ハゲ小説#10 輪廻のおわり 01
宇宙でも異色の星、地球。おれは、銀河共和国ハゲ評議会に属する他のマスター達に要請し、更にここ地球について調査をすすめていた。
人生設計を決める。自らそれを選んで生まれ、また死んでの繰り返し。しかも記憶を消されて生まれ堕ちる。という、他の星系に在る知的生命体とは全く異なる心の循環。目的を決めるという点では、全てと共通しているものがあるだろうが、これでは効率が悪すぎる。
「ハゲ議長。やはり一部は撤去されていますね」
「かつてのまやかしの牢獄、幽界なるものの装置か?」
「はい。これにより、通常の心たちが死後に行くアストラル界との行き来が可能になってます。迎えが来た後、また迎えが来るみたいな感じっスね!」
「マスター・パゲよ。引き続き細部まで調べ上げてくれ」
通常、一元宇宙にある全ての死んだ心、つまり魂はアストラル界という地球で言う天国のような場所へ向かう。しかし、地球人の場合は、過去の異星人による外的干渉により、それが不可視とされ、代わりに幽界という「まやかしの天国」が作られていた。
本来ならば、アストラル界へ向かうべき魂たちが、幽界と地球の狭間でグルグルと生と死を繰り返していたわけだ。そしてそれは生きていた頃の執着や現実の鎖により、抜け出せる方法にすら気づかぬよう巧妙に作られていた。
アストラルへ向かうこと。それは即ち、輪廻のおわりを意味する。解放は近い。次に転生する星や目的を今から考えるだけでワクワクするだろう。
もし、ここ地球に残るのならばそれも可能だが―――。
「ハゲ議長!もう帰ってもいいですか!!?地球のまわり、闇が多くてエネルギー消耗がハゲしいんで!」
「ダメだ!光の浸食が終わるまでの辛抱だ!後で、生ビールおごってやるから🍺 3杯な!3杯!!」
「マジっスか!?よっしゃ!頑張ります!!!」
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ハゲ小説#10 輪廻のおわり 01 完
愛ゆえに愛が愛に愛という光を・・。 あなたにいつも拈華微笑💖