続•冗談じゃない旅 シネマⅡ
2024年10月のことでございます
シネマスコーレ行脚
今回もシネマスコーレに行ったことを書くよ
3日目
やっと天気は回復した
ようやく「LUUP」乗って映画館へ向かう
正直、電車だと やはりかなり忙しない
一方、電動キックボードは
走らなくていいし 汗もかかないし 疲れない
その状態で映画が観られるのは大きい
シネマ近くのポートは
比較的空きがあるため使いやすいのもいい
これからも適度に使っていこうかな
便利な世の中になったものだ
※全て個人の感想です
お客さんが増えてきている事実に
喜ぶ自分がいる
大きな不満より
小さな幸せを大切にしたい
まだ観たことのない人の心の隙間に
どうか、この映画が残りますように
壇上で昨日ヒロキさんが話していたこと
一昨日に、嶺さんが伝えてくれたエピソード
海老沢さんの映画への熱い想い…
舞台の裏話や隠し要素は、正味な話
物語の本編と大きく関わりないものだ
ただ
映画が作られる中で生まれるエピソードは
知れば、楽しい記憶だし
それぞれの役者・スタッフにとっては
どれも、愛おしい経験だろう
ファンとして、その欠片を知れることは
オマケを貰えたような、ご褒美のような感覚
本当にありがたいことだなぁ…と胸が熱くなる
これまで聞いたり知ったりした
諸々の要素が、ミルフィーユみたいに
映画の情報となっていく
新しい発見は自分の気持ちに
改めて気付くことにも似ている気がする
リアルでラストシーンの風景に立てたことは
思いのほか強烈に ダイレクトに
感情に影響していて フィクションの境界線を
良い意味で朧にさせていく
3日目は最後列に腰をおろす
近く人がいないのをいいことに
試写会で観た時くらいにボロボロ泣いたことは内緒だ
4日目
ご存じの方はご存じかもしれないが
私の脳内は感情や意思決定が一本化されていない
このため感情のあちこちが独立している
利点は、滅多なことで動じないことくらい
感情があちこちにあるから
だいたいは欠点にしかならない
中でも相談・雑談は常時頻発しており
基本的に1人なのに(脳内が)非情にうるさい
発言するのが、1人、2人ならいいのだろうが
感情とは1つ2つでは済まないため、そんなわけにもいかない
映画を見ている時は、みんな集中している
(1人を除いて、いい加減大人なので)
しかし終わってみれば、脳内は多分に漏れず騒がしい
今回も、ナビが脳内関係各位に色々と聞いて回っている
一部を紹介するとしよう
※対話形式となっていますが、まとめて1人の感想です
ナ「まずは具体的にどこで泣いてしまうのか聞いてみたいと思います
はじめに言いたい人、挙手。はい、では煩悩さんから」
煩「アクションヒーローサラリーマンで、ガチ日没になっていくとこと
2回目の柴田組オーディションで助監督が飄々としてるとこです」
ナ「泣いちゃうシーンを聞いたんですけど」
煩「おかしくて笑うの我慢して泣いちゃうの」
ナ「はい、ありがとうございました。次、守護霊さん」
守「雨降るアパート、(塩谷)進さんのシーン
素直にごめんなさいと言う丈さんを笑顔で受け入れて
柴田組のオーディションの結果報告したあと抱き合うところ
引きのワンカットですが『何泣いてんスか』で泣きます」
ナ「良いシーンですね」
守「後輩というか人間として、ちゃんとしてる感じ、ホント好き」
ナ「塩谷進が好感ある人で、売れっ子になる説得力も増す気がしますね」
守「どうしても丈さんと対比されちゃうけども、それぞれの生き方だから…
それぞれは、それぞれでいいと思うのよ。生きてたら色々あるもの」
ナ「いつもエンディングで泣いてる監査役は何かありますか」
監「映画完成して…観られて…本当によかったです…」
ナ「また泣いちゃったので次行きますね
作中、気付いたシーン、気になったシーンは何かありますか?」
煩「さっきも言ったシーンだけど、2回目の柴田組オーディションで
助監督が『監督から何かありますか?』って話題振って
監督が『特にございません』と手で首を撫でるとこ可愛かったです」
ナ「松浦裕也さんですね。ちょっと赤くなってたように見えましたね
助監督役の台詞やフリはアドリブだったみたいです
照れなのか焦りなのか、なにせよ可愛かったですね。他は」
守「居酒屋の冒頭シーンで店員さんがこちらを向いて
テーブルの片付けをしてて顔がしっかり映ってました」
ナ「長尺のシーン冒頭、居酒屋で喧嘩の始まる直前のシーンで
後ろ姿しか映ってないと思っていましたが、よく気付きましたね
演じているのは、藤本悟さんですね」
煩「上野監督役の山本さんは、ちょっと前にドラマで医師役してましたし
あと同じドラマで、藤本さんはヤンキーの役やってました」
ナ「出演されていましたね。太田さんもドラマや映画や舞台で活躍を…
いや、ちょっとちょっと?脱線しないでください
他に、印象に残ったところはありますか?」
監「上野監督でいえば、作中のワードから納得したシーンがある
丈たちが上野組の助監督の小林とBARで再会した時に
上野監督作品名を『8オンスそれぞれのボックス』と言ってて
あぁ、上野監督の作品はボクシングドラマだったのか!
だからオーディションの芝居が殴る演技だったのか!
それで!丈は待ってる間にシャドーを練習してたのか!
って。全部にすごく合点がいきました」
煩「スッゲぇしゃべるじゃん」
守「4年後の、そのBARのシーンでいえば
丈さんと進さんの目線が絶妙に合わないところ、すごく好き」
監「わかる。目線も立場も心境も重なり合わない感じ」
煩「柴田組2回目のオーディションでの
新垣洸の目線も好き。9割、丈しか見てないの」
守「オーディションの2日目に丈さんが
新垣さんと組ませてくれって言ってから監督が手を叩くまでの間に
一瞬だけ丈さんの方を見る大橋さんの目線も好き」
ナ「湯川役の大橋さんと丈が、路上で小形さんと茶割で乾杯するとこ
音楽を聴くシーンが好きです」
煩「もうない『京樽』前なのもポイント高い」
監「今回観て気付いたこと多かったですね。すごくよかった…」
ナ「…他にも色々あるみたいですが、そろそろお時間でございます
シネマスコーレでの上映は明日が最終日。また観たいと思っても
名古屋での再演は未定なので、ちゃんと観納めましょう」
煩「明日はきちゃう!」
監「明日はきちゃうぅ~♪」
編纂室 会話記録書き起こし
守「調子どうかね?」
書記官「毎回、こんなんばっかなんですけど」
守「大変そう」
5日目
名古屋公演最終日がきちゃった...
しばらくは、また彼らに会えませんが
作品は色褪せることはないと思うので
こちらが擦りきれないように健やかにあろう
最終日も客席には私の他にも来場者がいて心強い
没入したくて、3日目同様に最前列に座る
相変わらず泣く
劇中で、現実を目撃してなお、走り出す江田丈の胸中には
石間このみや子どもの笑顔が想像されていく
それこそが丈の求めていた嘘のない純粋な「幸福」だったのだろうし
想いの中だけでなら祝福されてもいいと、私はいつも願ってしまう
残酷なことには、かわりない
実現を求めたら消えてしまう平穏
探したら潰えてしまう幸福であるから
ただ、記憶や思い出が人の生きていく姿を形作っていくのなら
心の奥底であっても祝福されてほしいと願ってしまう
丈が生きていく先では
怒りに沈んでしまうかもしれない
悔しさにおかしくなるかもしれない
だけど、丈自身に愛が失くなるわけではないと信じたいのだ
砂まみれになっても ずぶ濡れになっても
愛だけは忘れずに 追いかけて 残酷にも
どうか生きていてほしいと願ってしまう
誰かと出会えたのは わずかな時でも そばにいられたのは
そのものが 幸福と祝福だと 私は思っているから
観て 感じて ありがとうという気持ちが溢れることは
現実も、フィクションもなくて 涙になってしまう
『冗談じゃないよ』のタイトルがエンドロール冒頭に出た時
いつも感情が1つにならないのは、色々想いすぎるから
けれども、それでいい。そう思える自分を
やっと赦せるような気がする
ひとつの映画にここまで想い持ってしまうのは
正味な話、良いとはいえないのだろうけど
けど、ありがとうと、おめでとうだけは
何度でも伝えたい
映画をありがとう 上映おめでとう
これからもたくさんの人の心に響きますように
6日目
約束していた通り
映画『この日々が凪いだら』を観覧しにきた
時間が遅いのは知っていたので、ゆっくり歩いてきた
サトウヒロキさんと瀬戸かほさんが出演する以外は
事前に何も情報をいれていない
これはこれで新鮮だ
とんでもないホラーだったり
スプラッタな内容だったらどうするのか?
予告編くらいは見ているから大丈夫じゃないかなぁとは思っている
本編
ここからは物語のあらましと感想を
平成から令和にかけての東京
工務店で働く若い男が花屋の女と出会い
一緒に暮らし始める 2人が物語の主人公である
ゆるやかにだが、確実に刻まれていく時間
気持ちの すれ違いや 掛け違い
周囲との関係の変化 感情の揺らぎ
湿度のある人間味が丁寧に描かれていく
特に、否応なしに降りかかる「身近な人の死」は
物語に大きな楔を打ち込んでいる
死生観は登場人によって大きく異なり
男は、価値観のギャップに
大いに悩み 苛立ち 迷い果てる
女は男に寄り添い歩みたいが
本当の気持ちが分からない
移り変わる日々と
取り巻く世界で対峙する「後悔」の先に
彼らは何を見出すのか
愛という形のないものを見つけようと
もがきながらも生きていく
そんな物語だ
終幕後に残ったのは
主人公の2人の行く末が、叶うなら同じ道の上で
幸福なものであってほしいと願う感情だ
離れかけた感情が 再びひかれあう言葉で
幕となったのは 胸が熱くなった
感想は以上
だが…この映画には、もう一つの側面があった
至極、個人的な状況に起因するものの
顎外れるくらい驚愕した事実を記しておく
前述したように『この日々が凪いだら』は
予備知識はほぼゼロで観覧した
サトウヒロキさん演じる主人公は
物語の後半で里帰りをする
東京から赤い電車に乗り
海を眺めつつ 故郷を目指す
最寄りの駅から 生家のある町まで
バスで行く
男の故郷のバス停や港の風景が映る
映画の物語には集中していたのだが
途中から胸がざわめきだしたのは
「その光景そのもの」に対してであった
私自身、行ったこともない港町を見た時
何故だか鳥肌が止まらなくなる
(いや、まさか… こんなことってあるのか…)
うっすら疑念があったものは
エンドロール、ロケ地の地名を見て確信に変わる
ロケ地は三浦市、三崎港
そこは、9日後に私がいる場所
そして数日前に、サトウヒロキさんへ約束した
小形さんと再会するであろう場所であった
今回はここまで
2024年も終わります
思えば正月から大変な1年でしたね
年内の更新は、今回でおしまいです
そして『続・冗談じゃない旅』も
終わりを迎えます
また彼らと再会する時に
書けたら嬉しいです
noteですが
なにげに毎週更新できたのは
とっても嬉しいです
これまでも これからも
書いていく内容を
ドラマと見るか
ドキュメントと捉えるか
それは考えようでもあるんですが
少なくとも脳内以外は
フィクションではないので
ドラマチックなリアルが経験できてることと
書くことで追体験できることは割と楽しいです
まぁ…脳内もリアルっちゃリアルですけど
悪魔の証明になっちゃうので
次回からシリーズ『三崎にて』をお送りします