11月15日 露と枕『橘に鶯』3日目
つゆとまくら、まくら
えーどうも、前田です。早いもので2日が終わりまして。
たくさんの人にご観劇いただけること嬉しく思います。
本日も14:00と19:00の2ステージございます。
上演時間は約2時間。会場は東京都北区王子小劇場です。
八王子の方の王子ではなく、東京都北区の王子小劇場でして、冗談みたいに聞こえますが、私が劇場職員をしていたころ、年に数回「今、八王子駅なのですが、劇場はどこですか?」とお電話いただいたことがあります。
八王子駅、王子駅、間は1時間30分程かかりますので、お気をつけやす。
てみじかに、おもい
舞台は一回その現場が終われば、もうおしまい。今回で言えば露と枕vol.9『橘に鶯』を同じキャストスタッフで上演されることは無くて……なんてことは演劇をする方は多く感じてるのではないかと思いますが。もっとメモリは細かく。
その日、何時におきて、何食べて。劇場にくるまで何を取り入れるのか。
今日は生憎の雨でございますね。そう。お天気だって違えば、気温も湿度も。劇場に入ってからも、ルーティンワークがある人ない人。
昼公演、夜公演の間に、寝る人寝ない人。さまざまで。
メモリを細かくすればきりがないのですが、同じ日はないのです。
前置き長くなりましたが、同じ日はない。そんな当たり前でわかりきったことをコネコネと考え、パソコンでコチコチと打ち、それらしい文字数を稼いでいるのです。文章のイースト菌です。ふくらし粉です。
さて。同じ日はないのは分かりましたが、我々のお仕事のひとつ『再現性』につきまして。人によっては、舞台袖から舞台上に上がるまでの「歩数」を決めている方や、目を閉じる秒数をきめてるひとなど。これも様々。
「今日はなんだか気分が乗らないから芝居できない」なんてことはできなくて。毎回、物語を生き直すために稽古を積んでいくのです。
稽古が上手くいかなかったときは解消するためにできることはあるのですが、危ないのはふと「今の、よかったのでは?」という感覚に落ちることなんだなと。それはそれは事実でもあったりして自分の気持ちに間違いではないのですが、甘いものですね。じゃあもう一回、同じような事を「なぞる」という罠がたくさんあるのです。そりゃまったく上手くいかない。
「同じ」と「同じような」は違うし。前に書いた通り「同じ日」は無いのですから。昨日の自分しか観てないと、今、目の前で起きてることを逃がしちゃいますから。それは実生活の人間も、役の人間もきっとそうで。
ああ、また、ふくらんでいく。文章イースト菌です。
とめどない考えはいったん寝かせて。発酵してパンとはじけろ。
パンとした結論
露と枕『橘に鶯』今日は今日しかなく。
メモリを細かく舞台上では今しかない。
この刹那的な儚さ!残らない美しさを!
あなたの心に残せたら!!
熱くなってすみません。はい。発酵が甘かったです。
さて、今日も素敵な俳優たちに会ってきます。
照明、音響、美術の力をいっぱいにもらって。
『橘に鶯』を
どうぞご贔屓に。
前田隆成
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