【導入事例】「帰り荷の空車率」がハコベル利用で50%削減へ!業務効率化を促進し「2024年問題」の本格懸念に対応できる事業環境を構築 有限会社ユニバーサル・エクスプレス
1998年に北信運輸のグループ会社として創業した有限会社ユニバーサル・エクスプレス。緻密な温度管理による完璧な品質維持輸送の実現をはじめ、コストパフォーマンスに優れた大量輸送のできる機能を持ち合わせています。「2024年問題」による人手不足に伴う車両不足への懸念が現実化してきた現在、同社代表取締役の竹元 啓ニさんは「かねてより課題であった帰り荷の空車率が半減した」と語ります。西濃運輸富山支店からのご紹介でハコベルのご利用が開始。いまでは社内の業務効率化が着実に進行、運行営業部 部長 井出 智さんに具体的な取り組みについてお聞きいたしました。
最初に実感したのはペーパーレスの利便性。乗務員への指示書や工数のかかる請求書作成が激減
—— 30年以上物流に携わってこられたとのことですが、現在特に課題と認識していることはなんでしょうか。
竹元 啓二(以下、竹元):私は北陸に来て2年半ほどなのですが、北陸は製造業の町で、他県に向けて出荷する荷物が非常に多い印象です。また、出荷する荷物が多いのに対して、荷物を積まないで帰ってくることも多いことには驚きました。私が着任した当時は年間で約100台ほどが空車で帰ってきていて、「これはなんとかしなくては」と強く感じました。
もうひとつが電話とFAXを主な手段として受注する仕事の仕方についてです。リードタイムの短いお客様も多数いらっしゃるなかで、このやり方は改善しないと仕事が進まないと考えています。たとえば、互いの会社で双方が電話を使っていますから、1人が電話に出ている間に2本電話が鳴っている状況なのです。終日電話をしていることで仕事をやっているような気分になりがちな点も問題だと考えていました。
これまで私は神戸で5年間、運送会社の社長をしていたのですが、圧倒的な違いを挙げると「帰り荷まで決まらないと走らない」という文化があったこと。30年この仕事をしてきたなかで、これが常識だと思ってきましたが、北陸に来たら「帰り荷が決まっていないけど行ってしまおう」という、そうした文化で仕事をしていることは正直に言いますと衝撃的でしたね。
—— そうした課題感のもとでハコベルをご利用いただいておりますが、状況に変化はありましたか。
井出 智(以下、井出):ハコベルの利用状況としては、おもに特定のお客様のお仕事や帰り荷の確保で使っています。使うとわかるのですが「これは便利!」と日々実感しますし、ペーパーレスへの取り組みも随分進んだんですよ。たとえば、ドライバーへの指示書はしっかり渡すべきものですが、ハコベルを使うことでいとも簡単にできるようになりました。金額を抜いたり、容易に変更ができるなど本当に助かっています。
さらに請求書の作成が無くなったことは、工数減へ大きく貢献しています。請求書を作る工程というのはけっこう大変で、日報チェックからなにからなにまで人の手を通っていくものです。配車は現場で組みますが、請求書は経理・総務でつくるというケースが多いので、その部署間をまたぐやり取りが発生します。総務から現場に「これで問題ないですか?」などの確認をしたりとか。それが、ハコベルはシステム上で完了と進めていけば請求確定までできるのでとても助かっています。
竹元:これまでの工程では「見えないコスト」というのが非常に大きかったのですが、ハコベルの仕組みではボタンを押せば請求書ができてしまいますよね。そのため基本的にミスも起きにくいですし、そういう意味では非常に素晴らしい仕組みだと思います。
井出:通常の請求書の作り方ではだいたい3~4日はかかっていたので、その分をまるまる削減できているわけです。その時間を別の仕事にかけられるようになりましたし、なにより請求書作成に私がタッチする必要がなくなりましたので、便利で助かっています。
年間100台あった帰り荷の空車は48台にまで削減!隠れた課題は、現場のデジタルへの抵抗感
—— システム上でできることが増え、効率化が進んだのですね。一方の空車率の方はいかがでしょうか。
竹元:年間約100台も帰り荷が空車だったところ、48台まで減りました。その48台がまた今年半分ほどに減る、というような勢いで削減できていますので確実に空車率は下がっています。
課題に挙げていたことは着実に解決でき始めています。先ほどの請求書作成の例のように、ハコベルの仕組みを活用することで業務が大幅に楽になる企業はまだまだ多いはずなんです。もう少し規模の小さい会社になると、総務も配車もなにもかも一緒にやっていて、なにがなんだかわからないほど複雑化していることがあるんです。高齢の社長さんでも、ハコベルを使ってミスも防ぐことができて、請求書をつくる手間も要らないとなれば、そうした会社ほど活用すべきではないでしょうか。
もうひとつ良い点として、導入コストがかからないこと。これは非常に大きな魅力で、最初のとっかかりとして試験的にも気軽に開始できます。年間費がどうとかでなく、運賃が載った仕事が掲載されていて、あとはこちらがやるかやらないか決めることができる点も含めて、サービス設計がわかりやすいことも魅力と言えます。
——新しいサービスということで、現場の皆さまに受け入れていただくにあたりどのように進めていますか。
竹元:これまで電話・FAXをメインにしていたアナログな進め方が主流でしたから、デジタルということでなかなか抵抗感が根強くあるのが事実です。
井出:抵抗はなかなかありますよね(笑)。
竹元:いまだにある(笑)。正直に言いますと、現場の抵抗感が根強いこともあって、使用する人間が限られてしまっています。これはパソコン作業への慣れ・不慣れが大きく影響しているのでしょう。ある程度事務職の方などはスッと入れるのですが、現場には「パソコンひとつ触ったことがない」という人間もけっこういるんですよ。実際に触ってみれば複雑ではないのに、まず拒絶感、抵抗感が邪魔しているのに加えて、電話をかけている方が「仕事をやっている感」を得やすいのでしょうね。
これについては社内教育もしながら、私としては徹底的に改善していきたいところです。
新たな可能性を感じられるシステムゆえに、ハコベルと一緒に進めたい計画は盛りだくさん!
—— 目の前の業務効率化の促進、さらに今後ハコベルとどのようなことに取り組んでみたいと思われますか。
竹元:デジタル化や効率化というと、これまでやっていた自分の仕事が無くなると思ってしまう人が多いんですよ。ですがまったくそうではない、ということを言いたいですね。私が考えていることは、「日々やっていることを2,3週間先のことをやる」という変化を現場に起こすことなのです。
日々はスポットや2,3台抱えた車だけ配車を組めばよく、あとは3週間先まで決まっている状況にしてしまえばいいのです。明日の分を組むのも、22日先の分を組むのも本質的に変わることはないのですから。
2024年問題も4~6月あたりは物価高に伴う影響なのか、だいぶ荷動き自体は悪かったので、「世の中で心配されていた状況にはならないのかな」と思わなくもありませんでした。ところが、ここ1ヶ月ほどの直近で見れば、明らかに車両が足りなくなっている感覚があり、ちょこちょこ飛び込みで電話がかかってきたりなど、年末にかけてさらに車両の不足が起きてくるのではないかと危惧しています。こうした状況からしても、効率化に対する現場の根強い不安、抵抗感を払しょくしていく必要があるわけですね。
私たちがこれからハコベルに期待しているのは、ハコ車だけでなく平ボディなどの特殊車両を含めて、いろいろなバリエーションの扱い車両を増やしていってほしいですね。最終的にはハコベルに車を預けてしまって勝手にどんどん配車が組まれていったら理想的です。
あともうひとつ、現在ハコベルの利用は運送会社として使用していますが、これをそのうち荷主としても使用できるようにしてほしいですし、最終的には運送会社としても荷主としても両方の立場で使用できる、というものです。やはりどうしても取り切れなくてお断りせざるを得ない仕事というものが日々あるもので、こうした運送会社としてだけでない活用ができたら非常に理想ではあります。
もちろん、そうするにあたって解決しなくてはならない問題がいくつかありますから、今すぐには難しくても、将来的にそうしたお話合いができていければうれしいですね。
—— ありがとうございます。「ハコベルサポーターズプログラム」もご利用いただいていると聞きました。
竹元:そうですね。いまは大変な物価高ですが、燃料の調達も「ハコベルサポーターズプログラム」のおかげでだいぶ安く調達できています。
井出:車両のリースについてもサポートメニューにあることを先日メルマガをいただいて知りまして、早速連絡したところなんですよ。車両購入とリースは、買い替え時期で比較した場合、2年でそもそも買い替えるとしたらリースとさほど変わらないんですよね。車両はどうしても3~4年経つと故障が増えてきてしまうので、修理費用がかさんでいくという悩みがあるのです。
竹元:修理費用ってまったく読めないんですよ。とんでもない額が発生するような修理が突然発生することもしばしば。一方で車両も2~3年程度ならば、さほど故障しないものです。そうなるとリース料はかかりつつも、修理代をある程度見込むことができますので、非常に計算がしやすくなります。事業環境の変化や、それに合わせた事業計画をする際にランニングコストとしてリースは可能性のあるものだなと思うようになりました。
リースだと最初から見通しがつく点が良いわけですが、リース料がもったいないと考える会社もあるでしょうからそれぞれですね。車両については一括購入できるかどうかという点だけでなく、その後の修理費用の予測だと考えています。まったく予測のできない費用という性質上。修理するなら買い替えた方がいいという考えもありますが、買ってもまた壊れるんですよ。いろんな考え方があると思うのですが、ハコベルを利用しているとこうしたサービスも受けられるというのは面白いと思っています。