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ハゲ小説#12 潜現からの顕現 01
変わらないものなどあるのだろうか。浮気がちなハゲも、そこのあなたも、見えない部分や意識下では、1秒前より確実に変化している。これはこの世界にいる以上避けられない事実。ついさっきまでトイレに興味なかったのに、あ!急に行きたくなっちゃった。とか、昨日まで炭酸ジュースが飲めなかったのに、今日は無性に飲みたくなる。とか、髪の毛がフサフサ・モサモサの人じゃないと付き合わないって決めてたのに、何だか最近、ハゲた男を見るとキュンキュンする。とか♥
変わらないならそれは退化であり、変わるのであれば進化だろう。上手くいかない事の繰り返しに見えても、恐れず変化し続けるならばそれは進化だ。もしも、加齢であそこがチン下しても大切なのは見えるものでなく、見えない本質。感覚や心を研ぎ澄ませば、それは真の進化であって、またその進化は常に見えないところから始まり、やがて顕在化する。
この度、マスター・ハゲはある決断をした。
以前のハゲ小説内で、あらゆる影響を考えて【消去はしない】としていた銀河共和国ハゲ評議会だが、気が変わった。
妙なウィルスを消すことにした。
「え!?議長!それは、影響が大きすぎるのではありませんか?闇を消せばどこかに作用します。この世界のバランスはどこまでも一定。光を無理に広げれば、必ずどこかに闇が広がりますよ!」
「テカよ。大丈夫、元通りに戻るだけだ。といっても、”良いものは残して”以前の状態に戻すので、そっくり元通りではないがな!」
ある世界に”無関心”が原因で発生したウィルスがある。そのウィルスはまだ完全には消えていないが、発生の原因を探っていく中で、それまで「協力」などしたこともなかった者同士が、強いネットワークで結ばれたり、新しい出会いや交流が始まったりした。互いに関心など全く示してもいなかったはずの”繋がっていなかった者同士が繋がった”といえるだろう。裏を返せば、ウィルスのお陰で。
ホロニクス、フラクタル・・・。それはこちらの世界にも現れた。
ケナーシ星人は、光を与えることを得意とする。ときに見誤って必要としていない者に光を放ち、闇にとられてしまうこともあるが、ご容赦を。
その光は、本当の意味で自由自在に操れる。「良くも悪くも」となるが。
「懸念されていた宇宙戦争に発展する可能性もありますが、よろしいのですか?議長??」
「心配ない。星を包むように”結界”をかける」
「顕現はいつ頃を目処に?」
「潜現ではもう動かした。後は、人々のイメージがそれを加速するだろう。ウィルスが増えればいいと思っている者より、無くなればいいと思っている者のほうが圧倒的に多いのは確か。どこまでその”無くなった後の世界”をイメージできるか?だな」
「決めたら早いですな。つい先日まで、議長から何か迷いか恐れのようなものを感じておりましたが?」
「・・・テカよ。7次元にいるお前には分からぬだろうが、👽と地球人の狭間で揺れることが多々ある。幽界が消えつつあり軽くなってはいても、この星の肉体の制限は思いのほか大きい。ときに【天我】という素敵✨なネーミングの代物にも気を取られたりもする。だが気づけばおそろしくシンプル。それに本来、”決める”のはおれの役割だろう?」
「確かに。全て存在はフラットですが、役割は違います。評議会においての議長の役割は”決める”こと。それさえ行えば、他は自然と動き出します」
「こちらの世界に呑まれて、ちょっとそれを忘れてたのだがなw」
何をするにも意識が先であり目に見える動作、つまり現象は後から。
~ればいいのに。~してほしい。では顕現しない。イメージは常に、はっきりと「結果」をイメージしなければならない。ウィルスが消えた後の世界。さらなる自由を取り戻した世界。多くの人のイメージがそれを成すだろう。
固定観念や既成概念を外せば、それは不思議なほど容易く実現する。
想像力、いや・・・強い”創造力”は世界を創造する。
この世界は、ひとりひとりのイメージが現象として顕れる。
願うはあなたの愛すべき人たちのために。
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ハゲ小説#12
潜現からの顕現 01 完
気が向いたら続く。
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