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「プロダクトの議論を諦めない」CTO工藤真に聞く、開発チームの魅力

Introduction

まちいろは、フィットネスクラブ・ヨガスタジオ など月額制店舗のための会員管理・予約・決済システムのSaaSプロダクト「hacomono」を開発する南池袋の会社です。「池袋地域密着」「テクノロジードリブン」など、独自のカルチャーを持っていて、エッジの効いたプロダクトを世に生み出しています。

でも、ここまでの情報は、ホームページにも書いてある、まちいろの一部にすぎません。

hacomonoマガジンがいちばん伝えたいのは「会社」と「プロダクト」に関わる「人」の物語。まちいろで働く個性あふれるメンバーの想いをつなぎ、これからジョインする「あなた」に届けます。

第1回はCTOとして開発チームをリードする「まこさん」にお話をうかがいました。

CTOとしての役割

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--インタビュー前半はプロダクトを中心にお話を聞きました。現在CTOとして、まちいろでどのような役割を担っていますか?

CTOになったのは初めての経験なので、ビジネスサイドの数字を見てはいるんですけど、正直なところ「開発リーダー・責任者」から脱却できていない部分もあります。

ただ極端なことをいうと、けんさん(代表取締役・蓮田 健一)が見ている領域に対して、自分が同じレベルにいく必要があるのかというと違うと思っていて。

当然、組織の横の課題感を把握するために、ベースの経営理解は深めるんですけど、私が注力すべき部分はやっぱり開発チームだろうなと思います。

--開発チームの組織づくりについて、どんなことを考えていますか?

開発チームは自分を入れて5名体制です。今は自分もプレイヤーとして入り込んでいる状況ですが、これからの1年は新しい仲間を増やすことにフォーカスしようと思っています。

そのために、今のメンバーや新しいメンバーに「hacomono」というプロダクトを任せていく必要があります。そうすることによって、メンバーの面白さ・やりがいも増えて、モチベーションにもつながると思います。

--開発チームの方向性がよくわかりました。「採用にフォーカスする」という話もありましたが、まこさんが理想とするキャリアについて教えてください。

来年で40になるんですけど、30代は「プレイヤーとしてもう少し学びたい」という気持ちが強かったと思います。

40代は組織の状況に合わせて、チームビルディングやマネジメントにフォーカスして、そちらでの学び・やりたいことが増えるキャリアがいいかなと思っています。

一方、手が動くまで開発はしていたいんですよね(笑)。個人的につくりたいものがいくつかあるので、それをコツコツやっているのかなと。

--開発愛がひしひしと伝わってくるのですが、プレイヤーとマネージャーのバランスが偏ることへの不安はありますか?

昔はありました。ただ、最近はプロダクトとメンバーの成長が見られたら、それはそれで面白いかなと思っています。

現状は5人のうちの1人なので、プレイヤーとしても、マネージャーとしても引っ張っていくかたちになりますが、メンバーが増えて権限委譲していった結果、私は全体を見て、プロダクトを良い方向に導く役割がメインになるのかなと。

そこに楽しみや面白さを見出せるように動いていますが、まだちょっと未知数です。やっぱり40代はまだまだコードを書きたいかな(笑)。

プロダクトの議論を諦めない

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--採用面では、どのようなエンジニアに対する想いがありますか?

もちろんコードを書くスキルもあるんですけど、カルチャーフィットを重視する気持ちが大きいです。チームでやるために自ら働きかけるというか、コミュニケーションの部分を面倒くさがらない人をすごく欲しています。

あとは技術自体への興味が強い人よりも「プロダクトによって問題解決をしたい」という人のほうが今の組織には合うのかなと。

現状の事業では、技術的にすごくとがっているかというとそうではなく、少し地味なことが多いんですけど「お客さんの課題解決」という視点ではすごく面白い事業領域だと思うので、そこを楽しめる方はフィットすると思います。

--新しいメンバーに、どのようなことを教えたいと思いますか?

今までのキャリアでも、一緒のチームになった若い子に、少しでも良い影響を与えられたらいいなと思いながらやってはいるんですけど。

自分が教えてあげられることが何かと考えたときに、今の若い子って新しい技術を学ぶスピードが私より早いと思うんですよね。

「あ、昨日触ってみました〜」とか普通に言ってくるんですよね。おじさんとしては腰が重いみたいな(笑)。なので私を上手く使ってもらって、良いところがあれば吸収してもらいたいと思います。

あと私は一緒に議論するのが好きなんですよね。行ったり来たりして、若者からすると「前に言ってたことと違う」となるかもしれないんですけど、「前はこういう話で進めちゃったけど、違ったからもう1回話そう」みたいな。

最終的に良いものを作りたいというか、お客さんからすると「その瞬間に出たもの」がすべてなので「途中まで作っちゃったからこのままいきます」というのは許されないんですよね。なのでそこの議論を諦めないというか、マインドの部分になってしまうんですけど、そういうところを伝えたいなと思います。


まちいろメンバーに共通する文化

--まこさんが一番好きなカルチャーはありますか?

明文化されていないんですけど、「お客さんの課題を無視しない」というのは共通してもっている良いカルチャーだと思います。

お客さんの課題を聞いて、その場では「できません」と言ったとしても、代替案で何とか課題を解決できないか、考えるところがあるような気がします。大元はけんさんからきていると思うんですけど、そこはhacomono開発メンバーの特徴かなという気がします。個人の高いホスピタリティーがあって、それが新しいメンバーにも伝わって、良いなと思います。

--まちいろの組織全体をどのように見ていますか?

人数が少ない状態でやっていたときは兼任でやっていたんですけど、今は各分野のプロフェッショナルが入ってきて、マーケティング、CS、SALESチームの分業が進んでいます。

それぞれ立ち上がったばかりで課題もあると思いますが、そういう面白いフェーズにきているなと。頼りになる方もすごく増えたので、今後を楽しみにしています。

After Talk - まちいろメンバーからまこさんへ -

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--忙しいそぶりを見せずに、朝から晩まですごい仕事量をこなしているように見えます。モチベーションはどこからくるんですか?

なるほど。まず根底に「仕事が好き」ということがあります。忙しいこと自体は問題ないと。ただ、自分がやらなくてもいいこと・メンバーが増えてきたら渡さないといけないこともあるので、少しずつパスはしているつもりです。

あとは今のフェーズ特有というか、分業が進むとチーム間に落ちているボールが増えてくるので、そこを拾うのはボードメンバーだと思っています。なので、あまり気にしていないという感じですね。

--自分自身の悩みや課題はどうやって解消していますか?

けんさん(代表取締役・蓮田 健一)と壁打ちしてもらっています。けんさんは経営も開発もわかるので。ただ、これからのテーマとして「組織が大きくなってきたときに、CTOとしてどう振る舞うか」ということはあるかなと思っています。このあたりは今後、CTO経験者の方にも相談していきたい部分です。

--若いころに、開発者として努力してきたことはありますか?

ちょっと老害っぽい発言になりそうですが(笑)。

若いうちからコードを書いている量は多いと思っています。「もっと良いコードが書けるはずだ」みたいな気持ちで自分なりにオレオレフレームワークを書いてみたり、個人的な便利ツールを作ってみたり。

あとは当時はまだフロント・サーバー・インフラのように仕事もそこまで細分化されていなかったので、運良く様々な経験をするチャンスがありました。

例えば、B2Bプロダクト開発の現場だと、フロントエンドをやりたいというエンジニアが少なくて、私は Web デザインの興味もあったので声を上げてフロントエンド専任でやっていた時期もありました。

気付いたらいわゆるフルスタックエンジニアになっていたという感じでしょうか……同世代のエンジニアの方ならあるあるかもしれませんが。

ただ、そのおかげで問題解決の手段が広がって今に至ると思っているので、こういったチャンスをくれた周りの方々や環境に感謝しています。


文章:宮原透