フリーランスを死に至らしめるオシャレ病。シェアオフィスやカフェに貢ぐな
「独立から1年で年収1,000万いきました!」
とプチ成金アピールしている私だが、固定費は極限まで削っている。この固定費の低さが、今回のコロナ・ショックでかなりプラスに働いた。
(仕事で)毎月絶対必要なのはパソコンの電気代くらい。資料の本はKindle Unlimited(電子書籍読み放題サービス・月額980円)で探すことが多い。
コロナにより取材案件は激減、取材以外の案件も少し落ち着き、売り上げは従来の半分~3分の2に落ち込んだ。
外出メインの取材ライターは阿鼻叫喚、カメラマンも同様だろう。
■フリーランス最大の敵はオシャレである
ライター業に関わらず、経営は「何をするか」と同じくらい、あるいはそれ以上に「何をしないか」が重要だ。
つまり「どれだけ売るか」と同じくらい「どれだけ支払わないか」が重要だということ。
特にこうした売り上げの目途が立たない時は、支出を下げなければ生き残れない。
飲食店が営業停止になって喘いでいるのは、どう頑張っても最大の固定費である「家賃」が下げられないから。
確かにビジネスモデル上、固定費を避けられない業種はあるが、我々ライターのように「パソコン一台あればどうにかなりまっせ」なフリーランスのクリエイターは、とにかくオシャレぶらず、固定費を下げるのが大事だ。しがないフリーランスだとしても、ひとり会社の経営者だからね。
■自宅作業のコスパは神
私は自宅で仕事をしている。外出する予定があり、かつスキマ時間が生まれたとき以外はほとんどカフェ作業をしない。
移動+電源探しの時間的コストと、飲食にかかる金銭的コストを考えると「効率悪いなあ」と感じるからだ。
1回30分、1日1,000円のコストだとしても、週5日だとして月に10時間、2万円かかる。
「自宅だと捗らないから」と外出作業する人が大半だとは思うが、自宅でも捗る環境と精神を整えた方が長期的にはプラスだと断言できる。
だって起きてすぐ仕事スタートできるし、終わったら即寝転がってゴロゴロできるんだもん。こんなに至福な環境はない。
ずーっと家に引きこもっていても楽しく過ごせる「生粋のインドアオタク」であることが、史上最高にプラスに働いている。正直、自粛生活もノーストレスだ。オタクって強い。根暗って最高。
取材で今をときめくシェアオフィスに行くたび「かっこいい~~~」と憧れ、「横のつながりから仕事が生まれました」と聞くたび「やろっかな~~~」と指をくわえていたが、背伸びして入居しなくてよかった。できる女風のタイトワンピ着て、ハイヒールでびしっと決めて、飲めないビール飲んでMacカタカタしなくてよかった。(偏見です)
■平凡フリーランスが死守すべき4つの心得
自宅をこよなく愛し、固定費をかけず、のびのび仕事するために私が心がけていることは下記。
1、「オシャレは敵」と念じる
オシャレに憧れると我を忘れ、身の程知らずになる。オシャレなオフィスは貴族の遊びである。お金に余裕があり節税したい人々が利用する施設だ。あきらめよ。出世したらやろう。来世でやろう。
2、自宅カフェを作る
ネスカフェドルチェグスト(カプセル式コーヒーマシン)があるおかげで、自宅にいながらカフェ気分を満喫できる。1杯100円くらいだから、予算に会ったコーヒーマシンを投資として導入することをおすすめする。コスパいいから余裕で回収できる。
3、仕事スペースを作る
リビングでやるにはかなりのトレーニングが必要なので、できれば仕事部屋を作るか、せめて仕事スペースを作る。1ルームなら部屋の角に、壁か窓を向く形で。間違ってもテレビのほうを向いてはならない。
4、自宅作業に慣れるまで継続する
これが大事!私も最初は自宅作業に慣れず、日中に怠けて夜中に徹夜で仕事する、という最底辺のワークスタイルを余儀なくされた。(余儀はあったか)1~2か月続けると「さすがに体が持たないしアホだわ」と気づいて、自宅作業でも日中に仕事して納期に間に合わせるようになる。
売り上げを増やすのは人を動かさなきゃいけないから大変だが、支出を減らすのは自分一人ですぐできるから簡単だ。
「コロナ・ショックのなかでどうやって売上を出すか」も大事だけど「コロナ・ショックを乗り越えるためにどうやって支出を減らすか」を考えたほうが生存率が上がると思う。
コロナに限らず、経営の肝として知っておこう。