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本業と支援先のこと

先日支援先を訪問したときのことですが、社長から、金庫を買ったという話がありました。経緯としては、事務所に裸でおいてある現金が気になるので何とかしてほしい、という社員の強い希望に押される形で購入したそうです。まあ、確かに自分のモノでもない現金が目の前にあるだけでも落ち着かないし、万一失くなったら…という社員さんの気持ちはわかるなあと思うのと同時に、セキュリティに厳しい本業と相違も感じました。

僕の本業は外資系のサービス業で、主にオペレーションを統括する部門で働いていて、そこそこの規模の企業です。診断士らしくいうならば、中小企業基本法の中小企業にあてはまらない企業というやつでしょうか。コンプライアンス、セキュリティポリシーをはじめとする各種ポリシーが明確に明文化されていて、定期的な監査や研修も行われ、ポリシーに抵触する指摘事項があれば速やかに改善することが求められます。会社のお金が社内に無造作においてありましたなんてことが起きたら始末書だけでは済まないかもしれません。

それから、日々の仕事においては、ビジネス部門や他の管理部門等とさまざまな調整や交渉をしながら、部門運営をする必要があるのですが、この辺のプロセスはシンプルとは言い難く、どちらかと言うと一定以上のプロセスや工数が必要となります。例えば会議一つ取っても、どこの誰まで呼ぶべきかとか、事前にネゴシエーションしておくべきキーパーソンは誰か、外国人メンバーとどのように合意形成させるか、あるいは誰々さんはベジタリアンだからランチは別途手配しなければいけない、とか、とにかく会議が始まるまでにいろいろな下準備や整理が必要なことが多く、その下準備が甘いと想定通りにモノゴトが進まないことが少なからず起きます。

これに比べて良いかはともかく、支援先では、これだ!と思ったことを即断即決し即実行できたり、そのおかげで絶対に無理だろうと誰しも思っていた超大手企業の懐に飛び込んで契約締結できたり、決して洗練はされているとは言い難いけれど会社の想いが伝わってくる自社ホームページとか、良い感じです。もちろん良いことばかりではなく中小企業ゆえの課題として、資金繰りやらリソース不足やら限定される選択肢等他にもいろいろありますが、少なくとも同社の発展の一部を担えることは本当に素敵なことだと考えています。

本業と支援先のどちらが良いかは一概には言えませんが、少なくともワクワクする回数については顧問先の方が上かなと思っています。

とにかく副業という形で自分の新たなやりがいを社外に見出だすことも悪くないなと思っています。


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