なぜ「心の安全基地づくり」がしたいのか?
Safe Spaceほっこり
昨日は私が主宰している「心の安全基地づくり」の会、Safe Space
ほっこりのイベントの日でした。
去年の10月から始めたこの会。イベントをするのは昨日で4回目でした。毎月第2土曜日の5pm-7pmに、京都市内の一乗寺の珈琲焙煎処桃栗さんでイベントをさせていただいています。
今回はSONOさんというウクレレを弾くシンガーソングライターさんのミニライブもありました。歌声も歌詞もとても素敵でした。みなさんライブも喜んでくださいました。
今回はフランス人の方が2名参加して下さって、フランス語が堪能な日本人の方も参加して下さって、フランス語が飛び交うインターナショナルな雰囲気に。「ここほんまに一乗寺?」と思ってしまうほどでした。
その他にも絵を描かれる方や、私の友達など計13名が参加してくださいました。桃栗さんの椅子が足りなくなるほどの大盛況でした。
私のクリニックの友達も2名参加してくださいました。私はそれがとても嬉しいのです。私を含めて、心の病気を抱えている人は、なんらかの生きづらさを抱えています。
心の病気でなくても生きづらさを抱えている人はいるでしょう。そんな人たちが、共に語りあい、共に笑い合う時間を過ごすことができれば、抱えていた生きづらさも少しは軽くなると思うのです。
そんな場にSafe Spaceほっこりがなれればとても嬉しいです。
次回は2月10日(土)5pm-7pmに桃栗さんで、Safe Spaceほっこりのイベントをします。2月の会では、コーラスをやっている友達が、スカボロー・フェアの歌をみんなに教えてくれてみんなで合唱する予定。クリニックの友達がギターで伴奏してくれます。これはもう、絶対に楽しくなるでしょう!今からとても楽しみです。
会を長く続けていくためには、私自身がとにかく楽しんでやることがとても大切だと思っています。
なぜ心の安全基地をつくりたいのか?
私はブログで度々「心の安全基地」のことを書いています。読んで下さった方は「なぜ心の安全基地をつくりたいの?」と思われたかもしれません。
それは、私の生育歴や統合失調症という病気を発症したことに関係しています。
私は生まれてすぐに生母が育児ノイローゼになって精神科に入院したため、親せきの家に転々と預けられて育ちました。退院した母も頑張って私を育ててくれましたが、私が10歳の時に父と生母の両方の不倫が原因で離婚しました。
それから父方の伯母と祖父母の家に預けられたりと、とても不安定な幼少期思春期を過ごしました。
僧侶である元夫と結婚して、私の宝物である二人の息子達を授かりましたが、同居していた姑のことではずいぶん悩みました。
自分の居場所が欲しかった私は、自宅で児童英会話教室を始めました。ありがたいことに多い時で33名もの生徒さんが来てくださったのですが、お寺の仕事、家事、そしてまだ幼かった息子たちの世話に加えて授業の準備をしたりというのは、かなりハードでした。睡眠時間を削って、なんとか時間のやりくりをしていました。
睡眠不足と過労、それに実家の問題での悩みが重なって、その負荷に耐え切れずに、私は病気を発症してしまいました。心が壊れてしまいました。
「そうなる前に、休憩していれば」
「そうなる前に、誰かに悩み事を相談していれば」
「そうなる前に、誰かと笑い合える場があれば」
きっと私は病気を発症せずにすみました。当時の私には心の安全基地がなかったのです。
そんな経験から、心の安全基地の必要性を痛感しているのです。
また岡田尊司さんの「愛着障害」の本の中にも、愛着障害を克服するためには、
①心の安全基地を持つ
②語り尽くす・書き尽くす
③社会的役割を持つ
と、心の安全基地を持つことの大切さが挙げられています。
心の安全基地で人と人がつながれば…
昨日のSafe Spaceほっこりのイベントでは、フランス人の方に、フランスが堪能な日本人の方が、「家でラタトゥユを作ってほしい」とお願いされて、日程を決めておられました。
また素敵な絵を描く日本人の男性の方は、今度やるグループ展の宣伝をされていました。
そんな風に化学変化というか、この会で人と人が出会い語り合う時間を持つことで、Win-Winな関係がどんどん広がっていけば、とても嬉しいです。とてもやりがいを感じます。
心の病があるから「終わり」なのではない
私は先に述べたように34歳の時にこの病気を発症しました。仕事、家庭etc大切なものをたくさんなくしました。辛さと淋しさから「死にたい」と思って実際に自殺未遂をしたこともあります。
でも、今は生きていてよかったと心から思っています。たくさんの素敵な方とのご縁もいただいているし、やりがいを感じられる仕事にも就くこともできたし、そしてSafe Space誇りの活動も楽しんでやっています。
かつて、真っ暗なトンネルの中を歩いていた私です。闇の中にいた私です。心細かったし、不安でたまりませんでした。でもその当時の私に、今の私から伝えたいです。
「大丈夫。いつか真っ暗なトンネルを抜けられる時が来る」
「だから、前に向かって歩いて」
「あきらめないで!」
と。
このブログを読んで下さっている方の中で、ご自身があるいはご家族や大切なお友達が、今まさに真っ暗なトンネルの中を歩いているような状態の方がおられるかもしれません。「死にたい」と思っている人もおられるかもしれません。
でも、信じてください。必ず抜け出せる日は来ます。大丈夫。必ず来ます。だから歩みを止めないでください。
私の紡ぐ言葉が、そんな方達の心を少しでも灯すものになり得たらとても嬉しいです。
「心の安全基地づくり」。それは私のライフワークの一つです。たくさんの素敵な方達との出逢いがこんな風に私を変えてくれました。
その出逢いに感謝しながら、「心の安全基地づくり」をこれからも顔晴っていきます。
最後まで読んで下さって、ありがとうございました。