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ねことトカゲ

7月某日 雨くもり
 
 突然子どもが「トカゲを飼いたい」と言い出した。
 友達が飼育しているトカゲが卵を産んだので孵化したらあげるよ、という話になっているそうな。

 爬虫類はな……、という気持ちと、自分の世話もできないのに生き物の世話ができるわけないじゃないの、と思う。生き物を飼うということ、命を預るということは、生半可ではやってはいけない。
 ので、まずは我が家のネコズのお世話ができるようになってからと伝えると、夫に聞きながら少しずつネコの世話をしてくれるようになった。

 が。

 昨日、夫から「あの子、生き物を飼いたい熱が下がってるっぽい」と言われ、そういえば昨日今日はネコのお世話をしている様子がないなと感じていたので「やっぱり」となる。

 夫の話によると、トカゲの友人から「おうちに猫がいるのならダメだよ、トカゲにとってストレスになるからね」と言われてしまったらしい。そして、先に貰い受けていた子はうまく育てられず、残念ながら死んでしまったそう。
 ネコズがいるからもらえない、もらっても死んでしまうかもしれない、というところで、子どものテンションが下がってるっぽい。

 そもそも子どもはとかげが飼いたいのではなく、「自分のペット」がほしい、という不純?な動機で「ほしい、飼いたい」となっていたようだ。
 
 我が家のネコズは全く子どもに懐いておらず、なんなら子どもは猫アレルギーがあるので触ることすらままならない。子どもが生まれる前からネコズと暮らしてきたので、離れる選択肢はなく、大人のエゴで子どもとネコズをなるべく遠ざけるように生活をした結果、彼らは緊張感が漂う関係になってしまった。
 申し訳ないとは思うけれど、だからといって「自分だけのペットがほしい」というのはどうなのかしら、と思う。最初にも書いたけれど、自分の世話もままなっていないのに、命を預かれるわけないじゃんよ、と。
 トカゲを飼うことが難しいからって、家族であるネコズのお世話を中途半端に止めないでほしい。

 そんなこんな、子どもが「自分だけのペット」を飼うことはしばらく難しいな、というお話。
 
 
 


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