長月散歩 起
起の章
あくまで散歩の話
特定方法
まだ寒い3月末の ある日
藤山拓さん『春は』のMVを
Youtubeで、ぼんやりと見ている
https://youtu.be/SWJWofNZVgo?si=T43CZqYbpSSCDe3c
脳内の会話
煩「いい曲だなぁ」
監「いい曲だねぇ」
煩「あれ?ここ見覚えある」
監「養老天命反転地」
煩「だいぶ前に行ったことあるね」
監「懐かしい、エンドロールにも書いてるね」
煩「この土手って岐阜のあたりなのかな」
監「意外と近くなのかもしれませんね」
また、4月初旬の ある日
谷澤ウッドストックさん『運河』のMVを
Youtubeで、ぼんやりと見ている
https://youtu.be/CVwkS8rkA6s?si=GuBRbjtG583dYxPd
監「いい曲ですねぇ」
煩「だねぇ」
監「MVに、また土手がでてきてますね」
煩「どこなんだろう」
監「見た感じ河川敷広いね、公園かな?」
煩「意外と『春は』と同じ場所だったりして」
監「えー、そんなわけないでしょ」
気になる
煩「あ、守護霊さん知ってたりして(笑)」
監「えー、まさか…聞いてみる?暇そうだし」
暇そうな守護霊さんに聞く
監「このロケ地知ってますか?」
守「は? ロケ地? なんの?」
煩「うん、この動画なんだけど」
守「…ウ◯コの動画?」
監「違います、このMVです」
煩「場所分かるかなぁ~って」
守「待て。見てみるから」
https://youtu.be/SWJWofNZVgo?si=T43CZqYbpSSCDe3c
https://youtu.be/CVwkS8rkA6s?si=GuBRbjtG583dYxPd
監「この2曲、聴いてみてどうですか」
守「とってもしゅき!」
煩「川の場所分かる?」
監「いや流石に分かるわけ…」
守「スマホを貸せ」
マップを開く守護霊さん
守「どっちもこのへんじゃのー(即答)」
監「えぇ…(困惑)」
煩「特定早すぎて怖」
監「な、なんで分かるんですか?」
守「普通こんなもん、見ればわかるじゃろ」
煩「普通は見ても分からないんですよ…」
困惑しつつも興味が出てくる
いったい、どうやって…
当然、MVの製作陣に聞いたりしていない
煩「根拠とかあるの?」
守「おお!よし!では解説してやろう!」
監「アッ、ハイ…(長くなりそうだなぁ)」
守護霊さんの位置情報特定講座
守「まずは、撮影地域の推定からだ
動画の主人公たる2人の活動拠点は関西
谷澤くんは京都、藤山くんは奈良だな
であれば、撮影場所も生活圏内、つまり
関西圏である可能性は高い
それに、この河川の広さ、規模
周囲の景色は、見たところ平野である
以上を勘案すれば、大阪平野が濃厚だ
河口からは10から20キロといったところか
大阪のデカイ河川といえば
それはもう、淀川水系しかない、となる」
煩「となるの?」
監「さあ?なるみたいですね」
守「んでね?」
守「どちらにも同じ形状の構造物がある
撮影場所はそれぞれ
全く同じ場所でなくとも、恐らくは
近辺で撮影されたと推察する
アーチ橋、堰、鉄橋、遠方のビル群
交通量も多くあるようだ
都市部であるのは明白であり
よって大阪、淀川の公算はより高まる
なんにせよ水系を推定ができたのなら
あとは河口から遡上してみるだけだ
鉄橋とアーチ橋が隣接している所とか
特に堰なんかは数が少ないから
すぐ見つかるはずである
『運河』という曲名から
ひょっとしたら運河や閘門が
近くにあるんじゃないかとも考えた
ドンピシャの場所が、やはり淀川にある
それがさっきの地図の場所あたり
まぁ、念のため
Googleマップのストリートビューで確認
動画と同じ場所だったので確定した
『春は』も、似たような感覚で同定
最後の土手のシーンで運動場が映るけど
北へ少し行った河川敷に運動場がある
堰とアーチ橋も遠くに確認できる
念のため
Googleマップのストリートビューで確認
動画と同じ場所があったので確定した
…みたいな感じだが?」
煩「スッゲエしゃべるじゃん」
監「どう思います?」
煩「隣にいたら普通にヤバい人だと思います」
守「普通に隣にいるけど」
煩「位置情報の変質者ですよ」
監「敵じゃなくて良かったです」
守「そんなに褒めても何にもでないぞ」
監「褒めてないです」
守「で?」
監「はい?」
守「いつ行く?」
煩「あ~…行くとかじゃないから」
守「なんじゃ、行かんのに聞いたのか?」
監「今のところ(4月時点)予定ないんですよ」
守「失敬なやつらじゃの、タダで聞きよって」
監「またなんか埋め合わせしますから」
守「わかった。勝手に考えておくからな」
煩「あれ? 行く感じになってません?」
監「気のせいですよ」
日曜茶番劇場
3日前のライブで足を痛め
癒されたい「欲」が強くなっていた9月8日
煩「銭湯行きたいです」
監「じゃ、行きましょうか」
今日は1日休みを取って
銭湯にでも行って癒されましょうと
自身を誘い出発する
煩悩に行き先は告げていない
「近鉄四日市」
駅のコンビニで酒とつまみを買い
休日の列車旅を楽しむ
「伊勢中川」
近鉄大阪線に乗り換えた辺りで
さすがに鈍感な煩悩も違和感を覚える
煩「銭湯…遠くない?」
監「気のせいですよ」
煩「どこまで行くの?」
守「ロケ地だよ」
煩「ロケ地…え?」
察し
煩「オイ、ちょっと待ってくれよ」
監「どうしました?」
煩「遠いから!大阪っ!遠いから!」
監「北海道まで行った人間が何を今さら」
煩「いや、比べたら近いけどね!遠いから!」
守「月よりは近かろう?」
煩「あっダメだ!今日、ダメなやつだ!!」
2本目のお酒をあける 茶番が楽しい
急行で「伊勢中川」から大阪方面へ21駅
「布施」まで進む
「布施」
近鉄奈良線に乗り換えて1駅「河内永和」に
「河内永和」
さらにJRに乗り換え「JR河内永和」から
JRおおさか東線で5駅「城北公園通」へ
「城北公園通」がロケ地の最寄り駅である
今日はうまく歩けないけど
「城北公園通駅」
駅前から唸りながら歩く 右足がいたい
9月も前半は まだまだ季節は夏である
監「しばらく歩きますよ」
煩「足痛いのに?」
守「すまんのぉ」
原因を作った守護霊さんの謝罪は軽い
3日前、バンド「tellERA」が
名古屋新栄にてライブを開催した
「tellERA」は年始に見た
叶芽フウカさんのバンドである
パワー暴れ出るステージは圧巻だった
轟音のライブ後半戦 守護霊さんから
「踊りたいから身体を貸せ」という要求があり
「ちょっとだけよ」と差し出した
これが運の尽き
久し振りの自由な身体に
素足で跳ね踊り狂うものの
『寿司を、回せ』という曲で
フロア全体が輪を描くように駆け出した時
暗がりに出っ張っているステージ柵へ
右足指先3本を全力で捧げてしまう
その夜 脳内医局
医「全治3週間ですね」
守「…実体あるのって不便じゃない?」
監「あなた全然反省してないでしょ」
医「安静にして下さいね、マジで」
再び、大阪路上
足を引きずりつつ歩くこと25分
見た覚えのある階段が現れる(安静とは?)
守「ようやっと着いたのぅ」
監「いやぁ、来ましたね」
煩「夏だから草ボーボーだね」
MVのように軽快には登れなかったものの
土手の上からの景色は爽快だった
藤山拓『春は』のロケ地 土手に到着
自分が出演したわけでもないのに、感慨深い
MVでは東の上流、右へへ曲がっていたが
もう一つのロケ地は下流へ進んだ方向である
運動場では少年たちがサッカーをしている
がんばれ がんばれ
川の流れに沿い左折、西へ向かう
堰が近づき
「毛馬閘門」が現れる
水運で栄えた大阪は
別名「水都」とも呼ばれる
淀川へ流入する河川は幾つもあり
太く入り組んでいる
このため、古くから水運が栄えたとされる
船舶の航行に適する水路は整備され発展
運河たる「閘門」は、その歴史のひとつである
橋脚を渡ると、もう一つの撮影地点
『運河』のロケ地へ到着する
特徴的な曲線の道が整備された公園は広く
木陰のあたりに1組の家族がいる
子どもは4、5歳だろうか
小さな子と父母はボールで遊んでいる
とても平和な風景だ 幸せであれよと願う
のんびりと風景を楽しむ
暑さより爽やかさが勝るのは
江風のおかげだろう
よい散歩だ
時刻は15時手前 地図を確認する
土手から市街地へ抜けるには
大回りしなければならないようにみえる
が、足下を見ると 草の間に道が見える
道というよりも人の歩いた跡に
草が生えなくなったと言う方が正しいか
考えることはみんな一緒で 楽したいのだ
ガサガサと草を分けて坂を下る
相変わらず足は引きずったままだ
MVを見た春先からこの日までに
主役の2人に、それぞれ会う機会もあり
いちおう場所はここで正しいのか確認をした
誰かから聞いたわけでもないのに
場所が特定できたことを
2人とも不思議がっていた
が、すぐに
「まぁ、はぐぱぱさんなら…(やりかねない)」
みたいな感じになる
本質は、私じゃないんですよ
信じてください
そんなことより、私が驚かされたのは
「撮影場所が近かったのは偶然」
ということ
面白いこともあるものだ
今回はここまで
こんにちは いらっしゃいませ
なんだかんだと毎週更新が続いています
しっかり寒くなってきましたね
風邪引かないようにいきたいもんです
次回は銭湯回 2湯めぐります
あの人ともエンカウント
よろしくどうぞ
じゃあ また