イギリスに里帰りしてました
先週末、4日間だけイギリスに帰省していました。本来の意味での「帰省」ではないですが。
今回のイギリス訪問は、学会に出席するのが目的であり、イギリスの自宅に立ち寄ることもなく、プライベートで誰かを訪問するわけでもなかったので、いつもの学会がたまたまイギリスであって、それに出席してきただけ、ってことです。
学会は、とあるイギリス地方都市で開催されました。ただ、そこの空港に到着した時に最初に感じたのは、
嬉しい。。。わけもなく嬉しい。
べつに取り立てて良い出来事があったわけではなく、そもそも、その地域を訪れるのは私にとっては初めてなので、何か思い出があるわけでもないです。
でも、空港や駅の案内表示は全部英語だし(当たり前といえば当たり前ですが)、道行く人の雑談もみんな英語で喋っているし、もうそれだけでホッとします。
私がいま住むデンマークでは、首都コペンハーゲンで生活するぶんには、ほとんど英語で事足りますが、目にしたり耳に入ってくるデンマークの単語を充分に理解できない、というのは、もうそれだけでストレスになります。
まぁ、それは私がデンマーク語を理解できるようになれば解決する問題なんですが。
国の「善し悪し」って、主観でしかない
久しぶりのイギリスとはいえ、もちろん良い点ばかりではないです。
コペンハーゲンに比べると、街はなんとなく薄汚いし、イギリスの都市圏の御多分にもれずホームレスも多いし、道行く一般のイギリス人の服装も、安定したセンスの無さです。
空港などの公共施設内でさえインターネットのつながりが悪いなど、イギリスのインフラの不安定っぷりは相変わらずです。道をたずねたら尋ねたで、当然、親切な人もいれば無愛想な人もいます。
あと、デンマークと比べると、イギリスは非白人の割合が圧倒的に高いです。日本や北欧から来た人は、ちょっと面食らうんではないでしょうか。
ですが、そういうのも全部ひっくるめてイギリスらしいと感じ、愛おしくさえあります。結局のところ、どの国が好きとかは、主観でしかありません。
ある意味、恋愛や夫婦関係と同じで、「欠点もあるけど、それはそれとして受け入れられるかどうか」につきます。
なので、どの国がいいとか悪いかとか、比べること自体あまり意味がないような気もします。街の清潔さとか、安全面を言い出したらデンマークのほうが断然いいんですが、それでも私が北欧礼賛者になれないのは、結局は好みの問題だろうと思います。
いま住むデンマークを人に例えると、デンマークって、「上っ面はいいけど、どこか軽薄で考えが浅い温室育ちの好青年」、という感じです。
一方、私にとってのイギリスは、「帰省する場所、本拠地、home」です。
なので、今のイギリスは政治も経済もパッとしないし、社会問題も山積していますが、いつも気になるし、いろんな面で改善してほしいと切に願う場所でもあります。
イギリスらしさは健在である、と思う
私は、ここ6年間ほどはイギリスに住んでいないので、美化している部分もあるかもしれません。
もしまたイギリスで生活することになったら、うわぁイギリスって洒落にならんわーと感じることも多いんではないかと思います。(というか、間違いなくある)
実際、イギリスからデンマークに帰るときの空港の混雑とか、フライト遅延の対応の悪さとか、イギリスへの郷愁を払拭するに足る、なかなかの chaotic ぶりでした。
でも、なんか雑だし不備な面も多々あるけれど、いろんな面で異なる個人が、皆それぞれ一生懸命生きていて、その不器用なまでの努力の集合体がイギリスらしさであると思っています。主観ですが。
かたやデンマーク人は、過保護にされすぎていて、守られ、恵まれ、安定していることが当然と思っている感じがします。
再度言いますが、主観です。
だけど今は戻りたくない
学会の休憩時間に、昔の同僚や知人の研究者から、「イギリスに戻って来たい?」という質問を何度か受けました。
これは返答が難しい質問です。そもそも、この地域(欧州)においては、私は天涯孤独の身の上なので、職にありつけなければ生活が成り立ちません。イギリスに帰りたいから帰る、という単純な話ではありません。
じゃ、いい仕事があったら帰りたいか、というと、それはそれで難しいです。今のイギリスに帰りたいか、というと、うーん、どうかなぁ。
正直なところ、それはないわぁ…。(ないんかい)
少なくとも今ではない、という気がします。なんだかんだ言いつつ、デンマーク(というか、首都コペンハーゲン)は、居心地がいい場所です。生活するのに充分な収入があれば、ですが。
さしあたってはデンマークにいたいと思うので、そうである以上、もう少し前向きな姿勢で、「デンマークの良いところ」探しをすべきなんでしょう。
主観的な視点を変えることから始めてみようと思います。(できるかな?)
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