萩原珈琲の「モカ」は、逆さ仕上げ 。
萩原珈琲のモカ(生豆生産国:エチオピア)。最も出荷量の多い豆の1つで、サントス・ニブラ、コロンビア・スプレモに匹敵する、年間28tの生豆焙煎量を誇る。この「モカ」については製造方法にもこだわりがある。
エチオピアは元来、伝統的に非水洗式を行ってきたが、最近は「酸味」や、すっきりした味わいが高額で輸出可能なため、製法を「水洗式(ウォッシュド)」に切り替えつつある。伝統を失いつつある生産国の1つなのだ。
※ 非水洗式:実のまま乾かして、後に種を取り出す方法。
※ 水洗式:先に種を取り出し、水に浸したのち、洗い流して乾燥させる。
近年の日本も同様で、モカのG1品質 (エチオピアの輸出規格で最高グレード) が良いとされ、水洗式も多く見かける。その中で、生産量の減った非水洗式の良品を「安定的」に手に入れることは、だんだん難しくなっている。
そこで、非水洗式のモカを安定的に仕入れたい私たちは、「香りの質」と「安定供給」に特化した、特殊な製造方法、題して「逆さ仕上げ」を用いている。
逆さ仕上げ - G3やG4をG1に整えて出荷 -
①:非水洗式のG3~G4サンプルを入荷。
②:サンプルから欠点豆を除去して試飲。
③:合格したG3~G4をそのまま入荷。
②:焙煎後、電子選別機(色を見る装置)を使用し欠点豆を除去。
③:出荷時は、商品としてG1レベルまで仕上がっている。
仕様
商品名:モカ ※ モカ・マタリはイエメン産
原産国:エチオピア
焙煎度:中煎り(ハイロースト)
精 法:非水洗式 (実をつけたまま乾かし、その後、種を取り出す)
特徴
ベリーのような、甘く果実感のある香りと軽やかな酸味。
ストレートでの需要も高いが、その特徴的な甘い果実感は、ブレンドの個性を生むための要素としては欠かせない。
果実感。これが、私たちがモカの非水洗式の豆にこだわっている理由。その中で、入荷ロットごとの味の変化を最小限にするために、様々な工夫や挑戦が必要となる。
そう、萩原珈琲のモカは、「逆さ仕上げ」なのだ。