Lookbackを使ってユーザビリティテストをしたらとても良かった話
この記事は PLAID Advent Calendar 10日目のエントリーです。
突然ですが、みなさんのオフィスにユーザビリティテストの設備はありますか?
ユーザビリティテストを行う上で環境づくりは大切な要素のひとつです。
しかしながら、テストを行う専用部屋などの設備が用意できている環境は少ないのではないでしょうか?
弊社でも専用部屋などの設備はなく(そもそも部屋が存在しない)、「チームでユーザビリティテストにトライしてみよう!」となったものの、実際にどう行うべきか悩みました。
できればチームメンバー全員に参加してほしいけれど、たくさんの人で被験者を囲むのは避けたい。かといって、場所を借りるほどでもない…!
と唸っていたところ、suさんから「Lookbackというサービスがあるよ」と教えてもらい、調べてみることにしました。
🤔Lookbackってなに?
Lookbackは、オンライン上でユーザビリティテストができるサービスです。
テスト方法は3種類あります。
・In-Person
対面でテストを行うモード。
・Live
離れた場所にいる被験者に対してテストを行うモード。
・Self-test
モデレーターなしでタスクを表示しテストを行うモード。
また、参加者の追加が無制限なことや、録画したビデオの再生ができたり、チャットやメモを残せるなど、必要十分の機能も備わっていました。
他にも類似サービスはあったのですが、今回は、実施場所も対象者も社内でしたので一番シンプルかつ使いやすかったLookbackを選びました。
👩💻実際にLookbackを使ってみた
今回のユーザビリティテストでは、被験者・モデレーター・記録係が同じ席に座り、それ以外のメンバーは、離れた自席でLookbackを通してリアルタイムに観察してもらう仕組みにしました。
(会議室などの個室が用意できる場合は、観察部屋をつくるのもありです)
実際の様子は掲載できないのですが、このように画面+発話+表情を観察できます。(顔を隠そうと思ったら、完全に不審者になりました笑)
この3つがセットになっていることで、どのあたりを見ているのか、発話の裏は何か?などを考えるヒントも与えてくれます。
また、UIも分かりやすく設計されていて、操作に迷うこともありませんでした。
👏良かったところ
・使い始めるのが簡単
2週間のフリートライアルが用意されており、メールアドレスを登録するだけで利用することができます。
類似サービスは、お問い合わせが必要なものが多かったので、簡単に登録して試せるのはかなりのメリットだと感じました。
また、demo動画があったので、事前に機能の詳細や利用方法を確認することができました。
・指定したシーンを共有でき、振り返りに役立った
今までの経験では、ユーザビリティテストで録画をすることはあったものの、録画したビデオを見返したり共有することはありませんでした。それは、単純なスクリーンキャプチャのようなツールで録画をしていて、該当のシーンを探すのが大変だったためです。
Lookbackを利用すると、指定したシーンを簡単に共有・再生ができます。分析時に気になった箇所を再度確認することで、新たな気付きを得ることができました(記憶と異なる部分もあり、人間の記憶は曖昧だなぁと感じました)。
・モデレーターとしての振る舞いを客観的にみることができた
録画したビデオには、もちろんモデレーターとしての自分の声も録音されています。
ビデオを再生すると、嫌でも自分のやり取りを聞くことになるので、「この質問は良くないな」、「ここはもっと深ぼればよかった」、「ここは上手く聞き出せてる!」など課題点や良い点を客観的に評価することができました。
ユーザビリティテストのたびに改善を繰り返していけば、モデレーターとしてもスキルアップができ、自信にも繋がると思いました。
・チームメンバー全員が参加したことで課題感を共有できた
これはLookbackだけでなく、ユーザビリティテストのポイントとしてよく上げられることですが、全員が参加することで自分ごと化し、課題感を抱くことが大事だと改めて感じることができました。
Lookbackを知らずに実施していたら、前述した観察者を囲む方法を避けるために参加人数を減らしていたかもしれません。もし、そうしていたら、実際にユーザが迷っている様子を観察したメンバーとそうでないメンバーで課題感の温度が異なるため、実施後の対応がスムーズにいかなかったはずです。
さらに、Lookbackというサービスの「新鮮さ」により、ユーザビリティテストに対しての興味を持ちやすくなる面もあるのではないかと思いました。
😥 残念だったところ
とっても良いところがたくさんあった一方で、いくつか残念な箇所もありました。対応策と併せて記載します。
・ごくたまにPCが落ちる
録画の処理が重いのか、PCが落ちてしまったことがありました。すぐ再起動すれば簡単に繋ぎ直すことができ、録画も保持される仕組みになっていたため大きな問題にはならなかったのですが、念の為PCは専用で用意することをおすすめします。
(専用でPCを用意した後は落ちることがなくなりました。スペックの問題もあると思います)
・日本語でコメントした場合に、ビデオの時間と紐付かない
本来は、テスト中にコメントを記載するとビデオの時間と紐づき、コメントから該当シーンにたどり着くことができるのですが、日本語だとそれが機能しませんでした。
また、日本語だと二重でコメントが送信されてしまう不具合もあったので、メンバーとのやり取りやメモは別で行うのがおすすめです。
・音声がハウリングしてしまう(これは設定ミスでした)
音声が聞き取りづらくなっていたのですが、これは私がLive機能を使ってしまっていたせいでした。Live機能を対面で使うとマイクが二重になるのでハウリングします(当たり前)。
対面でテストを行う際は、In-Person機能を利用しましょう!
🎉Lookbackはいいぞ!
Lookbackのおかげで、設備がなくとも有益なユーザービリティテストを行うことができました。
また、録画したビデオが簡単に共有できることで、欠席者が出た場合に後から観てもらえることができたり、他チームへも共有しやすくなるので今後使い方の幅も広がっていきそうです。
もし他に「このサービスもいいぞ!」という情報があれば教えていただけると嬉しいです。最後までご覧くださり、ありがとうございました!
明日は、@sngmtさんによる「グッズ制作のあれこれと、目的に応じた場づくりを考えた話」です。
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