見出し画像

【導入事例】配車から出荷、運送会社までシームレスに連携し、荷待ち・荷役時間ゼロ&残業削減を実現 「ドライバーから選んでもらえる荷主になるための足掛かりをつかめた」山田化学株式会社

 家庭日用品を中心とするプラスチック製品の企画・製造・販売を行う山田化学株式会社。大手100円均一ショップ向けの商品からOEM商品まで、多彩な商品を扱っています。商品は、大手運送会社の路線便と、個別の注文に応じて手配するチャーター便で出荷しています。しかし、出荷の現場にはさまざまな課題があり、2024年問題への対応も考える必要がありました。そこで、2024年2月よりチャーター便を対象に「ハコベル配車管理」を導入。現在はトラックの荷待ち・荷役時間ゼロ、社員の残業時間も大幅に削減するなど、目に見える形で改善の成果を上げています。

 これまで配車管理を一手に引き受けていた商品部生産管理課係長 宇部健太郎さんと、倉庫での出荷作業管理を担当する商品部物流1課係長 岩井真利さんにお話をうかがいました。(以下、敬称略)

ハコベルを選んだ理由
(1)漠然と問題視していた課題の解決策がすべて網羅されていた
(2)チャーター手配状況を関係者に一挙に共有したい
(3)効率化を進めることで業務時間を有意義に活用したい

ハコベルの説明を聞いて、情報共有の悩みをすぐに改善できるイメージが湧いた

——ハコベル導入以前は、出荷業務にどのような課題をお持ちでしたか?

「ほぼ私ひとりで手配を担当していたので本来やるべき管理業務に手が回らないでいた」
と話す宇部さん

宇部 健太郎(以下、宇部):根底にあったのは、チャーター便の手配状況を関係者に共有できなかったということです。チャーター便が手配できたのか、何時ごろ入場するのか、そのドライバーさんがフォークリフト操作できるのか、などの状況を出荷作業を担当している物流課にうまく連携できていませんでした。一応、手配状況をExcelに入力のうえプリントして渡していたのですが、Excel印刷後の変更内容が伝えきれていなかったりなど、結局口頭でやりとりしている状態でした。

 事務所側では私がほぼ一人でチャーター手配を担当していたのですが、とにかく1日中電話をしているような状態。確認もれや折り返し忘れで物流課にも運送業者さんにも迷惑をかけていました。生産管理課として本来やるべき管理業務に手が回りきっていませんでしたね。

岩井 真利:(以下、岩井) 物流課としてはチャーターの手配状況がわからないと一日の仕事の組み立てができません。トラックの到着予定時間もわからないし、運送業者さんの自社トラックか社外のトラックかもわかりませんでした。馴染みのドライバーさんならいいのですが、慣れない方だと案内が必要になりますし、フォークリフトでトラックに積んでもらう際も、免許を持っていない方の場合はこちらで人を用意しなくてはなりません。

 その場ごとに場当たり的な対応をしなくてはならず、受注内容は毎日違うとはいえ、やはりある程度はスケジュール感を持って作業したいものなのですが、集荷時間がだいたいわかっている路線便の荷揃えをしていたら、横から突発的に仕事が差し込まれて、そちらを優先するために仕掛かり中の作業を止める、などの急な対応が頻発していました。それで作業指示書を紛失したり端末入力を忘れたりして、結果的にトラックを待たせることになり、積み忘れや誤出荷につながることもありました。

——弊社から最初に「ハコベル配車管理」のご紹介を申し上げたのが2023年10月頃でしたが、その時はどんな印象を持たれましたか?

宇部:お話を聞いた時点で、今ある課題の解決に必要なシステムがすでに出来上がっていると感じました。ここがこうなる、あれがああなると、どんどん改善が想像できて、すぐにでも使い始めたいと思いました。社内的にもすぐ受け入れてもらえました。

 導入について、提携している運送業者さんの反応はさまざまでした。やはり今までのやり方を大きく変えることになるので、ご理解いただくまでに時間がかかるケースもありました。ですが、現実に今までのやり方で問題が起きていたわけです。「2024年問題」も差し迫った課題になっていました。そういうことを粘り強く説明して、1社ずつ説得していきました。

チャーター手配状況や到着予定「午前/午後」の共有で荷待ち・荷役時間ゼロに

——ハコベルを導入した後、業務はどのように変わりましたか?

岩井:社内的には完全にペーパーレスで、瞬時にチャーター手配の状況が共有できるようになりました。システム上で宇部と運送業者さんとのやり取りがリアルタイムでわかるので、「今日は午前中にこの荷物を取りにチャーターが1台来る」「この荷物を取りに来るドライバーさんの情報はまだ決まっていない」などの状況がいつでも見れています。

 なので、物流課ではトラックの入場予定時間に合わせて「この荷物は昼からなので先に□□を出す準備をしましょう」といった作業指示を前もって出せるようになりました。リフトマンはスケジュール感を持って作業できるようになり、仕事量は同じでも負担感は軽減できたと思います。ドライバーさんの情報もあらかじめ表示されるので、慣れないドライバーさんが来るとわかれば、積み込み忘れや積み込み間違いがないようにリフトマンに目を配ってもらうことにしました。実際、導入から3ヶ月で2〜3件は未然に間違いを防ぐことができています。

「導入から3ヶ月で2〜3件は未然に間違いを防ぐことにつながった」と岩井さん

宇部:システム上に過去の案件が蓄積されていたり、住所名の一部を入れるだけで荷卸し条件や荷下ろし先担当者情報が即座に入る便利機能があったりするので、最初に私が大枠の情報を入力すれば、あとは事務員に補足の入力をお願いすることもできるようになりました。以前はなんでもかんでも私が窓口で、電話・メール・FAXの対応に追われていましたが、今は本来やるべき進捗確認や在庫の適正運用といった管理業務に集中できるようになりました。以前は毎日60本くらいあった電話が、今は多い日でも10本以下、少ない日だと全く鳴らない事もあり、大幅に減りました。

 社内では、「歴代配車担当者のポジションに座る人は定時に帰れない」と言われていたんです(笑)。特にチャーター便の締め日前は8時9時までが当たり前でしたから。私自身もそんなものだと受け止めてしまっていましたが、その常識が覆ってびっくりしています(笑)。

 仕事以外の観点でもうちは子どもが保育園へ通っていまして、残業が減ったことで朝は支度を手伝う余裕ができたのです。それに夜は早く帰ってお風呂に入れてあげる日も増えるなど、働き方改革の成果と感じています。

—— ドライバーさんの荷待ち・荷役時間にはどんな影響が生まれましたか。

岩井:物流課も出荷の予定時間に合わせて優先順位をつけて作業ができるおかげで、時間を効率的に使うことができるようになりました。余裕を持ってその日の作業を終えられるので残業はもちろんありませんし、翌日の準備をしたり、他の部門を手伝ったりして、会社全体の残業を減らすことにも寄与できるようになりました。

 これまではドライバーさんの入場予定がわからなかったので、せっかく来ていただいても荷揃えが終わっていなかったり、他のトラックの積み込みが終わっていなかったりで、荷待ち・荷役時間がかかっていまうことも多々ありました。今は、出荷予定がわかるようになったので、お待たせすることもなくなり、むしろ先ほどお伝えしたようなミスを防ぐケアまでできるようになりました。

宇部:ハコベルの運用を始めた当初は、運送業者さん側に到着予定時間を入力してもらえないこともありました。運送業者さん側も、「午前到着」としたところで確実に入れるかどうか自信がない部分はあったのだと思います。それでも、私たちは限られたスペースで荷物を管理していますし、フォークリフトの準備もあるので、あらかじめ伝えてもらわないとすぐには荷物が出せませんと繰り返しお伝えして入れていただきました。入力していただけると先ほどお伝えしたように荷待ち・荷役時間が減るので、運送業者さん側もメリットを感じていただけたのか、今では皆さんに入力してもらえるようになりました。

ドライバー・物流事業者から選んでもらえる荷主企業になるために

——現在の課題や、これから取り組んでいきたいことはありますか?

岩井:入庫出庫の正確な把握も強化したいところです。弊社は同じ日に同じ商品が複数の倉庫へ着納するため管理が煩雑になりがちです。端末を使って出荷ごとに在庫の変動を入力しているのですが、入力忘れや間違いがゼロではないためどうしても誤差が出てしまい、それが積み重なると生産計画にも影響してしまいます。そこで、倉庫にある在庫を一番間近で見ているリフトマンに、作業の効率化によってできた時間を使って在庫の実数確認をしてもらうことにしたのです。

 2024年問題は私たちも重く受け止めています。今後、高齢化でドライバーの減少が続けば、届けられない荷物が出てくる。そうなると、ドライバーの方が荷物を選べる時代が来ます。その時、ドライバーさんから選んでもらえる山田化学になりたいと考えています。

労働力不足が懸念される時代、「ドライバーさんから選んでもらえる会社になりたい」
と語るお二人

宇部:2024年問題への対応考えた時、荷物を運ぶ「距離」は変えられません。変えられるのは「時間」と「積み方」だけです。次は積み方を合理化するために、バラ積みからパレット輸送へ転換を進めていく必要があります。そのためには、パッケージを変えることでパレット輸送対応にできるアイテムがないか、紙ラベルをフィルムに変えて軽量化できないかなど、もっと色々な視点で検討を進めなくてはなりません。手配の手間から解放されて全体的な視点で考える時間ができたことにより、そういう部分が見えるようになってきました。

 これまでも棚卸しは定期的に行っていましたが、おかげでその精度が上がっています。在庫の精度が上がれば販売数と照らし合わせて最適な生産計画を立てられますし、新商品企画やリニューアルの判断にも役立ちます。結果的にそれらの商品が物流に乗った時にはパレット輸送でより効率的に配送できる、という形になれば理想的です。今、少しずつその流れを掴みかけていると思います。
 チャーター便の方でこれだけ結果が出ているので、今後は定期路線便の方も改善を考えていきたいですね。ハコベルさんにはまた素晴らしいご提案を期待したいと思います。

▷サービス詳細はこちらから
https://www.hacobell.com/tms







いいなと思ったら応援しよう!