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遠征回顧録 2024年12月 全消灯祭


2024年12月
遠征3連戦
今回は2戦目
『全消灯祭』です




全消灯祭




ディーキューコウベ


今回のイベント会場「ディーキューコウベ」は
「神戸三宮」からほど近いライブハウスである


ビルの階段を下り、地下の扉を開ける


受付で会計を済ませると
フライヤーと帯バンドが渡される

腕に帯バンドを付ける これで
イベント会場の出入りを確認する

昼から夜にかけての長尺イベント
途中で外に出て食事する人もいるだろう


今回のイベントは2か所で開催される

ここ「ディーキュー(D×Q)」と
これまた近くにある
「KOBE BLUEPORT(BーP)」である

出入りの確認については

「料金支払済みかどうか」
スタッフが帯を見て確認する理由は
むしろこちらがメインである

各会場で交互に1組ごとに演奏され
観覧客は会場を行き来する
サーキットイベントなのである

「ドレミファといろは」の周年イベントも
今はなき「とっち」の跡地
「アトッチ」と合わせて
同じような感じで開催される

ただ、こちらは
ゴリゴリのライブハウスである

防音と音響の整った環境で
どれだけデカい音が出るのか
楽しみ半分 ちょっと怖いの半分


酒を片手に舞台に臨む
時間となった 幕が開く


 

D×Q 13:00 椎野尊之

椎野尊之

開演を告げる一番鶏

まだまだ会場の入りは少ないものの
仕事人の風格で、きっちりと務めを果たす

これから音楽にまみれる1日への
心意気を代弁する熱さがある



KOBE BLUEPORT


椎野さんの演奏を見届けると
ぞろぞろと観客も演者も会場を移動する

別会場、KOBE BLUEPORTの場所は
50メートルも離れていないビルの3階

2階で腕の帯をスタッフに見せて階段を上る
演奏が終わればD×Qへ戻る
これを今日は7往復するのだ

やぁ…これは体力勝負なとこあるね…

四日市だと移動は同じ建物&同じフロアなので
かなりイージーなんだなと実感する


なんとか完走したい


D×Qもそうだったけれど、B-Pも
フロアがかなり綺麗で驚く

心地よさを提供できるのは良い店だ

これまでの経験上
荒れ放題なライブハウスもいくつか見てる
そんな場所は総じてロクな思い出がない

『どこ』とかは言わないよ?

こういうのは自覚の問題だから
自身で気がつかないと意味ないと思う

きちんとしてる場所には
何度だって通いたくなるし
実際そうしているから


テーブルがわりのドラム缶が
名古屋のクラブロックンロールみたい




BーP 13:30 コロコロボンボンズ

のっけから爆音で満たされるフロア

最後にはドラムセットの電飾まで
引きちぎり、全力を叩きつけていく



D×Q 14:05 クオーツ星

ボーカルの小豆原一朗さんのソロは
名古屋で見たことがあった
バンドでは初

ソロとは違うスリーピースの
分厚くなった音の波が
駆け抜けていく

疾走感あふれる歌声は健在



BーP 14:40 Shom(ショム)

神戸拠点のインストバンド

歌がないということを
彼らは深い問題としていないようだ

聴かせるカッコ良さに
理由はいらなかった

繰り返すグルーヴが
心地よい高揚を連れてくる



D×Q 15:15 Resonence

4人組ボイスパーカッション
グルーヴの心地よさで
高揚させてくれるのはshomと似ていた

ただ彼らは基本楽器を持たない
彼ら自身が楽器であったし
音楽だからだ

やはり
聴かせるカッコ良さに
理由はいらない

ベースとかの音が出せるの
すごく好き



BーP 15:50 ワッペリン

ワッペリンは名古屋のバンドである
ボーカルのフウジンちゃんのソロ演奏は
何度か聴いていたが バンドでは初見

ずっと観たいと思っていたけれど
これまでスケジュールは
ことごとく合うことがなく
万感の思いである

フウジンちゃんがステージ入りする
声かけ手を振ると 笑顔がかえってくる
これは相当嬉しかった


動物、植物、怪獣…
生き物大好きな気持ちが
おもちゃ箱をひっくり返して
溢れるような
パワフルでアッパーな楽曲が多くて
とにかく楽しすぎる

蛍光色のよく似合う映像が
脳内を駆け巡っていく
想像する楽しさも連れてきてくれる

名曲「マイマイ」で
観客にマイマイを進呈するのは
見聞きしていたが

なんと私のところへ

大切に連れて帰らないと…!

マイマイ!

身軽に軽快に会場を席巻していく

イトマさん(ky.)が肩車して
フロアを練り歩けば
脳ミソもつ煮込み状態
みんな脳汁で溺れかけている



正直な話


遠征2日目は全体で
馴染みあるのは4組だけ

この後控えている
ザ・シックスブリッツ
藤山拓バンド
VANQULLWAR'S
そして
ワッペリンのみであった


神戸まで来て良かった…

めちゃめちゃ体力は消耗したが
やはり観たかった音楽に触れられたのは
なにより幸せなことだった




D×Q 16:25 THE BERSERKERS

大所帯のバンドながらも
音味からはレゲエの風が感じられる
この時はワッペリンにやられて
放心に近かったのだが
どうにかこうにか音楽を
楽しめるくらいには自我がある


BーP 17:00 FAKE DUB BAND

ヒップホップ&ラップの神戸のバンド

音楽分野では触れたことの殆どないジャンル
こうして対バンで普段は耳に馴染みない
音やグルーヴに包まれるのも良い

少しだけお酒で回復する




D×Q 17:35 喃語

朗々と読み上げられる歌詞は
奇妙な旋律で奏でられる
シニカルな言葉の裏側に確かな音楽
絶妙テクニックはフロアを熱狂させていく
すごい人らだ…! なにこれぇ…!
北海道は札幌のバンドだということだ


会場に人が多くなってきた
そして毎回の盛り上がりもまた
熱を帯びる


外に出るのが一応クールダウンにはなるが
だんだん追いつかなくなる





BーP 18:10 MOTHER COAT

柔らかな語り口からは想像を裏切る骨太な音楽
鋭角気味に殴られるような
非常に気持ちよく撃ち抜かれるような感じ

音楽に見える色が多彩なのだ

心に映る映像の色あいが
愛に縁取られているからか
耳から嫉妬しそうになる

音楽を愛しているからこそ
音楽に愛されているようにも
感じられてしかたない




D×Q 18:45 カラコルムの山々

それぞれの世界観や音楽性は
バンドによって、ベクトルが全然違う

ここまでで、良い意味で
脳がそれぞれの景色を見つめるのに
難しさを感じさせない音楽が多かったのだが
カラコルムの山々は違い
底の見えない深さに特化している

上手く言えないけれど
彼らの歌の世界観は
次元を超えた未来を観るような
少し怖いけれど
鮮やかな光を見つめるような
そんな感覚にさせられる





BーP 19:20 ザ・シックスブリッツ

圧巻だった

今まで経験した
私の貧相なライブ経験の中での話で
大変申し訳ないが

間違いなく ダントツ ブッチギリで
圧巻だった 詳細はこうだ

ここまでのバンドの皆は
自分の持ち時間でより良いセトリを組み
最良の曲を聴かせてくれていた
それはきっとそのバンドの
ベストではなくとも
マストなセトリだったのだと思う

だが、このザ・シックスブリッツ

30分の持ち時間で披露した楽曲は

なんと3曲のみ

潔さ 覚悟 心意気
なんか色々感じたりもしたが

もう死ぬんじゃねぇかと思うくらいの
長い長い西島さんのソロ
それがステージの大半だった

どんなにソロが続いても
音楽を飽きさせないドラム
音楽を嫌味にさせないベース
音楽を包み込み、まとめるコーラス

それぞれの音楽が1つとなって
ザ・シックスブリッツのステージが爆誕していた

会場にいた関係者すら
「あれはズルい」だの
「どうかしてる」だの
目から熱いものをダダ漏れにしながら
のたまっていたのだから
きっと間違いではない



『圧巻』以外の言葉がむしろ
存在できないほどの熱量であった





D×Q 19:55 弱虫倶楽部

さっきのフロアで
大半の気力体力が
消失してしまったのと
人が溢れていたのとで
あまり集中して聴けなかった

ステージに近寄れなかったのもあるけど
それより壁際の男が
どうしても気になっていた

彼はたぶん
VANQULLWAR'Sのギタリスト
ラブグッドマン

ステージの演奏を
ただじっと見つめている
表情からは何も読み取れない
静かに集中しているのだけはわかる

フロアの熱気とは対照的すぎて
怖いくらい微動だにしない
腕組みをして視点を
舞台から離さない
獲物を狩る目をしている気がする

身長も高いし
表情筋が職場放棄してて
どことなく やっぱり怖いのだけれど

考えてみれば
次は自分たちのステージになるのだ
それだけ集中して
殺す気で挑もうとしているのかもしれない




VANQULLWAR'Sも昨年暮れに
名古屋で出会って以来、2度目



彼らは『全消灯祭』のトリをつとめる

体力残りわずかだが
きっと走り切れるだろう




BーP 20:35 藤山拓バンド

演奏やトークの時間は
予定より押してしまったようで
移動した時には今にも演奏が始まろうか
と言うところだった

そんなわけもあってフロアは
あまり満たされていなかったものの
駆けつけた観客らを前に
幕を開ける

前のステージを終えた西島さんや
ワッペリンの面々
マザーコートの2人も見える
やいのやいのと
合いの手を入れられるくらいには
とても暖かなフロアである


藤山さんの歌はそれに呼応するように
春をつれてくる

彼の歌に見る
懸命さや 誠実さや 純粋さは
彼の歌の「彼らしさ」であると感じている

バンドのメンバーも
人柄から滲む音楽が
その世界を築き上げていく

きっとこれから もっとよくなる
まだまだ観ていたい そう思うバンドである


藤山拓バンドのお陰で
気力だけは回復できた気がする
肩の力を抜いて D×Qへ戻る



D×Q 21:00 VANQULLWAR’S


驚天動地 漸く日の末まで辿り着く
体力 気力 時の運
全ての灯りが消えそうなるも
がんとこの眼で焼き付けましょう


そんなふうに頭で理解はしていても



実際は人で「もみくちゃ」になりつつ
最高潮のフロアでボロ雑巾となり果てる

最高の音楽が流れていく時を
体力の余裕のなさから不甲斐なく
全力で演奏を受けきれていない実感がある


フィジカルが弱くてかなわんなぁ
体がもっとデカければなぁ
無い物ねだりばかりが頭にあるのが
余計に勿体ないことだとも思う



ヘロヘロになりつつ
カウンターへ逃げ
マイマイと酒を飲む



終わりゆくステージを眺めながら

「ここへこれて 本当に良かったなぁ…」

ぶつくさと、そればっかり呟いていた



『全消灯祭』は別れを惜しむように
「燃えろよ 燃えろよ…」と歌われていく





閉幕 21:50

幕後、一旦急いで宿へ
22時までにチェックインする予定だったのだ

宿は走っても5分とかからない好立地
受付での説明もそぞろに
チェックインを済ませると
今度は駅へ

コインロッカーから荷物を取り出し
再び会場へ踵を返す

会場へ戻って、また演者らと
話に少し花を咲かせたく思っていたのだ

フウジンちゃんへお礼を言ったり
ワッペリンの皆と話せたり
西島さんと話したり…で
ちょっと驚いたことがある

お客さんとして大阪のシンガー
帯盛かれんさんが来ていた

彼女は四日市でライブを観てから
また聴きたいと思っている人である
神戸大阪なら近いのだろうか
そんなこと思いつつ
「また近々、ライブに行くと思います」
とだけ告げる

…どこのライブに行くとか
ちゃんと伝えないのは私の悪い癖である



そんなこんなで2時間くらい
酒を飲みつつ話ができた



客もほとんど帰ったころに日付が変わる


この日12/8は
VANQULLWAR'S のボーカルであり
主催者、目下奴言水さんの誕生日らしく
その場に彼の姿はなかったのだが
演者たちは、自然発生的に円陣を組んで
揃いでハッピーバースデーを歌いだす

一旦歌い終わってもエンドレスで続ける姿に
私はゲラゲラと笑いっぱなしだった

そうこうしていると言水さんが戻り
そしてまた続けて歌がある



祝祭とはこういうことかと思いつつ
さらりと皆に別れを告げる

こんな多幸感のまま宿へ向かえることは
幸福そのものだ 大切にしよう


こんな一日が
こんな夜が

私にもまだ残されていた
刻んでおこう

また思い出せるように








今回はここまで


超特急で あっという間に
2月も中旬が終わりました はぐぱぱです


『全消灯祭』駆け足で書きましたが
タイムオーバーでしたね 日付回ってるので
締め切りには間に合いませんでした

「更新できなかったら
 ごめんなさいね」

って書いてたのでノーカンです
許してくれ なんでもしますから

 

次回は神戸を徘徊してから
大阪に行きます

3連戦の3戦目は次回やらないかも
けど、やってもあと2話くらいで
多分終わるんじゃないかな


知らんけど


スピンオフを
投下するかもしれんし
やれんかもしれん


知らんけどな




じゃ またね




次回、神戸っぽい神戸に行きます





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