4月2日 「桜の園」のリーディング公演を終えました!
21:40 こんばんは。前田隆成です。
本日は王子小劇場にてチェーホフの「桜の園」のリーディング公演に参加しました!
初めてのリーディング公演。
9時より、ファシリテーターの笠浦さんと、職員の山本さんと一緒に準備をしました。
10時より、俳優さんがお見えになられて自己紹介。
初めましてのみなさんと一緒に、まずは座学です。
「桜の園」を読解するための下地として、当時のロシア情勢を勉強します。
ポイントとしては1861年の【農奴解放令】が重要とのこと。
貴族が奴隷を手放していく。没落していく貴族と、工場などを立てて経営に成功していく貴族が出てきたそうです。
チェーホフ本人、生まれた土地。勉強そして桜の園の上演についてなどを30分くらいでインプットしていきます。「桜の園」はチェーホフの44歳の誕生日に初日を迎え、筆歴25周年の祝賀を兼ねていた。(覚えている範囲で書き起こしてます)
参加者はチェーホフ大好きな勉強家の方から、僕と同じで今日が初めて触れるひとまで様々です。一様に高い集中力を持って笠浦さんの話を聞いている印象をうけました。
さて。早々に勉強会が終わり、次は「役決めくじ引き」わーきゃーなるかと思いきや、粛々とすすみます。配役は年齢も性別も関係なく運で決定!
さっそく一幕から読んでいきます(桜の園は四幕構成の喜劇です)
一幕ずつ読んで、フィードバック、そして出捌けだけを付けてどんどん進みます。途中休憩を挟みつつ四幕を終える頃には17:00ぴったりでした。
ここまで誰一人かけることなく、意見をぶつけ合うというよりも「解釈はひとそれぞれ」を大事に進んでいきました。
四幕が終わって、笠浦さんから「どうでしたか?」と意見を貰ったとき正直に「よくわかりませんでした。。。」と答えてしまい「なにが分からなかった?」と言われても、「漠然とついていけなかった…三幕の途中からなんの話を誰がしてるのかを追えなくなりました…」と答えました。
「じゃあ、全部通してみてまた感想きくね!」笠浦さんはニッコリでした。
どうだろう、、、ここまで難しいという感触がぬぐえなかったですが、参加者のみなさまは、役についての掘り下げや、時代背景についての議論が飛び交っておりました。
そして、1時間後の18:00には発表会!お客様もお見えになって「桜の園」のリーディング公演がスタートしました。
ここから驚きの連続でした!
さっきまでわからなかった「台詞」「役名」「情景」が入ってくるんです。
参加者さんの集中力が初めから高く、それぞれ自分の持っている武器をいっぱいに使っていた印象です。
聴くだけじゃ、読むだけじゃ見えなかった「窓の外」の景色は、俳優さんの目に宿っていました。その瞬間にゾワッとしましたね。
「目に景色を宿す」これはハコボレ(自分の劇団)でも大事にしていることで、見えない世界を届けるときは、俳優の目を通して僕らは見る事ができる事を再認識しました。
元々持っていた「土地」を買いたたかれ「桜の園」を手放すことになった。
そのなかで、新天地を望む人。固執する人。どうにもできない人。要所々々に「くすぐり」が用意されて、1904年の作品がもう100年以上まえの作品で笑えました。最初はわからなかった三幕はどんどん引き寄せられて、四幕のそれぞれの旅立ちには心が動かされました。
脚本読解からリーディング公演までの体感はあっという間ですね。
まだまだ解釈しきれていない所は多々ありますが、チェーホフは難しそうといったイメージは払拭されて、現代まで残り続ける理由も少しわかった気がします。
青空文庫で読めますので、また日を改めて挑戦してみようと思います。
みなさま、おつかれさまでした!
22:49 前田隆成
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