見出し画像

#8.都市計画の線引き見直しって?

神奈川県からこんなお知らせがあり、何かするのね、ふーん、と思って気にしない方や、具体に何をするの?どんな方向で計画が変更されるの?と気になった方もいるかと思います。

神奈川県からのお知らせ
神奈川県からのお知らせ

何となく気になるけどよく分からない、といった方向けに説明できるように記事を書いてみたいと思います。
※想像や個人の見解を含むため、間違い等ありましたらご教示ください。


1.都市計画って?

都市計画は、都市の長期的なビジョン(マスタープラン)を示すとともに、土地利用、都市施設、市街地開発事業等に関する計画などを定めます。

神奈川県HP「かながわの都市計画」より抜粋

とあり、市のどこに人を集めるか、どのように施設を配置するか、どこで市街地開発事業を実施するかといったことを定めるものであるため、まちづくりを考えるうえで重要な要素なのだと感じます。

2.都市計画の線引き見直しって?

線引きは、おおむね10年後の将来人口予測のもと、都市計画区域について「都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(以下「整開保」という。)」などを都市計画に定めるとともに、無秩序な市街化を防止するため、都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に区分する(以下「区域区分」という。)もので、都市計画の根幹をなすものです。
 これらの都市計画を見直すことを「線引き見直し」といい、神奈川県ではおおむね5年ごとに県内一斉で、この「線引き見直し」を行っています。
 また、整開保や区域区分等の見直しに向け、社会経済情勢の変化を踏まえるとともに、学識経験者や市町の意見を聞いた上で、県の基本的な考え方やその基準及び見直しの目標年次における県の推計人口などを「基本的基準」として、線引き見直し毎に定めています。

神奈川県HP「線引き見直しについて」より

10年後(2035年頃?)の神奈川県の推計人口を基に市街化区域と市街化調整区域の区分を見直すことなのかな、となんとなく分かりました。
線引き見直しでは具体にどんなことが見直されるのでしょう?

1.都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(整開保)
2.区域区分
3.都市再開発の方針
4.住宅市街地の開発整備の方針
5.防災街区整備方針

神奈川県HP「線引き見直しで決定(変更)する都市計画について」より抜粋

5つの項目が主に線引き見直しで決定(変更)されるもので、秦野市においては、防災街区整備方針以外の以下の4つについての都市計画が定められており、これらについて見直しが行われるようです。
1. 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(整開保)
2. 区域区分
3. 都市再開発の方針
4. 住宅市街地の開発整備の方針

「神奈川県からのお知らせ」より抜粋

3.秦野市における都市計画

ここからは第7回線引き見直し時の都市計画について、公表されている図等を示していきます。
※当時どのような考え方で方針が定められたのか気になる方は、神奈川県HP「線引き見直しについて」に添付されているPDFをご覧ください。
以下に示す画像は上記ページに添付されているPDFより抜粋しています。

〇都市計画区域の整備、開発及び保全の方針

この図では主に、市のどこをどのように整備していくかについての方針を定めるもののようです。

秦野都市計画区域の整備、開発及び保全の方針附図

前回時点では、秦野市戸川土地区画整理事業秦野中井インターチェンジ南土地区画整理事業が反映されていないので、その辺りが市街化区域に編入されるのかな?
またこの方針の中には主要な施設の整備目標というのも記載されており、ここがどう見直されるのかも気になるところです。

秦野市都市計画区域の整備、開発及び保全の方針

〇区域区分

区域区分の区域、目標年次、人口フレームを定めるもののようです。

秦野都市計画区域区分の変更(神奈川県決定)

区域区分は「都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」が変更されるのであれば、それに合わせて人口フレームについても更新されるものかと思います。
人口減少の傾向は変わらないものかと思いますので、都市計画区域内人口や市街化区域内人口は減るものと予想されます。

〇都市再開発の方針

秦野都市計画 都市再開発の方針附図
別表 (一号市街地の目標及び方針)
別表 (一号市街地の目標及び方針)

既成市街地のうち、土地の合理的な高度利用の促進、都市の防災性の向上、良好な市街地環境の 形成、都市環境の向上、用途転換等を図るべき課題のある市街地を、計画的な再開発が必要な市街地(一号市街地)として定め、土地区画整理事業、街路事業等による都市基盤整備及び地区計画等による規制・誘導を進める。

神奈川県HP 秦野市「都市再開発の方針」より抜粋

前回時点において秦野市では、秦野駅北口周辺地区、松原町地区、鶴巻温泉駅南口地区の3地区が都市再開発が必要な地区として挙げられていました。
鶴巻温泉駅南口周辺土地区画整理事業は平成29年に完了しているようなので、今回は都市再開発の方針から削除されるのではないかと予想します。
松原町地区は具体の動きがあるようにも思えませんが、都市計画に一号市街地として定められていたのですね…。

〇住宅市街地の開発整備の方針

住宅市街地の開発整備の目標、良好な住宅市街地の整備又は開発の方針について定められるもののようです。

(1) 住宅市街地の開発整備の目標
 自然環境と調和した良好な住宅地の形成を図る。 このため、自然環境との調和はもとより、道路、下水道等の公共施設整備との整合のとれた 住宅及び住宅地の計画的供給を促進するとともに、土地区画整理事業等の面的整備事業、老朽公 的住宅団地の建て替え事業、地区計画制度等の積極的な活用を図る。 また、一般勤労者が適正な価格で取得できるよう支援措置の充実を図るとともに、高齢者・ 障害者等が安心して住み続けられるよう適切な支援を行う。 さらに、良好な住環境の形成や維持・保全を図るため、地域住民の主体的な活動の支援を推進する。

(2) 良好な住宅市街地の整備又は開発の方針
 住宅市街地の開発整備の目標を達成するため、土地区画整理事業等により道路、下水道、公園、緑地等生活基盤整備を推進するとともに、地区計画等を有効に活用するなど総合的、計画的 に住環境の改善・保全を図る。 特に、基盤整備が未整備のままスプロールが進行している地域においては、土地区画整理事 業等を推進していく。

神奈川県HP「秦野都市計画住宅市街地の開発整備の方針」より抜粋
秦野都市計画 住宅市街地の開発整備の方針附図
重点地区の整備又は開発の計画の概要

秦野駅南部(今泉)地区においては現在も土地区画整理事業が行われているため、ここから削除されることはないでしょう。
今年になって戸川土地区画整理事業が認可されため、こちらを反映させるものになると予想します。

4.おわりに

素案の閲覧及び公聴会口述申出の時期について、「土曜日、日曜日及び祝日は閲覧(申出)できません」とあります。

平日に仕事をしている人はほとんど見る機会もないとは、いかがなものかなーと思います。オンラインで見れるようにすればそれで済んでしまいそうですが…。

市議の方々が意見をしっかりと出してくれることを信じるしかないですが、そういった意味合いでも市議の方をしっかりと選ぶことの重要性を感じてきます。


いいなと思ったら応援しよう!