桜の香り漂う優雅なティータイム。香りの正体は幼虫の糞?!
今、私はこの文章を書きながら桜の香りがするお茶を優雅に飲んでいる。
高級感溢れる桜の香り。最高のtea time。
これはルピシアの茶葉ではない、もちろんリプトンでもない。
サクラケムシという幼虫の糞を煮出したお茶である。
桜の見られる季節はとうに過ぎてしまったけれど、まだまだ香りで桜を楽しみたいという日本を愛する皆様。ぜひこちらのUNKO teaを一度お試しあれ。
・サクラケムシとは。
まず、はじめにサクラケムシとはどんな幼虫かご紹介したい。サクラケムシはモンクロシャチホコという蛾の幼虫である。
桜の時期が終わった7月〜9月頃、桜の木の葉に群がる。1匹サクラケムシを見つけると必ずと言っていい程まわりにも大量に発生しており、桜の葉をむしゃむしゃと食べている。
見た目は黒くて黄色っぽい毛が生えているいわゆる毛虫だが、毒性はないので触れても大丈夫。
毛虫に触れるのは躊躇してしまうと思うが、ぜひサクラケムシを見つけたら思い切って触って欲しい。想像以上に柔らかくふわふわで、触り心地が良い。
モゾモゾと動く姿もどんどん可愛く見えてくるから不思議である。
・桜の香りの元となる成分 「クマリン」
サクラケムシの糞からなぜ桜の香りがするのか。それはサクラケムシが桜の葉に含まれる成分「クマリン」を摂取して糞として排出しているから。
クマリンは芳香化合物の一種で、桜の香りや桜餅の香り、バニラの香りと現される事も。
ただ、不思議なことに青々と茂る桜の葉からはクマリンの香りは全くといっていい程せず、桜の葉を乾燥させたり、化学変化により桜の香りは放出される。
サクラケムシの体内でもクマリンが科学変化を起こし、尊い香りを放つ糞となり出てくるのだ。
・サクラケムシ自体も結構美味しい。
実はサクラケムシの魅力は糞の香りだけではない。サクラケムシ自体も食すことができる。
茹でても、揚げても楽しめるサクラケムシ。
通の間では茹でがオススメとされているようだが、我が家では虫系は揚げて楽しむ傾向が強いため、今回も揚げで食した。
茹でだといかにもTHE幼虫という感じで見た目的に美味しくないので、粉をつけて揚げる事により見た目をマイルドにできるのが揚げ。
カリッの後にすぐ来るジュワ〜とした食感、桜の香りが口に広がるのでぜひこちらもお試し頂きたい。
・駆除の対象にもなるサクラケムシ
実はサクラケムシ、至る所で駆除の対象となっている。こんなに素敵な香りの糞をだしてくれる尊い存在が、各地の桜並木などでは殺虫剤により大量に駆除されている現実。
桜の香りがするがUNKO teaもっと主婦の間でも広まり、ドトールなんかでも期間限定で楽しめたりすれば、サクラケムシももっと重宝されるかも…なんて淡すぎる期待を抱いている私。幼虫本体は無理だけどカレー味の サクラ味のUNKOはいける人結構多いのでは。
・UNKO teaの楽しみ方
最後に桜の香り広がるUNKO teaの楽しみ方を紹介しよう。サクラケムシのいる木の下にサクラケムシの糞は大量に落ちているので、それを拾い乾燥させるのも良いが、我が家ではよりフレッシュな糞の香りを楽しみたいのでサクラケムシをまず2~3日飼育する。
すると、糞を大量にしてくれる。
ふたつまみ程の糞をティーポットに入れ、5分くらい煮出します。
すると黄金に輝くUNKO teaの出来上がり。
オレンジ掛かった金色がとっても綺麗。
そして辺りに広がる桜の香り。最高のリラックスタイムとなる事間違いなし。
桜の木の近くを通りがかったらぜひサクラケムシを探してみて。
そして、極上のtea timeを楽しんで欲しい。