マスクを外すとき、バットマンはジョーカーに変貌する
貴方は時に、怒りを向ける方向を見失うことはありませんか。自分を失うときはありませんか。そんなとき、どんな衝動があなたを駆り立てるでしょうか。鎮める方法は、どうするのでしょうか。心の渇きを埋めたいあなたへの劇薬。
先日の記事、「異常人間、溌剌ナイト」の3本目2000年4月14日公開(アメリカ)『アメリカン·サイコ』。
それでは予告編をどうぞ。
自分という存在を、アイデンティティーを証明するものがあるのか。いや、そんなものは存在しない。存在しないものをヒトは求めたがる。追い求めることで、ストレスが溜まる。私は一体何者なんだと。そのストレスが、爆発したとき、時にヒトは狂気に染まる。主人公のベイルマンは、その極地に立ってしまった。ベイルマンは、そもそも狂った人間だったというより、日々のストレス社会の中で徐々にサイコ化してしまったのかもしれない。
己を信じるものが、他人からの賞賛や物的資産に埋め尽くされたとき、人は、崩壊する。この類の飢えは、虚無感と闇を生みだす。これをブラックジョークに描いたのが今作だろう。今日の問題となるSNSから始まる承認欲求。この言葉の闇の一端をここで、知れるのかもしれない。
主人公役は、クリスチャン・ベール。ダークナイトシリーズで、バットマンを演じたのが彼だ。ここの彼とは、違った魅力を持っている。また、共演者としては、ジャレット・レト。スーサイドスクワッドシリーズでは、ジョーカーを演じている。まさに、作品違いのバットマンとジョーカーになる。彼らは、将来バットマンとジョーカーになるなど思っていただろうか。
バットマン役のクリスチャン・ベール
ジョーカー役のジャレット・レト
直接シーンは少ないものの、エグめのグロシーンが映るため、耐性のある方だけの観賞を推奨いたします。チェーンソーの音が嫌な人は、特にご注意を。
それでは、それでは。
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