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おなかの弱い長男と母の手のはなし。

うちの長男はお腹が弱くて、しょっちゅうお腹を壊すんです。

脂っこいもの
冷たいもの、
少し食べすぎたり、
そのたびに長いことトイレに籠って、

決まって
「かーちゃん、おなかさすってよーーーー!」
と叫ぶ。

とある日、
いつものようにトイレに籠り、
少し落ち着いたからほおっていおいて、
調子の悪い私は寝室で横になっていた。

しばらくするとまた長男がトイレに入る様子が分かったけど、
夫にお任せすればいいやとそのまま寝ていると

「ちがう!とーちゃんちがう!!!!」
「そんなさすりかたじゃない!こう!!!!」
(とーちゃんにお腹のさすり方を必死に伝える6歳)

しまいには
「とーちゃんじゃだめーーーーーーー!!!!」
「かーちゃん!!!!!」
「かーちゃんはどこーーーーーーー!!!!!(断末魔の叫び声)」

小さい頃、お腹が痛くて心細くて
台所にいる母を呼んでも来てもらえなくて
さみしくて悲しかった思い出がある私はしぶしぶトイレへ。
(そんな記憶があるくせにすぐ飛んでいかない冷たい母)

苦笑いをしている夫とチェンジして、
かーちゃん!かーちゃん!!と、泣いてるのか怒ってるのか
もはやよくわからない長男のお腹へと手を伸ばす。

そう、手を伸ばした。
(まださすってはいない)

そしたら、まださすってもいないのに
長男は『ふぇぇぇ』と脱力し、
穏やかな顔になった。

「お腹は?」
と聞くと
「かーちゃんのさすり方がじょうずだからもうへいき」
とのこと。

「いや、まださすってませんけど?」
と内心思いつつ、
「そっか、よかったね」
とさすり始める。

『母』というだけで、
無条件に信頼してもらえる。

『母』というだけで、
手を差し出すだけでこんなに安心してもらえる。

うまく言えないけど、
そんな存在でい続けるために
母もっとしっかりするよ!
と思った夏の日の思い出。
(どうでもいいけど、夏のトイレって暑くて地獄ですね)

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