コロナ禍とシトラスリボンプロジェクトinいせさき
シトラスプロジェクトとは
2020年から猛威をふるった、
新型コロナウイルス
陽性反応がでることをおそれるあまり、
コロナになった人を差別するという事件が
全国各地で起こった。
福祉施設でコロナが出ただけで、
苦情の電話がなりやまない。
近所から白い目で見られて
引っ越しをせざるを得なくなった。
など。
シトラスリボンプロジェクトは、差別してしまうかもしれない自分の心を整えるために、愛媛で生まれたプロジェクトです。
愛媛で始まったプロジェクトが各地で広まり、
群馬県でもinきりゅうが立ち上がった
珈琲豆を買いに来てくれたお客さんに伊勢崎でも
シトラスリボンをやりたい、、といわれた。
違う学年で陽性が出ただけなのに
習ってるピアノ教室に行けない
という子が単発でレッスンに来た時の
自信がなさげなその子の表情をみて、「コロナ差別」という言葉がよぎった。
いつ、そんな自分が理不尽な状況になるのかわからないし、自分が誰かを傷つけてしまうかもしれない。。
「ただいま」「おかえり」って言い合える街
この言葉がとても響いた。
とにかくシトラスリボンを作ってみよう
シトラスリボンは水引で作るのが可愛い!
お客さんが水引をたくさん持ってきてくれたので、Youtubeを見ながら作ってみた。
意外とかんたん
来てくれるお客さんに配ったり、
ウクレレにつけてアピールしてみたり。
歯医者さんに置いてもらったり、
飲食店に置いてもらったり、
そんな草の根運動。
シトラスリボンプロジェクトinいせさき
「作ってみたい」
という方も増えてきた。
水引を実費で買うのもキツいので、
寄付を集めることになった。
そうすると、会計も明らかにした方がよいから、
「シトラスリボンプロジェクトinいせさき」
という団体を立ち上げた。
言い出しっぺの友達が代表
場所を貸たり、連絡係をしている私が事務局
最初はそんな形から。
最初は寄付もないから、
その時のメンバーで¥1000-¥5000
出し合った。
なるべく多くの人に知ってほしいので、
キッチンカーのイベントに出店してる方に配って、
インスタにUP。
なんとイベント視察中の伊勢崎市長にバッタリ!!
シトラスリボンプロジェクトの趣旨を伝えたら、
とても共感していただけた。
そして、新聞社の方を紹介してくれ、
公式の面談の機会も設けてもらえた。
早速取材をしてくださり、
記事になった。
問い合わせもきて、
少しずつシトラスリボンの輪が広がっていくのを感じた。
作っていたのは、小学生の子どもを持つ親なので、
子どもたち届けたいという想いが大きかった。
学校にも持ちかけたが、
なかなか取り入れてもらえず。
2者面談で、担任の先生と学年の先生につけてもらう
くらいが精一杯。
そこで、子どもたちの出入りする図書館に、
シトラスリボンを置かせてもらえないか提案。
図書館では、時々栞を時々配っている
ということを聞き、
シトラスリボンの栞を開発した。
写真はインスタグラマーの仲間が撮ってくれたもので、
6種類作った。
図書館で栞を配ると同時に、展示もしてくれた。
その後、伊勢崎市の4つの図書館に声をかけてくれて、
2週間おきに展示と栞が行き渡った。
栞は大人気で、寄付だけでやっていけるのか、
少々不安になってきた。
赤い羽共同募金を使う。
赤い羽共同募金を使うには、何に使ったのかを明らかにしないといけない。
水引や袋、しおりの紙代だけでは、
若干お金が余りそうなので
子どもたちに読み聞かせる
紙芝居作りに充てることにした。
紙芝居プロジェクト
メンバーの中に絵の先生が二人。
メンバーの紹介で文は空羽ファティマさんに書いてもらうことになった。
一つの文章に、
2種類の絵、
2作の紙芝居を作ることになった。
図書館に栞を届ける際に、
「紙芝居ができたら読み聞かせさせてほしい」
と頼んだ所、
コロナで読み聞かせはしていないとのこと。
同じように、手作りで紙芝居を作っている団体が
いくつかあることを教えてもらった。
紙芝居を図書館に寄贈すれば、
・伊勢崎市内の団体が自由に借りられるようになる
・図書館のYouTubeに読み聞かせ動画をあげてもらえる
ということを知り、
ファティマさん、絵の先生にも制作前の段階から
了解を得ることができた。
読み聞かせライブ
7月には、
紙芝居の文章が完成。
紙芝居の読み聞かせライブを実施
9月になると、コロナの予防接種がはじまり、
世間では予防接種反対派と推進派ににわかれ、
うつ、打たないで差別が騒がれるようになった。
シトラスリボンプロジェクトとしては、
どちらにも寄らないと決めていたが、
リボンをたくさん配りたい、、という思いもあった。
行政へシトラスリボンを寄付
行政は、予防接種を推進していく流れにあり、
同時に打つ、打たない差別への対策も必要としてたが、
伊勢崎市民全戸に配れる数のリボンの用意はできない。
せめて、推進する市の職員に差別の理解を深めてもらうため、贈呈という形をとることになった。
市長、副市長と直接お話しして、
お二人ともシトラスリボンに共感してくれたことが、
とても嬉しかった。
市役所職員はもちろん、
市民病院のお医者さんや、看護婦さんにも配られるとのこと。
贈呈する数は3500個。
稼働しているメンバーは10人ほどしかいなかったので、
とてもじゃないけどそんな数は作れない、、。
そこで、シトラスリボン制作キッドを作って、
議員さんを通じて、広く協力をお願いした。
「やさしい伊勢崎のためにシトラスリボン10個作っていただけませんか?」
これをきっかけに、
さらにいろんな方と知り合うことができて、
予防接種のこと、
コロナのこと、
いろんな考えを聞くことができた。
また、このキッドのおかげで、
無事に3500個を達成することができ、
「市役所の人がつけてるのみたよー」
「病院のひとがつけてた!」
などの声をきくことが多くなった。
10月になり、
紙芝居の絵が仕上がってきたときも、
まだ学校へは立ち寄れず、
読み聞かせをすることは難しかった。
学校への働きかけ
紙芝居を贈呈して
YouTubeを図書館で配信してくれたが、
それが読み聞かせほどの効果があるとは
思えなかった。
市役所贈呈のことでお世話になった議員さんに
そのことを相談したら、なんと教育長に会わせてもらえることになった。
教育長もシトラスリボンに共感してくれてることがわかって、とても嬉しかった。
なんと、校長会で教育長自らプレゼンをしてもらえることになった。
学校では、相変わらず学年の先生くらいにしか広められないで、歯痒さを感じていたので、きっとこれで広まるだろうと一安心した。
校長会で紹介したとはいえ、
学校でそれを利用する、しないは
校長先生、各先生の判断になるとのこと。
ウチの子の通っている学校は、
残念ながらあまり一生懸命ではなかったようで、
プリントは配られなかった。
2022年になり、
予防接種も3回、4回となるにつれ、
コロナになる人もまわりに出てきた。
当然のように「大変だったねー」
と声をかけられるようになって、
コロナ差別はなくなってきたように思えたので
赤い羽共同募金からの支援はうけず、
細々と続けていくことになった。
私のまわりはシトラスリボンが広まっているから、
差別は感じなくなったけど、
まだ必要としている人がいるとしたら、
届けたいと思っている。