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再録ハコボレ『世別レ心中』稽古場こぼれ噺〜その⑧

おまくら

ええ。どうも本日も一稿のお付き合いを願いますが。4月4日、新しい服を友人がオーダーメイドしてくれたのが届いてルンルンの気分。さっきまで晴れていたのに、急な雨。。。新しい服を着て行ったのに雨。マーフィーの法則かよって思いつつ。マーフィーの法則って、ジャムを塗ったパンを落とした時にジャムの面が絨毯に落ちてしまう。みたいな法則。これが高い絨毯保ほどジャムの面が落ちるのが高い気がする的な話。


稽古場にて

今日は稽古場で一人で粛々とお稽古を重ねてここまでやってきました。昨日の復習と反復をしてひとりでの通し稽古。見ている人が居ない。それでも、どれだけ集中できるか。手を抜くなんていくらでもできてしまう時こそ。そんな事を思うけれど、なかなか難しい。それができるなら、苦労しない。
流れたところをもう一度繰り返してみたり、ボロが出る。
そんな日もあるさで片付けれれば気が楽なのだが、そうも行かないのがこの前田隆成。漫画ハイキューの田中じゃないけれど、「ところで平凡な俺よ」のセリフが出てくる。

話は変わる。
今回の物語には「化け物」が出てくる。この「化け物」は何か。自分の中の獣性であったり衝動の現れに置き換えている。
「化け物」とは僕の憧れだ。恐れられたいし、すごい事をやっている人間であり続けたい。本物になりたかったし、「狂った」なんて強い言葉も欲しかった。「変人」であり「狂人」そんなレッテルにどうしようもなく憧れていた。それは同時に平凡である自覚の裏返しなんだ。
俺は、俺をもっと正しく評価してやりたい。のに。できない。
人は人、自分は自分はわかちゃいるが、半年に一回くらいくるこの波。
「止まっている暇はない」とエネルギーを高めて独り進んだけれど、演劇は一人じゃできない芸事で。それがもどかしい。ずっともどかしかった。

この人芝居は、その生業をやめることができないが、誰かと共に心中もする事も許されない。そんな己の鏡のような話に回帰するのかもしれない。

人と関わることが阻まれる時代
人の顔すら正しく見れない時代
表現を燻っている同志たちに届けばいいと願っている。
厚かましいが、こんな時でも辞めれない、ただ平凡なニンゲンがいるんです。そんな可笑しな、でもしっかり芯のある舞台をどうか見ていただきたい。
毎日毎日、こうして深夜にノートを書いて、正直誰が見てくれてるんだ、って思うことの方が多かったけれど、この文章が今見ていてくれているアナタに届けば本望で。
日々、稽古終わりの心の移り変わりや、出来事のブチまけたような。乱文をご愛読いただきありがとうございます。

明日は最終稽古。頑張れの一言が欲しい時期ですが、正念場と踏んで稽古を締めくくってきます。みなさんも本日もお疲れ様でした!
おやすみなさい。

公演の詳細

再録ハコボレ落語研究会
「世別レ心中」

◎日時
4月8日(木) 18:00
4月9日(金) 15:00/18:00
4月10日(土) 11:00/15:00/18:00
4月11日(日) 11:00/15:00

◎会場
花まる学習会王子小劇場
東京都北区王子1-14-4 地下1F

◎上演時間は約60分

◎チケット料金
前売:2000円
当日:2500円
あさハコ:1500円 ※11:00の回のみ

-----作品内容-----

◎作・演出・出演
前田隆成

◎古典落語「鰍沢」のあらすじ
旅人は身延山に参詣へ向かう道中、吹雪に見舞われた。遠くに灯りを見つけ尋ねてみると、美しいが喉元に傷のある「お熊」と名のる女が現れた。見覚えがある彼女は元、吉原の花魁で旅人も一夜を明かした過去がある。羽振りの良い旅人に、お熊はそっと卵酒を差し出した。雪山のあばら屋から鰍沢へ駆ける、一夜の物語。

◎演劇「世別レ心中」のあらすじ
旅人は激流を下る際に、本当にご利益があって助かったのか。お気楽なニンゲンの言い伝えに嫌気がさすモノがいた。彼らの村に伝わる「鰍沢」の伝承とは話は少し違う、旅人との関わり。ケモノの九太はあの夜目にした真実と森に伝わる呪いについて語り出す。



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