オランダのイワシ漬け
オランダのイワシ漬け
オランダの最大都市である、アムステルダムへ仕事で出かけた。
仕事の 二日前に到着、 個人宅に安く泊めて頂いた。
その時、私は二度目のオランダ訪問だった。 折角だから、ちょっと観光気分を楽しむ事にした。
インターネットが始まっていた時だったので、個人宅滞在を選択した。
会議中は、 立派なホテルに滞在できるが、 仕事前の二日間は、私用であるから、安全で安い宿を探したのだ。
幸い、貸し部屋の家主は、若い夫婦だった。
とても、親切な御夫婦で、 バス停のありか、見逃してはならない観光スポットなどを、教えてくださったのです。
そう、その御夫婦は英語が話せたのです。
川沿いにある、アンネの隠れ家も、今では観光地の一つになっていて、大勢の観光客が出入りしていた。
仕掛けのある本箱を回転させ、アンネの家族が隠れていた部屋も見れた。
バス停が並んでいる所で、ちょっと公共の交通機関を利用してみようと思いついた。
ところが残念な事に、全くオランダ語が読めない。
でも、その時は何となく、オランダでバスに乗ってみたくなり、 適当なバスに乗った。
暫く待つと、乗客全員が座っても、まだ空席が十分ある状態で、 出発した。
街の中を走り抜け、 高架道路の下を走る、短いトンネルを通過すると、心持ちバスは、スピードを上げ始めた。
体感で、 市内を走るバスと違うと感じ、次のバス停で降りる事にした。 どうも、市内巡回バスではなく、 遠距離急行のバスに乗ったようだ。
なかなかバスは停車しなかった。 心臓がドキドキし始めた頃、やっとバス停で停車。 急いで、そのバスを降りた。
反対側のバス停に移動、いつ来るかわからないバスをひたすら待っていた。
時間は午後4時、お店もほとんど見当たらない、割と静かな場所ではあったが、 日没までまだ十分時間があった。
やっとアムステルダム行きのバスが来て、その日のちょっとした冒険は終了した。
バス停が沢山並んでいる、元のアムステルダムに無事戻り、歩き続けた。
橋の上に、台所車が止まっていて、行列ができている。
車の中の台所では、白い清潔な制服姿のシェフが、何やら食べ物の準備をしている。
私も後列に並んだ。 小さな船形の入れ物に、割と大き目のイワシが二匹入っている。 どうも、すぐ食べられるようだ。
私は欲張って、 4匹注文した。 シェフは指二本を立てた。 二匹だけ売るという事らしい。
後ろに並んでいた人が、英語で、「一回に二匹買う約束なんだ。」と、 教えてくれた。
でも、 「再度並べば、もう一度二匹買えるよ。」とも教えてくれた。
地元の人の食べ方を私も真似をした。 イワシのしっぽを手で持ち、口を大きく空に向かって開いて、 そのイワシを食べるのだ。
新鮮な酢漬けの鰯で、ちょうどお腹が空き始めていた時で、すごく美味しかった。
勿論、私は再度後列に並びました。
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