はりこらむ◆死ぬ時の事を考える
~夢の実現自体より、それを目指して生きられる状態に感謝する~◆
最近一人暮らしの母親が倒れた事もあり、
人が死ぬ時の事をよく考えます。
別にネガディブな事でなくて、
私自身9年前にステージ3のガンになった事があり
(治療がうまくいき今は元気ですが)、
その時もいろいろと考えて、
それがその後の人生にプラスに働いています。
まあ人はいつか死ぬ訳で、
母親もだいぶ高齢ですし、
私自身もそこに近づいていく訳で、
よい意味でポジティブに準備をし始めるお年頃かと思います。
人生100年時代と言いますが、
健康寿命である100歳であればよいですが、
寝たきりや病院で管に繋がれて、
最後の10年、20年を生きるって
個人的にはよいイメージを持っていませんね。
そんな中で最近ある本を読みました。
『人はどう死ぬか』―久坂部羊著 です。
実際に多くの臨終を見届けたお医者様が書いた本で、
内容にリアリティがありとても勉強になりました。
死の種類、生物学的な死、法律的な死、手続き的な死についてですね。
また病院で死を迎えるにあたっての、
医療側が延命治療をすればするほど
死を前にした患者さんの苦痛は長引き、
それが本当に家族も含めよい事なのかという著者の葛藤も
よく理解できます。
ここらへんは死生観や法律も絡む話ですが、
ちゃんとした意識があるなら
本人の主体性に沿った最後がよいのではと個人的には思います。
そういった意味でも、この本に書いてあるように、
早い段階でその時の選択時にはどんなものがあるのか、
何を選ぶと残された人にどんな影響があるのか。
自分は最後どんな死に方になるのかなどを知見として
理解しておく事は重要かも知れません。
身近な人が高齢な場合や重篤な病気の場合も、
サポートする立場として必要かと思いました。
他にもこの本の中には、ピンピンコロリの実態や
(すごく元気な人はなかなか死ねないというパラドックス)、
病気別の死に方の良し悪し
(心臓系などの突然死の場合と、
ガンなどの準備期間がある場合の違い)、
安楽死、尊厳死についての現状についてなども書かれています。
ご興味のある方は是非読んでみてください。
個人的には、最後の方に書いてある
「求めない心」について共感しています。
事前期待を下げて、心の準備をする事で
できるだけ覚悟が出来る状態を作る事ですね。
死ぬ事だけでなく人生のいろんなリスクに対して、
知見も収集せず、準備もせず漠然とした
あまい期待を持っていて、いざそうなると
おろおろして正しい判断が出来なくなるより、
よい意味で最悪の事を想定して、
選択肢についてもよく考え準備して、
よい意味で事前期待値を下げておく。
そうする事で何か事態が起きても
自然体で対応できる自分を作っていけるのだと思います。
「歳を取っても夢を持って、まだまだ頑張って」みたいな事が
もてはやされる感じがありますが、
夢や目標を達成する事が重要なのではなく、
それを意識して毎日を充実して生きられる事、
そういう環境に感謝する心を
持てている事が重要なのだと思います。
これからも夢や目標に向かって
日々過ごせる事に感謝しつつ進んでいきたいですね。
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