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いつから好きか思い出せない話(1)

◆おね:ちょっとだけさっき見たアニメの話していい

◇はぐ:うん、しよ

◆おね:血は繋がってないけど親が再婚して、男女が一緒に暮らすありがち設定あるじゃん

◇はぐ:うん、あるね

◆おね:それで今日ね、兄が妹を好きだって気づく回を見てうおーってなった

◇はぐ:うおーってなったのか。兄はどんなふうに気づいたの?

◆おね:なんか、みんなでプールに行って楽しそうに笑っている妹の笑顔を見た時

過去の妹の笑顔や色々なシーンの回想がババーッと起きて、あ、好きだ…ってなったの

◇はぐ:ふーむ、なるほど

◆おね:うん、それで、今はさ、さっきとかもはぐが好きって言ってくれたじゃん?

◇はぐ:うん、好き

◆おね:えっ、えへへ、ふふふ

でも、最初の頃は違ったと思うんだ。それがいつどんな時に変わったのかなって

そうやって感情を知るタイミングが人にはあるんだなってアニメ見てて思ってさ

◇はぐ:うん…ちょっとトイレ行っていい?

◆おね:うん、いいよ!

◇はぐ:お待たせ

◆おね:おかえり

体の声を聞いてトイレ行ってえらいね。あと、コップにお水を注いでるのドキドキした

お水の音とかさ、今からはぐの体に入るお水かぁ…みたいなドキドキ感。ごめん色々と話が飛んだ~

◇はぐ:ううん、でも繋がってると思うよ

さっきLINEしてくれた、肉体的な快楽や欲求とタントラ的なものの狭間で混乱したみたいな

あと、好きっていうものと愛みたいなものの差っていうかさ

◆おね:うん、そうだね、あるね。最初に質問した話が聞きたい!

◇はぐ:いつ好きって気づいたのかって? うーん、分かんないなぁ…

◆おね:あはは、そうだろうとは思った

◇はぐ:ちょっと思い出す努力してみよう……いや~やっぱり難しいな…

なんで難しいかを説明すると、ひとつは思い出すっていう行為の捉え方かな

英語だとリメンバーだけど、覚えてると思い出すって英語だと両方リメンバーなんだよ

◆おね:ふぇ~そうなんだ

◇はぐ:で、おねは多分、はぐは覚えてないだろうな~とは思ったけど、思い出すことはできると思った

つまり、覚えてなくても思い出すことはできる、って考えてるよね

日本語だと分けられるけど、英語だと分けられない

で、自分はちょっと英語的な感覚が強くてね

覚えてなかったら、思い出す気にならない

あと、思い出すとか覚えてるっていうのは、その度に変わっちゃう気がしててね

◆おね:うーん、それはなんか分からなくはないかも

◇はぐ:うん、もちろん、いつも同じ記憶を思い出す場合もあるんだけどさ

このあいだ、久しぶりに行ったお店で、記憶が蘇ってきてね…このパターンで思い出す記憶は、いつも同じだったりする

ちょっとエネルギー的な言い方をすると、そのお店に関連するエネルギーがあって、信念を刺激するのね

今回の場合はラーメン屋さんだったけど、そのラーメン屋さんっていう環境が自分を刺激して、残ってるよこれみたいな感じで教えてくれて、ある記憶が勝手に思い出されて…

で、そういう時に思い出される記憶って、なんか見方が偏ってるのね

◆おね:うん…

◇はぐ:例えば、すごくいい思い出とか悪い思い出とかってな具合で、信念に基づいた価値づけと一緒にその思い出が固定化されてるんだけど

それに気づいて、なるほどそういう信念でこの記憶を見てたから、まだ残ってるのね、っていうのに気づくと、すっと忘れるの

◆おね:忘れる?

◇はぐ:そう、信念が消えると記憶ってなくなる

◆おね:ふぇ~そうなんだ! そうなんだ〜って言ってもよくは分かってないかも

◇はぐ:ちょっと説明難しいけど、うん

で、多分おねに対して好きって毎回言ってるけど、もうなんか愛しちゃってるから

◆おね:!? えへへ… うん、ふへへへ

◇はぐ:なんの笑い?笑

◆おね:そんな、そんな言葉が突然聞けると思わなくて、びっくりの笑い

◇はぐ:ふはは、そうなの? そっか…

◆おね:うん…笑

◇はぐ:愛するって要は無条件なのよね

あなたが無条件に存在している、もしくは存在していなくてもいいっていう話なので…

あらゆる信念のないところが愛だからさ

そうじゃない時があったかって言われても、信念がないから、記憶がなくなっちゃってる

◆おね:ふぁぁ…

◇はぐ:おねにこうあってほしい、みたいな信念のない状態で接しているよってことね

◆おね:そうなる前のことを思い出すのは難しいってことね

◇はぐ:だって、今目の前のこれがおねじゃん、それが全てなので…

それ以外のおねって言われても、なんの話だろうみたいになっちゃうんだよね

◆おね:私の素朴な疑問は、謎に包まれたままということですね!

◇はぐ:んー、違うレイヤーで見れば何か言えるかもしれないけど、いつから好きになったとかね

◆おね:なんとなくでいいんだけどな~

だって私からしたら、今そう思ってもらえてるとか今でも夢みたいで…

いつのタイミングでそうなったんだろ~ってことがあまりにも分からないから、ちょっと気になっただけ! えへへ

◇はぐ:いや、でもすごく大事

おねの問題じゃないんだよ、自分の話だからさ

おねの何かが変わったから好きになったわけじゃないんだよね

◆おね:具体的な出来事とか例えば私の言葉に何かを感じたとか、直接的な出来事による変化っていうものはなくて、だんだんいつの間にみたいな感じかな

◇はぐ:そうだねぇ、どういったらいいかな…

こう言うとがっかりさせるかもしれないけど、みんな愛してるの、おねだけが特別ではない 

それがベースにあるでしょ、でも、そこだけではないので、人間関係って

おねの姿形が好きだったり、あえていうなら魂って言ってもいいけど、その繋がりを感じられるのが嬉しかったりとか…

そういうものは、最初に言った愛とは別のものだよね

◆おね:そう…なの?

◇はぐ:うん、それは分離後に感じられるもの

もちろん、そのアニメのお兄ちゃんみたいに、好きって気づくみたいなこともあったかもしれないし、これからもあるかもしれないけど

◆おね:うん

◇はぐ:だから、こう言ったらいいのか…

好きになった瞬間あったよ、一番最近だと、今さっき声聞いた時、今の笑い声とか、もうその度に好きだなって思ってる

◆おね:うん、うん…それ言ったら私、常になんだけど

◇はぐ:うん、そうだよね

だから、あの時からこうっていうより、その都度だし、好きなのに理由はない、もしくは分からないの

その人の声が高くて可愛かったから好きになったっていう風に理由をつけたとして、じゃあその人が歳取って声低くなったら好きじゃなくなるのかっていうと、好きなままかもしれないでしょ…

でも、「声が高いから好き」と決めてしまったら、「声が低いから好きなのはおかしい」みたいに考えたりしはじめる

その度その度、理由なく好きだなって思うことができたらいいかなと思ってるよ

◆おね:うん、うん

◇はぐ:だから、それはなんで好きなのって聞かれても、いや、 好きだから、みたいにしか言えない

◆おね:私も質問しておいてさ、 なんで好きかなんて理由ないって思う

理由あげてって言われたら、それはできなくはないけど、理由なんかない好きなものは好き、だよね

◇はぐ:そうそう、うん

好きだから可愛いとか好きだから一緒にいたいとか、好きはあらゆるもの理由にはなるけど、好きの理由はなにもないっていうか

◆おね:うん… なんかさ、低次元な質問しちゃったかもしれない!

◇はぐ:いや、すごい大事なこと、それはさっき言ってた、肉体の欲求かタントラ的かみたいな話にも繋がってて…

要はタントラは、今の話だと愛みたいなもので、無条件のものだよね

◆おね:そうだね

◇はぐ:分離のない… ないとも言えないところで起こってることを目指すもので、目指すっていうか思い出すもので

肉体の欲求っていうのは、その分離の後じゃないと感じられないもんだから

どっちが先かって言ったら、タントラ的なものがより本質ではあるんだけど…

でもそのタントラ的なものに辿り着くためには、肉体の欲求っていう本質ではないものを完全に許さないといけない

◆おね:ん~~そうなのね

◇はぐ:そうそう、例えば好きっていう感情が起こってくることもさ、許せないときがある

相手は他に好きな人がいるとか、結婚してる人がいるんだから好きって思ったらダメだとね、私の好みじゃないはずだから好きなはずがないとかさ

◆おね:なるほど、似てるね~

◇はぐ:そう、そういう風に起こってくる感情にふたをしてたら、根っこにあるものが見えてこない

欲求についても、おねみたいに、水飲んでる姿なんかにドキドキしたらダメだとかさ、社会的にこの人とは肌触れ合わせちゃダメだとか…

実際それを行動に移すかどうかは問題ではなくて、そういう気持ちや感覚が浮かび上がった時にどこまでそれを許せるかが大事なんだよ

◆おね:そっか~、まさにそういう悩みが色々と話したいことがいっぱいあって一個ずつ話すと…

◇はぐ:うん

◆おね:まず、例えば、おにぎり食べてて気持ちよくなった話をしたでしょ

その感覚っておにぎり食べる度になるとかじゃなくて、 たまたま今日そのタイミングでおにぎりを食べた時そうなっただけ

どちらかといえば稀なタイミングでそういう感覚になることがあるという話だった

でも、そういうこと感じられてる私の方が、はぐによく思ってもらえるんじゃないか、みたいな考え方をしてしまう部分があって

他にも色々なことに対して、そうなれる自分は良くてなれない自分はダメみたいな感じで捉えてしまうことが、 ひとつスランプっていうか…

◇はぐ:うん

◆おね:あとは、タントラ的な感覚を理想として求める中に肉体的な気持ちよさを求めている自分にも気づいて

自分が理想としてる感覚と実際に体で起きてる欲求がうまく一致しなくて、どうしたらいいか分からなくなっちゃったっていう、そういうスランプが起きています

◇はぐ:そっか、それをスランプだって思ってるんだね

◆おね:そう、思っちゃった

肉体の欲求の声をどうしたらいいかって思っちゃったんだけど、さっきのはぐのお話でいったら、 それを感じてる自分を許していいってことだよね

否定しようとするとこんがらがっちゃうってことだよね

◇はぐ:まさにその信念がおねにあったんだっていうことを知るためにスランプと言ってる状況が起きてる

つまり、おねのいう「自分の理想」っていう信念があるっていうことを教えてくれてるんだよね

◆おね:そうね、そうなんだね、そうみたいだ

◇はぐ:で、それはおねの作り出した信念であって、本来はどっちでもいいこと

◆おね:うん、そうか、はぐがお昼に言ってた、全部許すってことに繋がるね

◇はぐ:そうそう、起きたことは全部新しいんだから、全部そうだねって歓迎したいよね

◆おね:そうだね、わかった、許す!

でも、難しいね~理想ってものができちゃうね、知らぬ間に

◇はぐ:うん、いっぱい持ってるから、それがあるから色々感情が起きたりするし、それで色々学べるので

◆おね:はぐがこの間の電話で、ふわふわして体のどこに触れても気持ちいいってなったじゃん

私さすがにその感じわかんないかもって、どうしたらそうなれるんだろう知りたい~って思った

◇はぐ:それは、信念が何もない状態だよ

◆おね:ふぁ~そうなのか~すごい難しい!

そういう状態になりたいって思っちゃってる時点で信念いっぱいだもんね

◇はぐ:それが理想って思えること自体がもう、達成されてるってことなんだけどね

達成されてるっていうか、必要なものはもう全て目の前にある、自分の中にある

それに気づくために…

もうあるものをないっていう風に思い込んで、どっかに探そうとしてる

その自分に気づく、あるじゃんって気づく

そういう仕方でしか気付けないようになってんのね

◆おね:うん…

◇はぐ:だから、理想のある自分に気づいていくのが最初のステップ

◆おね:気づいて、全部許す

◇はぐ:うん、そう、そういう自分になりたいんだね~みたいな

◆おね:やってみる!

◇はぐ:そこに対して、肯定も否定もしないでいるの

信念に対して、うん、そうだよね、その通りだよねって言ってあげると、 嬉しくて、信念はそのまま残り続けるし

いやいや、そういう理想持っちゃダメだよって言ったら、信念は反発して、主張しようと残るし…

ただそれを見る、そこにいるのを許す

とても繊細で言葉にしにくい態度

まさに、言葉にしないっていう態度なんだけど

◆おね:うん、勉強になりました。私の話ばっかりしちゃった~下手な説明で!

◇はぐ:ふふふ


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