三崎にて ②
2024年10月26日
神奈川県 三浦市 三崎へ行った日のこと
往路の続きから
白髭神社
10月26日 10:04
森を抜け、小道を進むと湾の端に出る
右手には鳥居と、石段、奥には社が
お参りをしていこう
手水の水はなくアルコール除菌のボトル
なるほど、令和時代初期って感じだなぁ
その横には浜の社らしく
大きく立派なシャコガイが置かれている
境内は静かだった
阿吽の狛犬
吽の顔全体に棕櫚の葉が覆いかぶさる
さすがに少し息苦しそうだったので
ちょっと失礼して背の方に葉を除ける
お賽銭をして 社に手を合わせる
「今回の旅路、皆 無事にありますように…」
フェスに関わる多くの人の無事と成功を祈る
境内には面白いものもあった
横幅5~60センチくらいの
長方の石塊が2つ並ぶ
上には赤ちゃんの拳大の小石
案内の通り、小突くと
カンカンと高い金属音がする
面白いな
想いを馳せる
初めてこれを見つけた人は
そうして打ち鳴らした人は
どんな気持ちだっただろうか
私と同じように
ドキドキしたんだろうか
境内をあとにする前、向き直り 社に一礼する
湾を右手にして 海沿いを行く
急坂
湾は西で外洋と繋がっている
沿岸にはカヌーの教室や民宿などがあるようだ
道を進んで左折
南へ進路をとると 急坂が現れる
『小網代の森』では基本
谷を下りっぱなしで海まで出ただけだから
そんなに感じなかったのだが
三浦半島の地形は
概ね、侵食で形成されたリアス式海岸らしい
高低差のある、うねるような複雑な海岸
それに伴う丘と谷の繰り返しは
考えればごもっともな地形である
地図で見るより
いざ体感してみるとわかる
現場で味わう大変さ
日々の生活の中で
これが「普通」なら「大変さ」も
あまり感じないのだろうか
そんなことねぇか
大変だろ こいつは
急坂の途中
オレンジ色のピラカンサの樹を見つける
いつも小品の盆栽ばかり触っているから
大きな樹を見るといつも驚かされる
しかし
露地だとこうも大きく沢山実るのか
植物の のびのびと成長できる環境は素晴らしい
いいものを見た
少しだけ気持ちが癒されて坂を上りきる
丘上の通りに出た T字路だ
右へ少し進み 信号のある交差点
これを左折
あとは道すがら南下すれば
目的地、三浦漁港までつながっている
油壺
高台から下降する坂の途中から
向かって右手に また別の湾が見えてくる
内海のためか、湾内は波がなく静かだ
水との境まで木々が枝を伸ばして茂っている
近くにはヨットハーバーもあって
活気は感じられるのだが
その深く濃い黒色をした水面を見ていると
なにか言い知れぬ怖さがわいてくる
心拍数が上がるようなものは
そこに何もないはずなのに
とても恐ろしいものを見たよう
妙な感覚だな
『小網代の森』より動悸がしているのは
単に疲れたからという気がしなかったので
また、立ち止まって少し調べてみる
湾の名前を調べると
どうやらここは『油壷湾』というらしい
わかったこと
かつてこの土地には
新井城という城があった
城を統治していたのは三浦家
北条家との戦乱で新井城は落城する
三浦一族が討ち死にした際
湾の一面が血に染まり
まるで
油を流したような様だった
そこからこの土地は
『油壷』と名付けられた
ざっくり言うと
そのように伝わっている
戦乱の世は500年以上前の話だが
5月には慰霊祭もあり、現在も
鎮魂の行事として残っているらしい
…急に怖い話!
西海岸線を行く
登り下りを繰り返す 起伏多い道を進んでいく
この道は西海岸線といい 夕日が美しいらしい
丘の傾斜には海を臨むような建築物が目立つ
道も海に面していて釣りをしている人がいる
イタリアに行ったことはないが
まるで「アマルフィ」のようだなと思う
日本らしさがないなぁなどと感じてしまうのは
街路樹が大きなソテツだからだろうか
ソテツだって日本の風景じゃないか!
ジュラシックパークみたいじゃないか!
喧嘩しないでぇ~
頭の中が賑やかなので
ひとりでも退屈しなくっていいな
さらに進むと
礁のある浜辺が現れる
晴れれば富士山も望めるそうだが
生憎、東京からずっと曇り空だ
だが、陽射しがないからこそ
歩く分にはかなり助かっている
汗もあんまりかいていない
ありがたいなぁ
さぁ 目的地はもう少しだ
油壺からずっと歩いてきたが
そのまま海に沿って歩くと
少し大回りになる
途中から内陸側の路地裏に入る
三崎にて
10:58
三崎港へ到着
イベントがあるためか
随分と活気がある
路地を抜けた先には 思いもかけない風景
ロケ地に立つ機会は
これまでも何回かあるが
いつも不思議な気持ちになる
誰かの強い思いが映像作品になり
私はそれを見て、心を震わせたりして
『場所』は当然、撮影の前からあるけれど
私が見るまでは、全然知らない『場所』なわけで
達成感とは、また違う
ふつふつとした喜びがある
随分と賑わっている
岸壁の方へ行くと大きな建物
みなそちらを目指している
人での賑わいはこの建物に集まっている
海産物や野菜など地物が買える 港の物産市だ
中に入らずガラス越しに覗く
うん…かなり、とても賑わっている
ということは
なかなか入りにくい
人がたくさんいるとこは苦手なのである
うらりマルシェの建物の奥が
フェスの会場のはず
11時半くらいから開始だし、まだ余裕が…
すると
聴き馴染んだギターの音が聞こえる
あれれ…もう始まってる??
あわててフェス会場の受付へ走る
芋煮ロックフェス
ライブにはしょっちゅう行くくせに
『フェス』というカテゴリーのイベントに
自分から行くのは始めてかもしれない
太鼓のイベントとかお祭りなら
毎年何らかのものはあるので
全く馴染みないかといわれれば
微妙といわざるを得ない
自分から屋台をまわるのを楽しんだり
そんな普通の感覚に馴染みないのは
お客として参加することが少ないからだろう
今日は1日お客さんである
入場受付は まだ開設手前であった
スタッフが、まだおぼつかない感じで
慣れない受付対応をしてくれる
人間らしくて良いなぁ
うまくいかなくても
一生懸命してくれてるのはわかる
だから何もストレス感じない
ひとつひとつ丁寧に
嫌なものに神経すり減らすより
楽しみを楽しみつつ生きた方が楽しい
スタッフさんも人が増えてきたら
次第に慣れるだろう
なんだか見守りたくなる
受付ではフライヤーと
会場を途中出入する時の確認シールをもらう
ともあれ、会場に入れた
会場は『うらりマルシェ』に隣接した広場
広場には屋台や机やイスがならび
受付正面には金屏風のあるステージが見える
屋台も舞台ものんびり準備中だった
そこでようやく、さっきの音が
ステージのリハーサルだと気が付く
あぁ、まぁ、そうですよね
荷台を開けたトラックが
今回のステージ
その上には小形さんがいた
いつ気がつくかな
今回も私が来ることは言っていない
『うらりマルシェ』には
2階と直結の広い外階段があり
そこからは会場や舞台がよく見えた
邪魔しないように見守ろう
リハが終わり
オープニングアクト開始まで
ちょっと時間があるみたい
屋台で腹ごなしのブツを買っておこう
芋煮と玉コンニャク、お酒も合わせて買う
最高の組み合わせだぜ…
ほどなく、舞台に小形さんが戻り
芋煮ロックフェスが開幕する
オープニングアクトはソロから始まり
途中からバンドメンバーを入れて演奏された
聴きたいと思っていた
『港で待つ』が始まると、多幸感で
脳汁がドバドバ出てるのがわかる
ロケーションが最高すぎる
最後の曲は『おやすみ』
主宰の國井さんも交えて歌われる
夜の歌に変わりないのだけれど
この時、私は「休日」の意味での
『おやすみ』であっても
良いんじゃないかなぁ
なんて考えていた
そういえば、書いていなかったが
旅の1番の目的は
「神奈川の三崎でやる芋煮ロックフェスに
オープニングアクトで出演する
グッナイ小形を聴きに行く」
だったので、無事に実績解除を果たす
バンドとソロの両方聴けたのは
お得感マシマシであった
バンド編成は
屋外で見られたのは初めて
とても嬉しい反面
「レコ発やら福島やらでも見ているのは
かなり異常な部類ですからね」
と頭の片隅が語りかけてくる
エェ、ハイハイ、わかってますよ
ちゃんと自覚してます
12:00
演奏を終えて、小形さんが広場へでてきた
やおら、いつもの声をかける
は「きちゃった///」
小「www」
私の他にも何人か
小形さんのファンが来ているらしく
その事がとても嬉しいと話す
嬉々と話す彼は、とても幸せそうだ
普段写真は撮らないが 記念にと
親切な方がシャッターを切って下さった
は「そうそう、サトウヒロキさんが
会ったらヨロシクと言ってましたよ」
小「???」
は「実は、かくかくしかじかで…」
劇場から生まれた不思議な縁を伝えると
小形さんは海を見に行こうと誘ってくれた
今回はここまで
日々 楽しみを 楽しみながら
みなさん、いかがお過ごしでしょうか
私はというと
2025年1月11日、12日は
名古屋 新栄のhunny bunnyにて
連夜、素晴らしいライブを見ているはずです
※いま、2日目
ハニバニで、ベロベロに酔っているので
ハッシュタグつけずにアップします
またあげなおしますね
✨️
次回は、芋煮ロックフェスの1日と銭湯回です
いろいろあったので本当に簡単に書きたいです
1行も書いてないですが
たぶん三崎の旅は最終回になると思います
11月も12月も書きたいのに
どんどん記憶が遠くなります
…はやくしないと
まぁひとつ
よろしくどうぞ