ハゲ小説#6 心のままに 06
全と個が似た形になるという、いわゆるホロニクス。
これは有機物のみでなく、無機物、さらに粒子にも反映されるだろう。
廻り続ける宇宙と個。宇宙の光と闇、個の光と闇。
一元(宇宙)の中の二元(光と闇)、そしてそこにある多元性の個。
個であるヒトの脳に記憶域があるように、宇宙にもまた「記憶の場」が存在する。美味しくなかった食べ物が美味しいと感じられるタイミングがくれば、それは過去の記憶の書き換えが行われたことになる。切れたイモリのしっぽや水晶体が再生するのもまた記憶の場があるからこそだ。
宇宙は愛と光に包まれている。そしてそれを無償で与え続ける。
そして、宇宙は自然であり、地球の中にもそこには自然が存在する。
地球ではそれが太陽であり、雨であり、風となり、また動植物となって。
この地球の中で、複雑になりすぎたがゆえに極まりきった個の愛を、今度はこちら側から宇宙へ還元できれば、辛かった記憶が幸せな記憶へ書き換えられるだろう。
「あら~、議長!ひょっとして、ケナーシ星では気づけないものに気づきましたか?」
「テカよ。これはここに来ないと気づけなかったな!」
「光を浸食するだけの我々は、あくまで自然の一部ですからね。議長が地球の個として、自らの環境を変えたことにより新たな気づきを得たということでしょうね!」
「で、この還元はどうすればよいのだ?」
「相変わらずドライですね~。地球人なら感動するとこですよ!まぁドライであるが故に評議会議長の役割ってわけですけど。あ、それについては、ご心配なく。記憶の場にリアルタイムで記憶されてます。これまでは薄かった宇宙の愛というものが、闇の影響により極まりきった深い地球の愛で浸食されていくでしょう。ホロニクスも自然に行われますから」
「それなら安心だ!良くなるということだな?」
「はい。地球時間で考えると満たされるのは、はるか先ですけどね」
「承知した!」
「あ!議長、その気づきですが、浸食を早めたければ物質としても広めてくださいね」
「極まった愛な、愛。だがおれは影響うける前にそっちへ戻るぞ」
「ええ。まだもう一つの一元もありますからね。ただ、もう一つだけで終わればよいのですが・・・」
「法則通り、12個宇宙があったりしてな!こちらの地球からもうひとつの一元にある地球への個の移動は確認されている。ところで、他の一元宇宙にもハゲがいるんじゃないか?」
「おお!ケナーシ人みたいなのがいると思うとワクワクしますね!!」
「なら、おれもここだけ光を与えてればいいのだがな!」
「まあ、いずれにしても全ては・・・」
心のままに!!
ハゲ小説#6 心のままに 01~06
完
愛ゆえに愛が愛に愛という光を・・。 あなたにいつも拈華微笑💖