あの日の後悔、明日への希望
こんなにも会えないのなら、あのときのあの時間を、もっと楽しんでおけばよかった。
ドタキャンした飲み会、ちょっと無理してでも行けばよかった。
うるさいなー、バラエティ嫌いなんだよねってスカしてチャンネル変えたバカ殿、素直に笑って見とけばよかった。
あのとき、酔いつぶれて寝たりしなきゃよかった。顔を合わせて他愛無い話に花咲かせるあの時間を、もっと大事にすればよかった。
月に一度しか開かない店、今月でも行けるけど来月でいいやって行かなかったのに、来月も再来月もやってこないじゃないか。
あそこのパフェ、いつか食べたてみたいんだよねー!って言ってたけど、先の見えないほど遠い「いつか」を想定してたわけじゃなかった。
去年行くつもりだったけどめんどくさくなって行かなかったイベント、中止になるならやっぱり去年行っとけばよかった。
すれ違って会えなかった旧友、あのとき追いかけてでも会っておけばよかった。
あのとき面と向かって言えなかった言葉、同じ空気を吸ってたあのとき、ちゃんと声に出して言えばよかった。
後悔ばかりだ。
ずっと、そこにあると思っていた。
いつでもいいと思っていた。
永遠なんて存在しないと分かっていながら、結局口だけだった己の未熟さを思い知った。
なにが「いつ死んでも悔いのないように生きる」だ。
なにが「時間は有限だから好きなことをする」だ。
後悔ばかりだ。
今を生きることへの希望
願わくば、状況が落ち着いたあとには、どうかすこしでも、人が人に優しい世界になっていますように。
自分の利益だけを求め他人をぞんざいに扱っていた人の心に、人に助けられることへの感謝の光が灯りますように。
くだらない過去を反芻し心を痛めていた人が、命ある未来への希望を見出しますように。
大切な人と同じ空気を吸えることのありがたみに、心が震えますように。
またいつ破綻するか分からないこの世界を、その瞬間を、いとおしむあたたかさを知れますように。
何気ない別れが最後になるかもしれないこと、どうか肌で感じられるようになりますように。
願わくば、またみんなで会いたい。
今はまだ、願うことしかできないけれど。