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【導入事例】走行距離減という状況下、利益を確保する「運賃の高い案件」が多いハコベルは不可欠。手作業による事務処理も効率化と共に人為的ミスが激減 宝持運輸株式会社

  島根県を拠点とした総合運送会社である宝持運輸株式会社は、西日本・中国地方を主要エリアとし各種運送・食品・飲料配送など幅広い運送サービスや事業を展開しています。また倉庫管理事業では冷凍・冷蔵・常温(ドライ)対応の倉庫と車両を所有し、集荷やピッキングから納品まで全温度における 食品・酒類等の輸送、在庫管理、受注、棚卸に至る物流業務を一括して対応できる体制にも強みを発揮しています。同社の専務取締役 熊谷 順一さんは「空車数削減と良い運賃の案件獲得を目的としてハコベルの導入を決定した」とのこと。予想外だった利点として、事務作業の簡便化や人為的ミスの削減につながっていることも挙げられました。

ハコベルを選んだ理由
(1)労働時間規制の影響による売上減に対応する高運賃案件を獲得したい
(2)人為的ミスの発生を未然に防止する仕組み化をしたい
(3)事務作業の工数や手作業による手間を削減したい

走行距離の減少に伴って売上も減少。少しでも運賃の良い案件が多いことが導入の決め手に

—— 他社の求荷求車サービスをご利用でいらしたなかで、ハコベルを導入いただくことになりましたのはどういう背景がございましたか。

 熊谷 順一(以下、熊谷)以前からインターネット等でハコベルさんのお名前は目にしており、「どういったサービスなんだろう?」という程度には認識がありました。今はさまざまな求車サービスがありますが、ハコベルさんはセイノーホールディングスさんが出資されたこともあって注目したのです。大きく案件が拡がっていくのではないか、という期待がありましたね。
 主に使用していた他社のサービスでは運賃が安い傾向にありましたので、少しでも高い運賃で運行できる案件情報のサイトを探していました。するとハコベルさんがやはり、他社のものより運賃が良かったことから導入を決めました。

—— 少しでも高運賃案件の情報をお探しでいらした他に、どういった物流課題をお持ちでしたか。

 熊谷 :帰り荷の空車はやはり課題としていました。当然、山陰地方から上っていくケースもあるのですが、そうした際に空車で上っていくことがあり、非常に経費が無駄となっており悩ましく感じていました。ですから、「空車帰り・空車上り」をいかに無くせるか?が利益を出すための大きな課題であり、かつ一番の悩みでもあったのです。

「空車帰り・空車上り」をいかに無くせるか?が最大の課題と話す熊谷さん

 また、先ほど申し上げた「少しでも高い運賃の案件」という点については、どこの運送会社も同様ですが今年の春から従来のような距離を走れなくなりました。ドライバーの労働時間の制限により、運転時間も制約されるため走行距離が減少するわけですね。それによって当然売上が落ちてきています。売上が落ちれば利益も減りますので、そこを補うためにはやはり、1回の運賃をこれまでよりも高くしていかなければなりません。
 ただ、いろいろと交渉等を重ねることで運賃を上げてくださることもございますが、緊急案件やスポット案件ですと安い運賃の案件が多いこともあり、利益を確保するにはどうしても高い運賃の案件で稼働していくことが必須になってきたのです。

—— そうした背景のうえで現在、どのようにハコベルをご利用いただいていますか。

熊谷:現在は西濃運輸さんから定期便をいただいていますので、そこでの運用と江崎グリコ様とのお取引における配車関係で利用しています。あとはもちろん、上り下りのスポット案件の閲覧や着店チャーター、松江から松江でのスポット的な仕事で活用しています。
 やはりハコベルの荷物情報は大都市圏が多く、山陰地方の案件数が豊富にあるというわけではありません。ですが、ハコベルの配車担当者の方から直接ご連絡をいただけるようになりまして、「松江行きありますよ」とか、「着店チャーターありますよ」といったお声をまめにかけていただけることで、少しずつ運用実績を増やしている状況ですね。

 そうした地域性による案件数がさほど多くないことから、課題である空車率の減少にはもう少し受注できる案件自体を増やしていきたいと考えているところです。そういう点で、システムだけでなく配車担当者の方から当社のためにご連絡をいただけるのは良いなと感じています。

請求書発行や受領印の返送は大幅に省力化が実現。車番連絡は2クリックで完了する利便性

—— 他にはどういった影響がございますか。使い勝手などはいかがでしょうか。

熊谷:もっとも目に見えてよかったことは、請求書の発行や受領印の返送にかける手間が大きく省力化できたことですね。請求書発行などはどうしても経理担当者のほかに、確認などをするために最低でも2人は必要になるのですが、今では基本的にひとりで管理できるようになりました。
 もともとハコベルのシステムは社内でひとりの担当者が管理しているのですが、運行開始・運行完了に至るまでそうした管理をシステムを使うことによってひとりで管理できるのが利点です。請求書の発行も、ハコベル上で確定できてしまいますから。
 受領印の返送においてもハコベルでは画面上にアップロードできますが、これまでは郵送でしたから、作業としてはとても簡便になったと実感しています。

 一方で慣れるまでは少し戸惑うところがあったのは事実です。毎日触っていますと自然に迷いなく操作手順もわかるようになっていくのですが、マニュアルだけでは理解できなかった点に対しては、サポートセンターに電話をしながら何度か確認していたことを思い出します。

—— 事務処理の効率化が進んだことで、業務を対応する人数も減らすことができたのですね。

熊谷:これは明確に他社にはないサービスなので、そこは非常に良い部分と評価しています。また、先ほども申し上げたとおり、運賃が他社サービスよりも高いということは非常に良いところです。ハコベルを導入することで、西濃運輸さんとの連携がより深まり、西濃運輸さんを介して荷主様のお仕事を受注できるようになった点も大きな恩恵だと感じています。

「システム化によって人為的ミスを未然に防ぐことができ心理的負担が減った」とのこと

—— 車両手配をデジタル化したことで得られた効果や成果はございますか。
 
熊谷:実は一番楽になったのは車番連絡でしょうか。これまではメールやFAXで送っていたのですが、ハコベルでは車番登録をしていれば2クリックほどで車番を呼び出すことができますよね。手で記載したりパソコンで打ち込むよりも、1/10ほどで完了してしまいますから。
 これまでは、印刷して記載し、それをFAXする。さらにドライバーに持たせて、という手間がわずか2クリックで済むのは非常に工数を削減できていると思います。しかも1件や2件ではなく、膨大な数があふれかえっている業務特性ですから本当に大変な作業だったのです。

 他にも荷物を積んで走行した後に荷卸しをしますが、荷卸しも今は予約制が非常に増えました。予約自体はドライバーが行う場合もあれば、事務所側で行う場合もあるのですが、もしドライバーの携帯電話番号の記載を1つでも誤ると、そのドライバーに「●時から降ろせますよ」という通知メールが届かないわけです。実際に何度かドライバーがずっと待機していても呼ばれないというケースがあったのです。

 これは人間が「書く」ことによって起きるトラブルであり、これがシステムで管理をしていると、ドライバーを選択すると携帯電話番号から車番からすべて登録されています。人為的ミスを防ぐことができますし、「ミスをしないように」という心理的負担も大きく減少することにつながっているんですよ。

—— ご利用いただいている現場の皆さまはどのようにお使いいただいていますか。また、今後ハコベルとどんなことに取り組んでいきたいとお考えでしょうか。
 
熊谷:当社の場合、大型ドライ課と地場配送課、冷凍課という3つの課がありまして、冷凍課にも共有し、使い方を周知していっているところです。属人化しないように運用を進めていくようにしています。
 山陰、島根県の松江市に会社がありますので、やはり島根県に限定した荷主様ですと数が限られています。ですからどうしても関西方面や九州方面などの案件情報を探すのですが、なかなかターゲットがうまく絞れない、要は見つけにくいという課題を持っています。

 そういった部分をハコベルを使うことで、想定外の案件に出逢う確率が増えたら理想ですね。「そういうスポット案件ではなく、こういう案件はどうか」のような、私たちがターゲットしていない範囲からの案件情報の最適化ができてくるととても良いのではないでしょうか。当社も小さいながらも三温度帯をやっていますし、倉庫もございます。「運ぶ」だけではなく「お預かりする」部分などが今後ハコベルを介して仕事になっていくとありがたいと考えています。

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