好きを仕事に。その先にある壁
好きを仕事にするのは楽しい。でも、失うものもある。
書くのが大好きな私は、書いてお金をもらえるライターになって、しかもフリーランスで自由の身になれて、死ぬほどうれしかった。
イヤな仕事をしなくていい、朝早く起きなくていい、出かけなくていい、好きな時間に起きて文章を書いて生きていける。今までの人生に比べたらはるかにイージーモードで「20代からこんなにいい人生送っちゃっていいんですか?」と神さまに聞きたかったくらい。(聞かずに鼻歌歌ってたけど)
でも、ライターになるまでは、書いてお金をもらえる原稿なんて私の目の前にはなかったから、自分の好きな文章をがむしゃらに書いていた。満たされていない不安や渇望があって、それに突き動かされるようにして書いていた。
でも今は「書きたいこと」をただ書くだけじゃ0円。
依頼された原稿を書けば数万円もらえる。
煩悩と欲望に満ち溢れた私は、するすると諭吉に吸い寄せられていく。
自然とお金をもらう原稿を優先するようになり、自分の書きたいことを書く機会はめっきり減ってしまった。
私の「書きたい」って気持ちはこんなもんだったの?
そもそも私に「書きたいこと」なんて大層なものある?
ただ書ければ満足だった?
書いて内側のモヤモヤを表現できれば、サウナで汗をかいて”整う”みたいに心がスッキリするから、それだけで十分だったの?
いや、やっぱり誰にも見せない文章を黙々と書く気にはなれない。
それだったら名前を出してライターになる必要なんてない、ブログを趣味でやっていたら満足するはずだ。
「カヲリちゃんの文章っておもしろいね」「楽しい」「元気になった」
そう言ってもらえたから、書くのが好きになったんだった。
書いて人の心を動かしたいのだ。
私の文章を読んでもらって、少しでも心を照らしたい。
それができないなら、書く意味は感じない。
◇
この間、広告代理店の新卒4人からなるクリエイティブユニット「tokeru」の取材をした。部屋を海底のようにするレースカーテンを考案した人たちだ。
彼ら・彼女らは広告代理店で忙しく働きながら、社外活動で自主的にデザインコンペなどに取り組み、このカーテンの商品化に向けて実験したり企業と打ち合わせしたりして、深夜まであくせく動き回っている。能力とバイタリティの両方を持ち合わせているすごさよ。
やりたいことが見つからない人も多いけど、実際は
「なんとなく興味があるアレコレはあるけど、仕事忙しいし、遊びたいし、自分にできるかわかんないし、まあいつかでいっか」
ってなっている人のほうがずっと多いと思う。
私だってそうで、もっとSNSやらなきゃなーとかnote更新しなきゃなーとか思いつつ、でも何を語ればいいのかな、それより先に仕事の原稿やったほうがいいか、と思ってのらりくらりとしているうちに2021年が終わろうとしている。
だからtokeruメンバーの川又さんと宮崎さんに、
「なんでそんなに忙しいのに、仕事でもない社外活動を深夜までかんばれるんですか?」
と聞いたら、
「強い好奇心があるからです。やりたい!と思った瞬間の初期衝動が大事で、その勢いのままとにかくやってみて、行動するしかないです」
と伺った。(もっとすばらしく丁寧に説明してもらったけど、要約してます)
なんかもう、そのとおりすぎて、ガツーンときた。
凡人なんだから、ごちゃごちゃ言わずやるしかない。
活躍している人だってみんな、普通の人の何倍も何十倍も何百倍も動き回って、だから抜きんでているのだ。輝かしい成功の下には、目を覆いたくなるほどのトライ&エラーの山がある。
◇
「書きたいことを書きたい」
ただそれだけの、白米みたいにまっさらつやつやのシンプルな気持ちひとつで行動しよう。それが私にできることだし、今すべきことだと思う。
そんなわけで、質とかテーマとかはいったん置いといて、とりあえずnote毎日更新を今日からやってみようと思います!
本当に伝えたいこと、私にはこれだってテーマはその積み重ねの先に見えてくるはず。
それを見つけるために、やります!やるぞ!がんばれ!できるかな!応援してください!(これ聞きたいとか書いてとかあったら、DMでもコメントでも何でもいいのでください~)
めっちゃ不安だけど、とにかく毎日書くってことなら、自分がやれると思ったらやれるし、やれないと思ったらやれないだけだ。自分次第。
安定という名を壁を壊そう。まずは一歩、踏み出すことから。