【エジンバラ 大学留学:後期】スポーツと国際開発④ スポーツと人権、UNICEFの活動
おはようございます。今回のスポーツ国際開発(SSID)は人権とスポーツです。
この授業で扱うことは以下のとおりです。
◆スポーツと人権の関係とは?
◆スポーツは人権を前進させ、保護するために何ができるのか、そして現在の状況は?
◆国家、地域社会、個人はお互いに義務を持っているのか-義務のない権利を持つことができるのか?
個人的な注力ポイント
人権という権利が何を指しているのか(特にスポーツに関連した子供の人権)、また権利のついの概念である義務(国の義務、コミュニティの義務、個人の義務)はどんなものなのかということを意識しながら学んでいきたいと思います。
では、まとめていこうとおもいます。
◆スポーツと人権の関係とは?
まず第一に、スポーツをやる上での子供の人権を考える時に重要なKey wordは、”No harm"と”safeguard(歯止め)”ということです。
この意味で考えると、日本の部活動などは時に Harmfulな時がありますよね。(練習のし過ぎ、坊主強制、暴力など)。一方で、safeguardにはどのようなものがあるのでしょうか。
ただし、harmも意味も社会の文脈や時代に従うので、一概に全てがharmであるということも言えないのですよね。
権利の種類(どんな権利の話をすべきか)
公民権
政治的権利
経済的・社会的権利
文化的権利
連帯の権利
スポーツをする権利
雇用権
言葉の定義
Human rights: Rights that people are entitled to by virtue of being human. Article I of the United Nations Declaration of Human Rights claims that all human beings are born free and equal in terms of dignity and rights. Distinguished from civil rights on the grounds that they are moral principles claiming universal jurisdiction are fundamental and claimed to be absolute.
→国連憲章1章:すべての人が生まれながらにして尊厳と権利において平等である(市民権とは区別される)。
Human rights: The basic rights and freedoms to which all humans are considered to be entitled, often held to include the rights to life, liberty, equality, justice and a fair trial, freedom from slavery and torture, and freedom of thought and expression.
→すべての人間が権利を有すると考えられる基本的な権利と自由であり、多くの場合、生命、自由、平等、正義と公正な裁判、奴隷制と拷問からの自由、思想と表現の自由などが含まれるとされている
Rights: An entitlement to act or be treated in a particular way; can be legal and/or moral, negative or positive. Liberals have focused on individual rights and others act to claim group rights.
→特定の方法で行動したり、扱われたりする権利のことで、法的なものや道徳的なもの、否定的なものや肯定的なものがある。リベラルは個人の権利に焦点を当て、他の人は集団の権利を主張するために行動する。
Key pointは自由だと思います。
人間に生まれたからに最低限保証される自由。自由の概念は、フロム、ロールズ、アマティアセンなどいろいろな人が論じていますが、本当に難しいですよね。
会計的なアプローチで自由を理解してみる。(会計を勉強していない人はPassしてください)
会計上は権利は資産で、義務は負債です。
僕の勝手な理解では、人間生まれたときに、BS上で資産 XX / 資本 XXみたいな状態だと思うんですよね。
これが途上国だと、資本が最初からマイナスで、負債があるみたいなイメージ、先進国や恵まれた家庭の子は、これが最初からかなりの資産と資本があるみたいな感じです。
国際開発の1つの目的を、これを最初からマイナスじゃなくて最低の0ないしはある程度のプラスまで持っていきましょうということだと理解しています。
話は変わりますが、人間大人になると、資産も増えますが、負債も増えます。
ちなみに僕の恩師は、自分はいくら無形資産を積み上げられるかが人生だと言っていて、なるほどーと思いました。
自由があるということは、選ぶオプション(権利)があるということですよね。つまり資産があるということです。
オプションがあるということはとてもラッキーなことなんですよね。ただ、自分で作り出したオプションは、とても大事にしますが、与えられたオプションの価値をわからないのが人の性ですよね。
与えられているオプションの価値を僕らはきちんと考える必要がありますよね。なんだかんだ現代の人は、与えられたオプションの価値もわからず使わなかったり(選挙権とか)、当然の如く自己の権利だけ主張したりしているので、少しだけ違和感を感じでしまいます。
人権なので享受するのは当たり前なんですけど、当たり前じゃないと個人が思える方が健全かなとも思います。精神論的な話ですね。
というのが、まあ、割と僕も含め、僕の周りにいる様な人の考え(権利ばかり言ってないので、義務も果たしてね)だったのですが、海外で暮らすうちに、自分の権利をきちんと主張し、守ることは当然のことだよねと思い始めました。
ただ、権利を主張する際に、横暴になったり感情論を交えてはダメですね。空気を吸うごとく、え、なんでこの権利保証頂けないんでしたっけ、大義名分を掲げて、人権侵害をしているとこんなやばいですよくらいで説得してみましょう。
そういうのヨーロッパの人上手ですよね。本当に。嫌な気持ちにさせない交渉。そういう技術みたいなものを身につけたい。僕自身は主張を通すときに、自分の不満や怒りはどこか別のところにおいておく訓練が必要と痛感しています。
◆スポーツは人権を前進させ、保護するために何ができるのか、そして現在の状況は?
ユニセフは有名ですよね。今週は過去にエジンバラにきたユニセフのスポーツダイレクターの方の講演レクチャーでした。
テーマは、”スポーツに何ができるかを考えよう。そして、強力な力は、、、”でした。
スライドで、スポーツの良いところ(例.ジェンダーミックス、コミュニケーション、ビジネス)
悪いところ(例.リオ五輪のために住民を追い出したこと、ゴルフなどお金持ちの人だけできる、USの体操選手の性的な虐待など,,,)
が相互に説明され、スポーツの良し悪しが問われます。
まさにそのとおりですね。強力な力(権利)には必ず義務があると思います。
◆国家、地域社会、個人はお互いに義務を持っているのか-義務のない権利を持つことができるのか?
人権侵害が行われる時、誰の責任かということが問題となります。国も会社も、何か人権問題が生じたときに、自分の責任を認めないからです。
そこで、2011年にUNが人権とビジネスのガイドラインを策定しました。
この中で政府と会社のそれぞれの責任が明確になりました。
この規定は、3つの柱があります。
①政府は企業が人権侵害をしない様な法律を制定する。(国営企業も同様)
②企業は人権を侵害してはいけない。
→Human rights due deligenceが必要だと。
何この発想、斬新すぎますね。要はコンプライアンスの制定と運用と遵守が重要だということですね。
③是正措置 (裁判所など)
→窓口、法整備、裁判所できちんと裁かれること(この際に、司法機関がきちんと機能することも含まれます)
この様なガイドラインは、子供へのsafeguardとしても非常に機能します。
国連が世界に強い影響力を及ぼしている1つの査証と思いました。
あとは、レクチャーの中では、FIFAが、プラッター後の改革で非常に人権モンだに取り組んでいることが説明されています。
僕の同じコースの友達は、常々スポーツと人権に興味がある人なので、今回の授業を受けて、彼が言わんとしていることをようやく少しだけ理解できました。(すごい年下なんですが、色々知っていてすごいなあと思います)
ここからの授業は、Safegurdのケーススタティを読みながらの説明となります。8本くらいある論文から2−3つくらいを読もうと思います。
僕が今回選んだトピックは以下のとおりです。
◆ビジネスと人権
◆報道と人権
◆スポーツの説明責任と救済メカニズム
上記の記事のまとめは別途時間があればやろうと思います。
最後に、先生からのこの授業を通じた課題は以下のとおりです。
自分で問題点を設定し、エビデンス、解決策を提示して、自分ができることは何かということを考えるということですね。
では!