「サンカ」と呼ばれた日本のジプシーを知ってますか?(私の人生本⑧風の王国)
ちょっと前に、お客さんと話をしていて、
私は、安定よりも自由と変化を好むんですよねって話をしてたら、
五木寛之「風の王国」
という本を紹介してもらった。
「サンカ」って呼ばれた、日本のジプシーの話だよ、と。
私は、その存在を全く知らなくて、慌ててWikipediaで調べた。
日本にかつて存在したとされる放浪民の集団である。本州の山地に住んでいたとされる。
(中略)
呼称は日本の警察による便宜上のものであり、差別用語としても使われる。
(Wikipediaより)
戸籍も持たない、土地も持たない、物も所有しないで、移動を続ける生活。
大正時代まで存在していたらしいけど、それこそ、政府にとっては、税も納めてくれない、兵役もしてくれない迷惑な存在だから、徐々に国民に組み込まれていったらしい。
これね、政府側からみたら、国家を運営していく上では真っ当で必要なことってなるんだろうけど、
私は、どうしても、サンカ側のことも考えてしまうよね。
多くのものを望まず、好きなように、自然とともに暮らしていたのに、ある日、権力がお前たちは遅れた存在だと、降伏を迫る。
世界中のあらゆるところで、繰り返されてきた歴史なんじゃないかなと思った。
で、この「風の王国」で、私が好きな表現が、
勝つか負けるか、それをギリギリの地点で迫られたときは、負けるがよい。負けて、無一物となり、世間の陰を流れて歩くがよい。
大きくなりすぎた体を、自分たちの手で切り捨てる。前進をやめて、意志的に後退する。権力に頼ることをやめ、無力の民として生きる。私たちは(中略)取ることをではなく捨てることを知っている一族よ。土地を捨てる。家を捨てる。安住を捨てる。いつもそうして体ひとつで流れて生きてきた。
こういう気持ちで生きられたら、何も怖いものはないだろうなと思った。
この人たちには、こういう風に生きるのが自然で幸せなんだよ。
そして、日本で普通に暮らしている中にも、その血を受け継いでいる人は必ずいるはず。
普段、テレビで示される幸せなんてものは、ただ、誰かの都合のいいように、信じ込まされているだけかもしれないと思った。
まあ、いきなり自分がここまではいけなくても、幸せの形はたくさんあるっていうことを理解できたらいいよね。
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