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ロサンゼルス・クレイジージャーニー①『 地獄のローカルバスの旅』


皆さんはあるだろうか、この現代社会に見知らぬ異国で1人地図もなくインターネットも使えない中で感じる孤独感を──

これはロサンゼルスのロングビーチで開催されるブラジリアン柔術の世界選手権に出場するために3泊4日のロサンゼルス旅に出発した人間の濃密な1日目の話である。

5/29 14時 ロサンゼルス国際空港到着。
予約した UberでSee Rock Innというモーテルへ。この Uberのドライバー、東京新宿歌舞伎町のYAKUZAに憧れているらしい。
これから起こる物事は彼と自分の不注意によるものだと理解しているがYAKUZA流に言うならENKO確定だ。

地獄は降車時から始まる。

目的地のSee Rock Innホテル(?)に到着。
荷物を下ろしてフロントに行くと名前が無いと言う。そんなわけねえだろ!と調べてもらったところなんとここから15マイルは離れた同名の違うホテルであったことが判明。

15マイルは離れた同名のホテル。
しかも結構治安の悪い地域。

慌ててさっきの Uberのドライバーを呼び戻そうとしたが既に走り去ってしまっていた。

「もう一度 Uberを取り直すしかない!」と考えスマホの Uberのアプリを開いたが「インターネットに接続されていません」の表示が!

電波を見るも回線接続不良のようでマップを開いても現在地がわからない。
Uberを呼べない、現在地がわからない、さらに充電残り50%の状態で異国の地に放り出されてしまったのである。

めちゃくちゃ冷や汗が吹き出したがなんとかするしかない。近くにいるホームレスやめちゃくちゃ体格の良いタトゥーだらけの兄ちゃんにビビりつつ近くのバス停にいたおばちゃんにロングビーチの行き方を片言英語で尋ねるも「わからない」と言われてしまう。
「地元民ならわかれよ...!」と日本語で悪態をつくレベルで追い込まれていた。

10分ほどバス停で待ってみてやってきたバスの運転手にこのバスはロングビーチまで行くか聞いてみた。
「行かないけど5マイル手前近くの停留所まではいく」とのこと。
もういくしかないと覚悟を決め、バスに乗った。

ロサンゼルスの路線バスは前払い制で$1.25。どこまで行ってもこの料金なので正直めちゃくちゃ安い。
バス内の治安は正直アレだがこの際そんなことは関係ない。どこで降りるかわからないのでバスの運転手が言ってたバス停を見逃さないよう極度の集中力を発揮して外の窓を注視していた。めちゃくちゃ運がいいことに運転手が降りるバス停を教えてくれ、5マイル手前のバス停に到着した。ありがとう運ちゃん。

「まあ5マイルだし5キロくらいだろ」
そう考えていた時期が俺にもありました。
俺はまだ1マイル=約1.6キロ、つまり5マイルは約8キロあることをこの時知らなかったのである。
ここから歩く決断をなぜかしてしまう俺。

『アイシールド21』に登場する苦行、"地獄の行軍"(デスマーチ)...ほどではないがスーツケースを引きずって8キロ以上歩くクレイジージャーニーがロサンゼルスで始まる──

②「地獄の行軍とケバブ」へ続く

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