趣味を兼ねているとは思われたくないじゃん
私の職場でも時短営業が始まっていた。
さすがに週明けより報道の影響もあってお客様は少なくなっていたが、今日は週末であるせいか私的には予想以上の来店があった。
エレベーター前に消毒用のハンドジェルが置いてあるのだが、なくなりかけていたようで年配の男性に声をかけられた。
「今補充のものをご用意致しますね」とお断りしてお待ちいただいた。
新しいものがスタッフより届けられ「どうぞこちらをお使いください」とご案内するとお客様が私に尋ねた。
「これを使うとコロナが死ぬの?」
緊急事態宣言ではまだ足りぬものを感じた。
本日休みだった嫁さんは嫁母のオーダーによりマスクを作っていた。
私が食事を終える頃、風呂が沸いたようで嫁母が風呂への入り支度を始めていた。昼間洗濯したものを手に取りながら…
「ブラジャーの形がマスクにちょうどいいらしいのよ」と言いながら口元にあててみせる。
…でも…それブラジャーやん…
「でもほら!ちょうどいいでしょ?デザインもかわいいし…ほら」
…だから…それブラジャーやん…
「大きさもほら…ちょうどいいでしょ?」
嫁さんは顔が少しだけ大きくてらっしゃる為、嫁母のブラジャーから作られたマスクは嫁母か私しかサイズが合わんのだ。
嫁母の使い倒したブラジャーを私がマスクとして使っている…私が変態であろうことはある程度職場でも認知されているが、見た目にブラジャーなマスクを私がしているとなると…女性スタッフは私に近寄らなくなってしまうのではないか?これはマズイよな…
ブラジャーがだめなら、最近履かなくなった自分の赤いビキニブリーフをマスクに転用して…見た目のインパクトがとてつももないうえに耳が痛いこともなさそうだが、真っ直ぐ通報されてしまいそうだからこれもダメだ。
我が家のマスクの在庫はまだカツカツにはなっていないが、顔をあわせる人たち全てに「いや、違うんですよ…これは…」と言い訳めいたことをせねばならなくなる前に、この騒動が終焉に向かって欲しいと切に願うんだな。