敬老の日の贈り物。「また、でんわするね。むかしばなし、たのしみです。」
父が67歳になった。そろそろ敬老の日に孫に敬われる年なのかな?
大人になってから、ほとんどなくなった父との会話。顔は会わすのだけれど、話をすると喧嘩になることもしばしば。別に、嫌だとかそんなもんじゃなくて、うまく表現できない関係性がある。
なぁ、親父と普段話しとぉ?
いや、あんま話せえへんで。
やっぱそうやんなぁ…。
こんな他愛もない話を友人と交わし、みんな似てるのかなぁと思う。
生まれも育ちも同じ町で育った父と私。最近は、地域の仕事も多くなってきて、この町がどんな町だったのか、父がどこでどんな風に遊んでいたのか、思い出に残る場所があるのか、ちょっと気になる。
「聞いたらいいやん」っと言う突っ込みはさておき、やっぱり直接は思い出を聞き出しにくい。そこで、ある道具を作ることにした。「わたしのあゆみカード」。こども(孫)にカード入りの贈り物をしてもらい、会話の糸口をつかもう、という作戦。
贈られた父は、最初戸惑うかもしれない。
カードには、「人生で印象的だった思い出3選」と書かれている。ちゃんと書いてくれるかな?ちょっと不安。でも、こちらも先手を打ってある。カードのメモ欄に、孫からの手書きメッセージ。
おじいちゃん。いつも、あそんでくれてありがとう。また、でんわするね。むかしばなし、たのしみです。
ちょっと卑怯な手口だが、何となく、必死で思い出3つ探している父の姿が目に浮かぶ。そして頃合いを見て、こどもに電話をかけてもらう。「プルルルル。あっ、おじいちゃん、あのね…。」
この話は、フィクションです。
敬老の日の贈り物。
それは、親子に限らず、人それぞれの思い出ばなし、会話が生まれる。そんなきっかけになればいいなという、珈琲屋なりの贈り物です。
ぜひ、楽しんでくださいね。
※ 敬老の日に合わせた特別なコーヒーは用意していません。代わりに、町中の喫茶店やお得意様に「わたしのあゆみカード」を配布しています。近所の喫茶店に立ち寄って、お店で売っている珈琲やお菓子、雑貨などと一緒に、ぜひ、カードも同封して贈り物にしてください。
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