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お庭

お庭

自然は全く年齢差別をしない。 もちろん人種差別も性差別もなし、宗教上の差別もない。

9月に台風が上陸する時、 路上に年老いた人が歩いているからと言って、風力を弱めたりしない。 皆に平等に吹き荒れる。

3月末、東北地方でも、 日中の春の光は暖かい。 若い母親と幼児が散歩中も、公園のベンチで休憩している年老いた人にも、平等に太陽の光はふんわりと柔らかくふりそそぐ。

それに対して、ともすると、人間は少しの差をみつけても、優越感に浸ったり、劣等感に悩まされる傾向が強い。

と言う私も、皆と同様、「差別的態度を無意識の内に無数の場でしてしまった。」と、今頃、意識するようになり始めた。

小学校時代の教室で開かれた反省会のように、常に、自分の人生を多方面から見直し、心の中で反省会を開くと良いのかも知れない。

ラナイ島滞在中、いつの間にか、毎日来て腰掛ける場所は、古い大木の根元で、自然と心が謙虚な気持ちになるから不思議だ。

ホノルルでも、良く歩き回り、公園の木陰で休憩したが、 ホームレスの方々が多く、常に四方八方に目を配らせて置く必要がある。

それに対して、ラナイ島のホテル内の巨大な公園は、仕事中の庭師をちらほら見かけるだけで、 安心してポカーンと口を開けて、大木の枝で歌い続ける野鳥を見ていられる。

現代社会の経済格差の広がりは、一人の個人が直せるような小さな問題ではなく、 社会全体の制度的問題で、大局的見方から、この問題に立ち向かう必要がありそうだ。

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