3回、深呼吸をした

今週は珍しく外出しない週なので体力温存ができているはずなのに、風邪をひいてしまっている。のどが猛烈に痛く、鼻づまり気味。
季節の変わり目だからか、息が苦しい感じもするのでかかりつけ医に行くとぜんそくの薬を処方されてしまった（アドエア500）。
我が家は夫と子どもがぜんそくの人なんだけど、とうとうわたしも仲間入りをしてしまったみたい。ううう。

『うそコンシェルジュ』（津村記久子/新潮社）を読んでいる。表題作『うそコンシェルジュ』を含む11編の短編集。

大学のサークルを抜けたい姪のため、うその辞める理由を考えてあげたことをきっかけに、「うそ請負人」と頼みにされるようになった女性の困惑。会社の自転車置き場で、人間関係へのストレス発散のために同僚がとっていた思いがけない行動。日常の困ったことどもをやり過ごし、目の前の「今」を生き延びるための物語11篇

新潮社WEBサイトより引用

今のところ5編まで読了中。どの物語も出てくる人たちが抱えているもやもややストレスが「あるある」となり、感情移入をしながら読み進めている。

『レスピロ』は整形外科の受付で勤務をする皐月と明美の物語。皐月は明美に頼まれスペイン語の単語帳を作ってあげている。その本は、二人で連れ立って行った古本屋で明美が買った本。

「もうその怒りっていうか、不満が頂点になりかけたところで、たまたま皐月ちゃんに古本屋に行こうって誘ってもらったのよ。それで、目に付いた本をぱらぱらめくって、そんなに高いもんじゃないし、ちゃんとCDもついてるし、っていうのだけで買ったの。お守りみたいな感じで。というか、もうこれ以上感情の浪費をするのはやめるんだっていう、自分への警告かな」

『うそコンシェルジュ』『レスピロ』70ページ

「最後の単語ね、respirarっていうんだけど、意味わかる？」

『うそコンシェルジュ』『レスピロ』73ページ

単語の意味を知った時、思わず3回深呼吸をしてしまった。
息苦しさはぜんそくのせいだけじゃないのかもしれないな。

うそコンシェルジュ