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オタサーの姫は優秀なマーケターである

オタサーの姫は(かわいくないのに)なぜモテるのか

失礼ながら、「オタサーの姫」は総じてあまりかわいくない傾向がある。それなのに、なぜオタサーでモテるのか。オタクが多いから、あまりかわいくなくても通用するのか。否、オタサーの姫はマーケティング能力が高いからモテるのだ。

かつて私はオタサーの姫を「こんなんだったら自分のほうがモテるだろ」とバカにしていたが、いざオタク男子の輪に入ってみたら全然モテなくて愕然とした。あの土俵の上に立った私は、オタサーの姫よりもはるかに弱かった。

意外なことに、一般的なモテ女がオタサーにいてもモテない。(※私はモテ女じゃないです、念のため)オタサーにはオタサー独自のニーズがあるのだ。奥手なオタク男子でも話しかけやすい素朴さ、共通の話題となるオタク度、手が届きそうに思える親近感などなど。

一般的なモテ女だといろいろな要素がトゥーマッチになり、オタクたちは遠巻きに存在を認識する程度に留まるだろう。一方、オタサーの姫はオタクたちのニーズを敏感に嗅ぎとり、ぴたりと自分を一致させる。話題、服装、仕草、話し方すべてを絶妙に合わせるのだ。優秀なマーケターである。

フリーランスなど個人で活躍したいなら、オタサーの姫を見習ってマーケティング思考を働かせ、自分を世間のニーズと一致させてモテ力を上げるとよい。

そこで考えるべきは専門分野だ。オタサーの姫の専門分野はオタク。では私たちはどうやって専門分野を決めればモテるのだろうか?

「好き×ニーズ」で専門分野を決める

専門分野にすべきは、自分が好きでニーズがある分野だ。好意×需要の最大値を出せる分野を探すのだ。

どの分野であれ競合ライターはいるので、勉強などの努力が苦にならない好きな分野で勝負する。「好き」は最大の強みだ。私がジャンルを絞らないまま人並み以上に稼げるようになったのも、「書くことそのものが好き」という強みがあったからである。好きだから人より働いても苦じゃないし、講座に通って勉強することにも抵抗がなく、学習し続けようという知的貪欲さを持てた。

同じ仕事をしても、いやいや取り組んだ人より楽しんで取り組んだ人のほうが成長する。「稼げるか」だけに目を向けず、自分が「ずっとやりたい」と思えるか自問自答しよう。

自分の特性に応じて部分特化する

ただ、いくら好きでもニーズがなければ仕事の全体量が少なくなってしまう。ある程度ニーズがある分野にすべきだが、ニーズが高い分野は競争の激しい人気分野でもある。

ほどよいポジションを見つけるポイントは、自分の特性と照らし合わせて「部分的ブルーオーシャン」を探すこと。家電ライターだとしたら、美容部員の経験があれば美容家電に、子育て中であれば家事を効率化する家電というように、自分の特性に応じて部分特化すると競合が減り戦闘力が増す。

ライターは山ほどいるので、広く浅くで戦うよりは、狭く深くでピンポイント勝負したほうが効果的だ。ただ、尖りすぎるとニッチ過ぎてニーズがなくなる。「ニーズがあるか」を前提として考えることを忘れずに。

バカにされがちなオタサーだって、日本のオタク市場は莫大であり、じゅうぶんにニーズがある分野だ。そこで自分のオタク能力を発揮し、ターゲットのニーズを把握して絶妙な塩梅で「女」を醸し出すオタサーの姫は、やはり優秀なマーケターである。

どんな専門職のフリーランスもマーケティング能力なくして大成しない。オタサーの姫から学ぶことはたくさんあるので、街でオタサーの姫を見つけたら刮目して見よ。

aki kawori | Twitter

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秋カヲリ@星天出版代表
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