コペンハーゲンの自宅
イギリスからデンマークに来て、かれこれ6年たちます。いま住んでいるコペンハーゲンの住まいは、ちょうど4年前の2020年に買いました。当然、住宅ローンを組んでですが。
イギリスで所有する小さいフラットはローンをすでに完済しているので、それを売ればデンマークでの住宅ローンを返済できそうなんですが、なんとなく、まだそうする気になれません。なので、イギリスのフラットは、地元の不動産会社を介して賃貸にだしています。
コペンハーゲンの自宅は、日本でいうところの2K(2部屋+小さいキッチン)で58平方メートル。5階建て10世帯からなる小規模集合住宅の4階に位置しています。1960年代に建てられたもので古くはありますが(欧州の感覚では大して古くない)、サイズ的には私にとっては調度よく、職場にも近く、とても気に入っています。
コロナ禍の真っただ中に自宅を購入
イギリスからデンマークに引っ越した最初の2年間は賃貸に住んでいましたが、首都コペンハーゲンの家賃の高さを考えると、買ったほうが良いという結論に至りました。
2020年の年明けから物件を探し始め、2月末に物件を決めて購入を申し込みました。何度かのやり取りの後、3月初めに売り手が契約内容に同意した直後に、デンマークは新型コロナウイルスのためにロックダウンに突入。
早めに行動に移しておいてよかったわー。何ごとも思い立ったが吉日です。
契約の書類手続きは全部メールでやり取りし、5月の初めに鍵の受け渡しを無事終了。
でも、それまで住んでいた賃貸のフラットは、6月末まで借りていました。新居は家具無しで空っぽだったからです。自分の荷物は自転車で往復して自力で移動させ、あとは家具をイケアに注文して配達を待つ日々でした。
自宅紹介ルーム・ツアー
久しぶりにミニマリストぶりをドヤってみる
私が独自のブログを始めた際は、「英国ミニマルライフ」というブログ名でやってました。時事ネタの記事が多くて、あんまりミニマリズムについては書いてませんでしたが。
イギリスでもかなり物の少ない生活でしたが、当時は試行錯誤も多く、道楽半分でミニマリズムを楽しんでいたふしもあります。
今の住まいは、イギリスのフラット(ミレニアム以降に建築された物件)よりもかなり古いのですが、正直なところ、今の住まいの方が好きかも知れません。必要なものはすべてある一方、不要なものは一切ない、つつましいながらも快適な暮らしです。
下の写真は、これまた激セマのキッチンです。共同ランドリールームが1階にあるのですが、自分専用の洗濯機が欲しかったので、流し台左下の引き出しを1段目だけ残してすべて撤去し、小型の洗濯機を購入・設置しました。
激セマの台所ではあるものの、実はけっこう気に入っています。なので、食事は大抵ここでとっています。リビングはリビングとして使いたい、というのと、食べる場所は一カ所に決めておきたい、という理由です。写真の一番手前左側が「食卓」スペースです。写真に写っていませんが、食卓スペース正面の壁には10インチのタブレットがスタンドに立てて置いてあります。
自宅にこだわるわけ
デンマークやデンマーク人に対しては、事あるごとに批判的な私ですが、自宅についていうと、今の住まいが一番好きかもしれません。ただし、一般的な事を言うと、コペンハーゲンの住宅事情は悪いです。以前にも書きましたが、絶対数が足りていないし、古いし、質も悪いことが多いです。
デンマークに来てからに限らず、自宅を自分の「城」にするために、いろんな面でこだわり、時間もかけました。もし日本に住んでいたら、自宅を購入したかどうかは疑問ですが(日本の不動産事情は、欧州とはかなり異なります)。
私が自宅にこだわるのは、自分の居場所、もっと言うと、「自分だけの場所」をとても大事に思っているからです。
私は一戸建ての家で育ちましたが、両親と私たち3人姉妹だけでなく、母方の祖父と叔母がうちの家族と同居していました。いろんな意味で窮屈で、いろいろと複雑でもあり、一人になれる場所をつくるのが難しい状況でした。私はもともと一人が好きなほうなので、その状況が余計に苦痛でした。
30才を越してから学生としてイギリスに来た後も、しばらくは金銭的余裕がないせいもあり、かなり妥協を強いられた時期もあります。それを思うと、今こうして自分の居場所を持てていることが本当にありがたいです。
ただ、年齢を重ねるにつれ、ひとりだと不便だな、と思うことが増えてきました。(その一方で、ひとりで良かったと思うこともありますが。)
先のことはわかりませんが、今あることに感謝して生活していけたらいいなと思います。