よく見ずに押すんじゃねぇ
行きの乗り換えにやたらゆとりがあったので前回にも寄った秋葉原の駅そば「新田毎」へ行ったのよ。
そばのトッピングは何にしよ?
とり天があるのか…よしそれだ。
券売機でとり天、とり天と…
玉子も入れたいな。えいっ…
カウンターの前のおばちゃんに券渡す。
「こちらは何にされますか?」
ああトッピングの券はいくつかのトッピング共用なのね。
「生玉子でお願いします。」
「別にしたほうがいいですよね?」とおばちゃん。
「いや、いいですよ。入れちゃってください。」
おばちゃんカウンター内のおっちゃんにオーダーを伝えているがなんか空気が変だ。
とり天そばに生玉子を載せる人はあまりおらんのか?
昼時ということもありおばちゃんは俺の後ろのお客様の食券を受け取りオーダーを伝えていく。「そば?うどん?」とか「温かいの?」「冷たいの?」みたいな言葉を聞きながらしばし出待ち。
おっちゃんが「スイマセン」と要望に添えないことを詫びるように俺にお盆を差し出した。
ん…これは見るからに「とり天丼」だな…
味噌汁、漬け物と小さな器に割られた生玉子が出て来た。
そりゃ変な空気にもなるわ。
この混雑チックな昼飯時に「ごめんなさい、間違えました」は絶対に言えない!俺は腹をくくった。
お盆を受け取り席に着くと、さっきのおばちゃんが俺の前を通り過ぎ様にチラッと見る。変わったオーダーが気になったのだろう。
俺は微塵も迷わず生玉子をかき混ぜると
とり天丼にかけた。“俺いつもこんな風に喰ってんねん”と…
とり天丼美味しかったよ、生玉子かけてもね。でも俺はそばを喰いにここに来たんだよ。
まあよい…「新田毎」は逃げない…
また来よう…
しまったな…せめて券売機の写真を撮っておけばよかった。自宅で練習せにゃならん。