくできない可能性があるから
思いを図にして話そう、など作戦をあれこれ考え始めた。
(つづく)