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初めての編集体験

音楽雑誌編集を夢見て入社したものの、職種も違う、業界も違う仕事から社会人生活をスタートさせて2年が過ぎた。なかなか仕事に対するモチベーションが上がらない私に、ある日、上司がカンフル剤となる業務を与えてくれる。それはSteinbegerのタイアップ企画で、ひとつは販売店用に製品を紹介したビデオをローカライズすること、もうひとつは「ギター・マガジン」に同ギターを弾いているギタリスト、アラン・ホールズワース渡辺香津美の対談記事を編集制作し、アランのライブ・レポートを掲載するするという仕事だった。

国際部のスタッフが翻訳した原稿を会社のスタジオでいきなり渡され、ビデオの吹き替えをやれと言われた時は一瞬とまどったが、やっとできる音楽、しかもギター関係のお仕事だったので、すぶの素人のくせに臆面がもなく引き受けた。まったくの怖いもの知らずだったが、いま思いばちょっと恥ずかしい。20分ちょっとのビデオ吹き替えは半日くらいかかって完了した。参考に、元の動画をYouTubeで発見したので以下紹介しておこう。私の声で吹き替えられたこのビデオを楽器店で見た方がいるのかと思うと汗が出るな。

ビデオの次は、アランと渡辺香津美の対談のお仕事が待っていた。面識はないが渡辺香津美は高校の先輩で、中学生の頃、新聞部の部室で彼の記事が紹介されている過去の学級新聞を読んだことがある。「自分はプロギタリストとして生きて行くと決めたから、とりあえず大学進学みたいなことはせず、卒業したらギター一本で食っていく」といった趣旨の力強いコメントが、すごく印象的な記事だった。彼は私も習った古文のY先生の教え子で、たまに先生が「香津美のギターは~」と話すことがあった。なので、対談でお会いした時にY先生の話をしたら笑われたのを覚えているが、対談の内容自体はあまり覚えていない(笑)。編集作業は、現在はプロカメラマンとして活躍しているTSさんがサポートしてくれたが、テープから対談を原稿に起こしまとめるのは自分でやった。六本木ピットインで行われたアラン・ホールズワースのライブを間近に見られたのも役得だった。プログレ好きだったので、彼の演奏は堪能したし、けっこういいレポートが書けたのではないかと思う。お世辞半分かもしれないが、レイアウトなどサポートしてくれたTS先輩が褒めてくれた時は、すごく嬉しかった。

※その時のものではないがアランがSteinbergerを弾いている動画リンク。ソロも圧巻だったが、コードワークの素晴らしさに感動したのを覚えている。


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