葉隠(はがくれ)

1960年代生まれの研究者です。 シンガポールに3年、イギリスに19年住んで、今はデンマークで生活してます。

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自己紹介

ヨーロッパでの独身シンプルライフ、国際ニュース、外から見た日本観などについて書いています。 イギリスからデンマークへ移る前の古い記事(2016年から2018年の期間に、独自のブログ「英国ミニマルライフ」で書いたもの)は、こちらの別ノートにまとめています。ご一読いただければ幸いです。

    • デンマークの年金受給年齢は69歳

      日本でいろいろ物議をかもしている年金制度ですが、超高齢化社会の日本において、年金の受給開始年齢が65歳って早くないですか? それどころか、いまだに定年退職を60歳に設定している企業も多いと聞いて驚きです。 デンマークに限らず、多くの欧米先進諸国では、職場における定年退職年齢 (mandatory retirement)は、すでに撤廃されており、年齢を理由に退職を強要するのは違法とされています。 ただし、デンマークであっても、実際には60代後半になると自発的にリタイヤする

      • 欧州の株式投資事情:結局は日本でインデックス投資してるのが無難

        日本では、なんだか株式市場がにぎわっているようですね。 下落なんですか?でも、これまで円安の影響で調子よかったんですよね?  株価って、上がったり下がったりするものだと思うんですが、だとしたら、普通のことが普通におこっている、ってことじゃないんでしょうか。 日本で投資が流行りだして、日本の株式市場が調子よかった年初あたりに、「投資で儲けてFIREして、北欧に移住したい」と書いている人をSNS上で見かけましたが、あ、この人、海外の状況をまったく理解していないな、と思いました

        • イギリス総選挙 2024:民主主義の勝利

          イギリスの総選挙が7月4日に行われ、一夜明けた本日、結果が確定しました。すでに日本でも報道されている通り、労働党の圧勝です。 ちなみに私は日本にいた頃から、地方選挙、総選挙とも欠かさず投票しています。当然、日本国籍を離脱する前は日本の選挙で、それ以降はイギリスの選挙です。 海外在住でも投票できます今回のイギリス総選挙は、先週、デンマークから郵送で投票しました。 事前にオンラインで登録しておくと、投票用紙が海外(私の場合は、デンマーク)の自宅にエアメイルで郵送されてきます。

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          節操のないデンマークの卒業式

          6月のデンマークは素晴らしく美しい季節ですが、個人的には憂鬱なこともあります。それは何かというと、学校の卒業式、特に高校の。 私は大学で教えているので、高校は関係ないやん?と言われればその通りです。が、6月の最後の週にデンマークにいたら、高校卒業を祝うイベントのせいで、かなりの騒音に耐えなければなりません。 6月末、デンマークでは、白い学生帽をかぶった10 代の若者たちをあちこちで見かけます。高校を卒業したての子たちです。彼らの精神年齢を鑑みると、あえて「子たち」と言いた

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          ガン検診の実施状況:海外と日本

          またこのトピック?いつまで続くのよ、と言われそうですが、別にこのアカウントは、「北欧ではー」という記事を書くためだけのものではないですし、そもそも海外生活も30年近くになり、それも4つ目の居住国(日本を含む)ともなると、普通に日常生活中心の話になるのですよ。 まぁ、海外生活における新鮮味がなくなってくるというのも、ちょっと考えものですが。 それはさておき、最近、日本語の YouTube で「健康診断の弊害」を主張する人をちらほら見かけました。中には、「がん検診も無駄」と、

          ガン検診の実施状況:海外と日本

          2024年度版 ジェンダー・ギャップ指数:日本の順位が示唆すること

          例年通り、世界経済フォーラム(WEF)による「ジェンダー・ギャップ指数」が発表されました。毎度のことながら、日本は先進国とは思えないほどの下位にランキングされています。 そして、「日本は男女平等が遅れている」という至極まっとうな懸念と同時に、「ランキングなんてアテにならん。何をもって『平等』というのか、欧米主流の偏った統計のやり方だ!」という必死の言い訳も、いつも通り湧いて出てくるんだと思います。 何をもって「平等」とするかは、主観や状況・条件による、というのは確かにそう

          2024年度版 ジェンダー・ギャップ指数:日本の順位が示唆すること

          デンマークでガン検診を受けた: (3)大腸カメラ検査

          冒頭のサムネ写真をみて、腸管洗浄剤だとすぐに分かった方は、デンマークで大腸カメラ検査をした人ですね。 そんな日本人がどのくらい存在するか知りませんが。 前回に書いたとおり、幸いにもCT検査では大きな問題は見られませんでしたが、ファスト・トラック検査はそれだけでは終わりません。 まずは専門医との面談総合病院で面談にあたった専門医は、GPに続いてこれまた女医さんでした。(便宜上、女医2としておきます。) 女医2:「とくに問題は見当たらないけど、便秘症ですか?画像によると、 

          デンマークでガン検診を受けた: (3)大腸カメラ検査

          デンマークでガン検診を受けた: (2)造影CT検査

          日本で人間ドックや健康診断で「要精密検査」と言われたら、たぶん次に来るのはCT検査だと思います。それはデンマークでも同様です。私の場合は、血液検査(腫瘍マーカー)と造影剤を使ったCT検査を同じ日にしました。 まずは腫瘍マーカー検査腫瘍マーカーについては、がんの早期発見には不向きだとも言われています。本来は、すでに癌の治療を受けている患者の予後を見るためのものだからです。健康な人の場合、実際にはとくに異常がなくてもマーカーが高値になったり、あるいは逆に、問題があるのに数値にあ

          デンマークでガン検診を受けた: (2)造影CT検査

          デンマークでガン検診を受けた: (1)突然のファスト・トラック検査

          海外で現地組織にお勤めのかたはご存じでしょうが、海外では、職場での定期健康診断は義務化されていないことが多く、自分の健康は自己管理せよ、というスタンスが多いです。軽い気持ちで海外移住にあこがれている人に対して、これは特に注意を喚起しておきたい点です。 日本ほど職場での健康診断が充実している国は、他にないんじゃないでしょうか。 自分は健康だし体も丈夫だから平気、とタカをくくってはいけません。私もそうでした。ですが、人は老います。若く見えようが、体形を維持していようが、病気や

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          コペンハーゲンの自宅

          イギリスからデンマークに来て、かれこれ6年たちます。いま住んでいるコペンハーゲンの住まいは、ちょうど4年前の2020年に買いました。当然、住宅ローンを組んでですが。 イギリスで所有する小さいフラットはローンをすでに完済しているので、それを売ればデンマークでの住宅ローンを返済できそうなんですが、なんとなく、まだそうする気になれません。なので、イギリスのフラットは、地元の不動産会社を介して賃貸にだしています。 コペンハーゲンの自宅は、日本でいうところの2K(2部屋+小さいキッ

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          実は職場でのハラスメントが多いらしい北欧

          ハッピーな国のイメージが強い北欧ですが、職場でハラスメントや暴力の被害をうけたことのある人の割合において、北欧5カ国すべてが、世界順位でワースト10位内に入っています。 これは、イギリスの慈善団体であるロイド・レジスター財団 (Lloyd’s Register Foundation) が定期的に発表している世界リスク調査によります。 ハラスメント調査で上位を占める北欧2021年度のリスク・ランキングは以下の通りです。カッコ内は「何らかのハラスメントを職場で受けた経験がある

          実は職場でのハラスメントが多いらしい北欧

          イギリスに里帰りしてました

          先週末、4日間だけイギリスに帰省していました。本来の意味での「帰省」ではないですが。 今回のイギリス訪問は、学会に出席するのが目的であり、イギリスの自宅に立ち寄ることもなく、プライベートで誰かを訪問するわけでもなかったので、いつもの学会がたまたまイギリスであって、それに出席してきただけ、ってことです。 学会は、とあるイギリス地方都市で開催されました。ただ、そこの空港に到着した時に最初に感じたのは、 嬉しい。。。わけもなく嬉しい。 べつに取り立てて良い出来事があったわけで

          イギリスに里帰りしてました

          デンマークにおけるフレキシキュリティ政策の功罪

          実は昨年の秋に、私が勤務している大学でリストラがありました。 職員(事務の人)だけでなく教員(講師や教授とか)も対象にして、かなりの額の人件費を削減する、けっこう大規模なものでした。 結論から言うと、私はなんとか生き残ったのですが、そのリストラの経緯たるや、なんというかデンマークの実態を垣間見たというか、あぁこれがいわゆるデンマークの「フレキシキュリティ」というやつか、と思いました。 フレキシキュリティとはフレキシキュリティ(Flexicurity)というのは、1990年

          デンマークにおけるフレキシキュリティ政策の功罪

          いくら親しい相手でも、お金を預けてはいけない

          大リーグの大谷選手が巻き添えをくったとされる最近のニュースで、自分が経験したことを思い出したので書いておきます。(大谷選手と彼の通訳であった水谷氏については、今後どういう展開になるかわからないので、ここでは特にとりあげません) 私には姉が二人いるのですが、子供の頃は、圧倒的に下の姉と仲が良かったです。まぁ年齢が近かった(2つ違い)というのもあるし、下の姉は人当りもよく、誰にでも合わせられる人です。つまりは私と真逆で、誰にでも好かれるタイプです。どんな話でもうんうんと聞いてく

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          年上の友人、ローズマリー

          私はデンマークで友達は殆どいないのですが、その数少ない交流関係の中でかろうじて友人と呼べる人のひとりにローズマリーという人がいます。このローズマリーはイギリス人で、年齢は 80代半ばです。 コペンハーゲンにある英国教会で知り合ったのですが、この人、それはそれは元気です。彼女は教会の世話やいろんな役割なんかも精力的にこなしていて、80代とは思えないエネルギーです。 元気なシニアを絵にかいたような人ローズマリーは身長が170cm以上あり、イギリス人女性にしてはかなり背が高く、

          年上の友人、ローズマリー