露と枕『橘に鶯』本日開幕
今回出演する舞台、露と枕『橘に鶯』全ての稽古も終わり、昨日は劇場にて照明、音響、美術を合わせて「きっかけ」を確認しました。本日これより14時からゲネプロ(リハーサル)をおこない、みなさまのお目にかかります。
『え? 何の話?』となってる方は開幕の前にコチラをご覧ください。
露と枕、制作の月舘(つきだて)氏。
いつも丁寧な仕事をありがとうございます。
では、これにて! あとは劇場で!、、、と、noteを閉じてもよいのですが、もう少しだけ。駄文を重ねます。
たぶん駄文
今回、私は田路春告(とうじはるつぐ)という役をいただきました。
劇団員の小林桃香(こばやしももか)が演じる、田路かなめ の夫です。
物語の中核を担うことになります。物語を背負う責任をひりひり感じて、そこに悩み、挑んだ稽古期間でした。
そして、今も変わらずに、答えはなく。うんうん唸って台本に目を落としてます。
稽古が上手くいかないと心が閉じていくし。こりゃだめだと思われてるんちゃうかと「役」以外の情報でいっぱいになるともうだめですね。
相手すら見れてないのですから。芝居も閉じて自意識にむいていく。それを「自我発電」とでも名前をつけましょうか。「上手く魅せたい」なんて物語には1㎜もいらない。春告はそんなこと思ってない。
閉じてる心をいつも開けてくれるのは、やっぱり小林でした。
稽古場ではほとんど会話はしない小林ですが。それでも稽古が終わると、よく電話をしてくれました。彼女は随分と酒は入ってはいましたが、、他愛のない話をたくさんしました。随分お酒が回っていましたが、彼女が劇団や座組の話を楽しそうに喋っていて。その一面を知れて僕は嬉しかったのです。
振り返ると、共演者のみなさん、それぞれに、とても優しくしてもらっていてました。僕が悩んでるのを、それぞれ声をかけてくれたり見守ってくれたり。みんなで飲むと、みんな、口をそろえて「いい役者が集まってる」と。
僕もそう思います。とっても素敵な役者さんがたくさんです。
もう充分にいい人が集まってるんだから、そこにのっかれば怖くないです。
だから「自我発電」はしなくていいのです。
みんな素敵さがすっごくわかるのに、僕はよくわかってない。
わかってないからいっぱい抱える。それは今回の春告に繋がってます。
田路家で必要とされるために、たくさん悩み「あれもこれも」と必要とされる材料をかき集める春告と、僕自身が劇団や、落語や、絵を描いたりと、「あれもこれも」と集めてきたのと似ていて。重ね塗りしないと価値を測れない私を、脚本家の井上瑠菜(いのうえるな)さんは、本当にすごくよく捉えてると思います。だから苦しくて、やりがいがあります。
全部脱いで、何もない自分の価値を、一緒に認めていく。
そんなことを記して、本日の『橘に鶯』を迎えようと思います。
改めまして、舞台上に素敵な役者がたくさんいます。そして、素敵な舞台美術と、照明、音響、細部までいきわたった制作スタッフのみなさんがいます。怖いものはありません。どうぞお楽しみいただけますと。
ここまでのご愛読、ありがとうございます。
王子小劇場でお会いしましょう。
どうぞご贔屓に。
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本日観たい!ってかたはご連絡くださいませ。
11月13日 初日 前田隆成
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