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追いかけアクションシーンの描き方【漫画・アニメ】(レシピNo.9)


上の3枚の画像を見てください。1ページ目はリスが木の実を追いかけていくという漫画、「赤い木の実」です。派手なアクションではないですが、何かを追いかけながら飛んだり跳ねたりするといったことをしているので、ちゃんとアクションしていると思います。こういった「追いかけアクションシーン」をどうやって描くのかの説明が、2ページ目の画像です。3ページ目はその応用などのページです。

小学生にも簡単に分かるように、文章を読まなくても、絵を追って見ていただければ何となく分るように書きました。頑張って絵やレイアウトを工夫しました。

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補足を入れつつ、3ページの内容を下に全部説明します。まずは目次をご覧ください。



まずは舞台とシーンを説明します

下の絵の様に、階段のある住宅街が舞台です。ここに、リスが木の実を追って降りていくといういくつかのシーンがあります。

リスと木の実をカラーで塗ったところがそうです。右から左に見ていきます。木の実を取れなくて落としてしまう→階段を降りながら追いかけていく→跳ね返る木の実と格闘→カーブのある道をかけながら追いかけていく、というシーンです。


使う素材を説明します

下の絵を見てください。舞台とシーンから素材を取り出しました。「リスと木の実」や「木」や「階段」や「ブロック塀」や「道」です。色々な角度や遠近を使います。「リスと木の実」は色々な角度から描くと勢いが出ます。「階段」は立体感が難しいですが、段がついていて上下左右が分かればいいと思います。

下の絵を見てください。これらの素材に、目(鏡面)の素材を追加します。目(鏡面)はリスから見た他の素材です。色々な素材を鏡のようにリスの目に映していきます。


使う漫画技法を説明します

下の絵がこの漫画を描くために使った漫画技法です。下の説明の中に出てきますので、覚えておいて下さい。

「パズルつなぎ」は、コマの中の絵の要素を入れ替えて動きをつなぐことです。「鏡面(目)」は目に映る背景を効果的に使うことです。「カットバック」は2つの絵の流れを交互に組んでいくことです。


素材を組み合わせていきます

提示した素材を、これらの漫画技法を使って組み合わせていきます。シーンを考えながら、素材を組み合わせてどうみえるのか、ラフを描いていきます。


パズルつなぎとカットバックを使います

まず、素材をパズルつなぎという技法で、絵をつなぎながらコマを組んでいきます。下の①の図の様にです。コマの前後を同じ素材のパーツでつないでいきます。次に、下の②のコマ絵の様に、コマの間に目(鏡面)の素材を挟みます。別の視点の絵を挟むことをカットバックといいます。


鏡面とそのコツを使って描いていきます

そうしますと下の③の図の様にリンゴを見ているリスを誰かが見てるという関係になり、リスは見ているという内面のあるキャラクターになります。それを、漫画の一段づつに1コマづつ入れます。ここで重要なのは、目(鏡面)のコマの絵を、他のコマと同じようにパズルつなぎで前後がつながっている様に描くことです。下の④のコマ絵の様にです。

後は、パズルつなぎのコツを使います。シーンが進んでいって、新しい風景が追加されますが、その時、連続して使っている素材の木の実やリスを描くと、動きがつながり、移動していってることが分かりやすくなります。


冒頭解説とバリエーション

漫画の冒頭4コマで使っている素材の組み合わせの解説と、同じ冒頭を別の素材の組み合わせて描いてみた、バリエーションの解説です。

上の①の4コマは、漫画の冒頭のコマです。その下にどんな素材を使っているのか絵で表しました。1コマ目を見てください。ここにシーンの全体像を入れています。その後のコマを見てください。1コマ目の素材を後のコマに使っています。初めに状況が分かっています。そうしますと、分かりやすいです。その代わり、リスは手の部分だけ最初に出して、誰だろう?という感じにしています。

上の②の4コマを見てください。こちらは、バリエーションです。こちらは、初めの2コマでリスと木の実の話だと分かります。後の2コマで階段が追加され、進行方向が分かります。素材に角度がついて、リアルな感じで始まる冒頭になっています。

上の③の4コマを見てください。こちらは、2つ目のバリエーションです。2と3コマ目でリスが木の実を取ろうとして、失敗したことが分かります。目(鏡面)を使い、リスが目にしたものと示しています。だから、次のコマで駆け出したのだと推測できます。木の実を手にいれるという目的を強調しています。


まとめ、組み合わせで同じシーンでも色々な感じに見える

「冒頭解説とバリエーション」で示したように、同じシーンでも、色々な素材の組み合わせを使うことで、異なった漫画の様に表現できました。

それに加えて、どこをどんな風にリスが見たか、という目(鏡面)の素材が、特に異なって見せているのではと思います。

それはシーンの中のキャラクターが見ることで、何を考えているとか、思っているかとかを表すからだと思います。それは、どんなお話なのか、ということに関係ありそうです。


この記事はノートのマガジン、「サイレント漫画の作り方レシピ」の記事の1つです。1ページのサイレント漫画と、その漫画の描き方についての記事を書いて、まとめています↓


お役立ちリンクです。漫画技法「パズルつなぎ」を使った、作り方レシピはこちらです↓


漫画技法、「鏡面」を使った、作り方レシピはこちらです↓


漫画技法、「カットバック」を使った、作り方レシピはこちらです↓


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